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ある夏の盆踊りに関する思い出

世間は淀川の花火大会の日であったが、元来そのような混雑に興味の無い私にとってそれは「ヤマトの配達指定が制限される厄介な日」に過ぎない。そんな私は、花火大会の同刻に難波の「味園ユニバース」で河内家菊水丸氏のイベントに参加していた。

会場の「味園ユニバース」は昭和の味わいが色濃く残るビルで、今ではキャバレーとしては営業していないものの、それを補って余りある胡散臭さ満点の店が入居している。
今回のイベントは大ホールを貸し切っておこなわれた。
18時45分に退社し、19時10分に会場に着いた。先に着いていた友人アイ田氏に「早すぎる」と言われながらとりあえずドリンクを注文。ちなみに、友人アイ田氏はこのイベントのために半休をとって16時半に退社したらしい。

私がバーテンのねーちゃんからお酒を受け取っている間にチンドン屋の行列が終わり、二階堂和美という人の歌が始まった。大西ユカリから毒気を抜いたような歌だった。

今回一緒に来た友人とは全く別のルート知人が「オーラ似顔絵」という店を出すと言っていたので、それを探すことにした。
餅つきをしている者、カレーを販売している者、詩を朗読している者、たくさんの店があった。しかし、残念ながら知人の店をみつけることはできなかった。

二階堂氏の歌が終わり、メインイベントの河内家菊水丸が櫓に上がった。河内音頭が始まると、会場はライブハウスのような盛り上がりをみせた。一曲約20分もあるのだが、繰り返し演奏されるリフとメロディは聴いていてだんだん気持ちよくなってくる。138万円のギブソンで安定した演奏を見せたギタリストの石田氏は「南紀白浜アドベンチャーワールド」(オールウェーイズトゥーギャザ~なーにがああっても~、というやつ)や「四天王寺茜丸」(あぁ、ほんま~あぁ、ほんま~あのデッカイ夕焼け見ていたら~、というやつ)他たくさんの関西ローカルCMを作っている人らしい。
レーザービームが飛び交い、謎の惑星オブジェが点灯し、性別不明の老人が客席通路を躍り歩いた約60分の菊水丸が終わるとイベントの出し物は終了。

あとは閉店まで自由時間であった。あの会場に集まった連中は普段どこで何をしているのか?と思う人ばかりであった。しかし、間違いなく花火大会よりも楽しいイベントのはずだ。開催されるのであればまた行こうと思う。

帰路にて通りかかったラブホの料金表に「学割」があった。それもビックリしたのだが、その下には「シルバー割」があった。みなさん元気でなにより。

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