那須どうぶつ王国と多摩動物公園から見る動物園の在り方について。

父と2人で那須旅行に行ってきました。
お目当ては那須どうぶつ王国に来た日本初公開のホッキョクオオカミ。


ドイツでオオカミと共に暮らしている人の手記を読んで、ホッキョクオオカミの存在を知りました。
人間があまり居ない極寒の土地に暮らしているので、人間との軋轢の歴史がある他のオオカミとくらべて、人間に対する恐怖心が少なく、穏やかなオオカミだと聞いていました。


那須どうぶつ王国に来たのは、ドイツの動物園生まれの兄妹2匹。
私が行った2日間では、うち1匹の通称オスくんが展示されていました。
年内にメスをもう2頭輸入する予定らしく、もしかしたらその関係でオスくんだけ展示されていたのかもしれません。


メスちゃんにくらべてタレ目タレ眉で優しい顔つきをしているオスくん。
ガラス面にも頻繁に来ていて、放飼場内を駆け回る様子も見られ、多摩のヨーロッパオオカミとは違う、なんというか、人馴れしている印象を受けました。


1日目はせっかくなので園全体をまわったのですが、どの動物も人馴れしていて、キーパーさんともお客さんとも距離が近く、緊張した様子をしている動物がほとんど居なかったのがとても印象的でした。


私がいつも行っている多摩動物公園は、彼らが住んでいる土地の環境を再現し、野生下の行動や魅力を引き出す展示をしているので、彼らは彼らの生活があり、それを人間が眺める感じなのですが、私は多摩動物公園の展示方法こそが動物園としての在り方であると思っていて。
人間と動物は一定の距離と緊張感を保たないと、いつの間にかペットのような感覚を抱いてしまい、そして近付きすぎた結果、動物に襲われる等の事故が起きてしまうと、動物園のキーパーさん達は話していました。
確かに過去に起こった展示動物との事故を見てみると、人間が動物に近付きすぎたことが原因である事案が多いのです。


でも今回、那須どうぶつ王国の動物たちを見て、みんなとっても幸せそうで、動物園としての、教育施設、研究施設としての在り方としては良くないのかもしれませんが、そういう施設があっても良いのかもしれないと思いました。


ふれあいできる!と騙る展示施設の動物はたいてい環境が悪くストレスを抱えていることが多いのですが、ここは環境の良い動物園だけど動物との心のふれあいがあり、なんというか、上手く言えないのですが、動物園は2種類に分けても良いのかもしれないと思いました。


もちろん環境が良いのが絶対条件なのですが、その上で動物とどう関わっていくのかは、その園によって方針が違っても良いのかもしれないと。


ただ、一括りに動物園としてしまうと人間の都合の良さ(動物が見やすい、触れる、知識がなくても楽しい等)で簡単に比較されてしまう可能性があり…
園の方針はこうである!と堂々と宣言する必要があるのではないかと思いました。


私は多摩動物公園も那須どうぶつ王国もどちらも大好きです。全く違う良さがあります。
動物園の在り方とは。
考える機会をいただけて、とっても大切で有難い経験をできた2日間でした。

長くなりましたが、最後まで読んでくださった方が御座いましたら、ありがとうございました。

Instagramではホッキョクオオカミを含め那須どうぶつ王国で撮影した動物たちの写真を更新していく予定なので、そちらも併せてお楽しみいただけたらと思います。

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