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読んだ本まとめ「ハンチバック」「汝星のごとく」「メンヘラ製造機だった私が鼻にフォークを刺された話」


 自分のkindle本を作るのに大騒動で、読んだ本の感想も書いてなかった。
 書いてないままにひとたび「本の海」のあいだに沈んでしまうと、もう、2度と記憶の中に浮き上がれないおそれがある。
 わたしはkindleで読むことがほとんどなので、本が部屋のすみっこに実在したりがないからです。

  

ハンチバック

 さて「ハンチバック」。新聞の著者インタビューを読んだときに「この人の持つ軽やかさが好きで読んでみたい」と思った。
 結果大正解!本当にエロい妄想だらけで軽やかで、楽しく素敵である。妄想だらけのツイッターアカウント。ハプバー取材などのこたつ記事を書き、よがり声の表現にこだわるところ。男性器の描写や、「飲んでみたい」「妊娠堕胎してみたい願望」。
 作家の持つバックグラウンドを排除して読んでも、わたしはきっと市川沙央さんの文章の持つ軽やかさとおもしろさに魅せられるだろう。
 しかし「作家のバックグラウンド」はやはり作品を際立たせて、そしてリアルさや「生きることの壮絶さ」をつきつける。
 二律背反だなと思う。
 重度訪問介護という世界に身を置いていたとき、わたしはよく「ストックホルム症候群」という言葉を思い浮かべていた。
 当事者や共犯者にはもちろんなれない。だけどそこにしかない「空気感」が間違いなくある。
 それが特別なことでなく「世界の一部としてきちんと存在している」ような澄み渡った感覚をこの作品に感じた。


汝、星のごとく

 もう、ご存知のとおりの超力作。
 櫂(かい)と暁海(あけみ)の高校時代からの物語。
 島育ちの閉塞感と不遇の中で見出す輝きと仲間のことがひとつひとつ丁寧に描かれている。
 なぜか「溺れるナイフ」という漫画の空気感を思い出してしまった。や、島でもないし、主人公の境遇もぜんぜん違いますね。
 漫画の原作者として大成功を収める櫂の凋落や悲劇、そして暁海の堅実でありながらうまくいかない人生。尚人や井上先生の来し方を複雑に編み込んでいった本当に読み応えのある作品。
 ラストページには本当に救われる「星」がありました。
 そしてまた読み返そうと思って、冒頭ページに戻ると、思わぬ仕掛けが!
 ネバーエンディングな作品。



https://www.amazon.co.jp/メンヘラ製造機だった私が鼻にフォークを刺された話-前田-シェリー-かりんこ/dp/4046823410

メンヘラ製造機だった私が鼻にフォークを刺された話

リンクが貼れなかったので画像を貼っていますw

 メンヘラ野郎とつきあっていて、痴話喧嘩の末に鼻にフォークを突き刺された。
 これだけでも、かなりな内容なのに。それに伴っていろいろなトラブルがやってくる。
 え? 実話?
 警察や彼ピッピのおじさんの対応など、まるでドラマのように信じられないことに巻き込まれてゆく。おもしろいし、本当に不思議なことが起こります。

 不思議なことその1:アマゾンのリンクを貼ろうとしたけれど、貼れずに上記のような体裁になってしまう。
 不思議なことその2:あまりにおもしろかったので、星5つつけようと思ったのだけど、星の評価ができなくなっている。

 不思議だわ〜。
 たぶん、この本が売れて、この本のネタ元がわかると困る人がいるのに違いない。
 そう思うと宣伝しないではいられません。
 
 いや、そういうことを抜きにしても「けっして人に頼ろうとしない」主人公の少しずつ間違ったり、行きすぎたりする選択がおもしろすぎて、ついつい笑ってしまう傑作です。



おまけ:ミドリの森

 今年の目標であったキンドル本「ミドリの森」を出版しました。
unlimitedだと無料です。
unlimitedでなかったら250 円。

 kindleで読む習慣がない人はもちろん多くて「紙じゃないから読めないの」と友人たちから言われてちょっと残念! ペーパーバックも出版することも考えましたが、なかなかハードルが高いです。
 
 そういうわけでkindleでしか読めませんが、よろしくお願いします!




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