汗と涙とサムゲタン

サムゲタンが食べたい。

最近いつもイライラしてる。

仕事中は、上司の物忘れのひどさに。

帰宅後は、通っているプールでよく一緒になるおじさんがいつも同じコースを独占していて、それがすごく嫌。

気持ちに余裕があれば受け流せる言動も、なんだかもう、積もりに積もってブラックホール。

腹の中が黒くて重い。

これではだめだ。

こういう時は、ゴリゴリに薬膳効いてるいるようなサムゲタンを食べながら、泣ける映画を見て、デザートにはアイスを食べたい。

毒は、汗と涙で流したい。

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肝心のサムゲタン。

味の想像がつくから、よくある素を使うのは嫌だった。

ネットとインスタを駆使して、辿り着いたのは杉本薬局の薬膳十一包。

これに生姜やねぎ、鶏肉、もち米を加えてよく煮た。

数時間後に蓋を開けると、
匂いだけで浄化されるような気持ち。

弱火でじっくり煮た鶏はホロホロで、お米はトロトロで、夢中で食べすすめているとじんわり汗が出てきた。

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選んだ映画はSex and the City.

泣ける映画を選ぶはずが、もう何十回も見ているド定番のラブコメを、今日も見る。

終盤の結ばれるシーンでは分かっていても泣けるんだから、そんな単純な自分が、好きだなと久しぶりに思う。

レディボーデンのチョコレートアイスを食べ終えた頃には、
はー、満たされた ってな。

いろいろチャラになってんのよ。

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楽しい時も、楽しくない時も、
わたしは食べる。

そうしたらまた、新しい気持ちに出会えている。