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証券会社にインターンしてまなんだROICの重要性について

8/26-30と五大証券のうちの一社のサマーインターンに参加し、遅ればせながら書きました。記事書いてねといわれてないので社名を伏せていますが、気になったら聞いてください。

もともとそんなに金融業界詳しくなくて、単位もらえるけど朝早いし難しい話ついていけるかな〜と思いながら参加したのですが、結論としてはめちゃくちゃよかったです。

特にプラスになったことは下記です。

①株式価値をあげるためのロジックがみについた
②各業界の動向変化を様々なメディアを通してみれるようになった
③日本と世界の経済でおきていることが株価にどう変動を与えるのかを思考する癖がついた
④証券インターンに参加すると、金融業界以外の他会社でも評価される

②各業界の動向変化を様々なメディアを通してみれるようになった
これは社員の方からオススメされて、期間中は毎日日経新聞の朝刊を読んでいました。他にみるようになったものとしては、モーニングサテライト、日経プラス10、ワールドサテライトを見るように心がけています。メディアである以上、意見が偏ることが懸念かなと思うのですが、そういう良し悪しは触れる回数を増やせばより正確にわかるかなと思い、とにかく無知な今は色々見てみようかなと、インターン後も目を通すよう癖づけています。
ただ朝おきれ……いや5時……なんでもないです………………

④証券インターンに参加すると、金融業界以外の他会社でも評価される
これは結構ありました。四季報だったかに企業が主に取引してる証券会社が書いているので、興味のある企業が取引してる証券会社にいってから興味のある企業に伺うと、人事の方が「へぇ…?」って顔をします。そこで学んだことと企業分析を組み合わせると結構強いのかなと思いました。

5日の内訳としては

🦄1日目  企業説明と部門ごとの役割と業務について
🐻2日目 業務説明と証券基礎知識
🐡3日目 財務諸表の分析/グループワーク
🦊4日目 グループワーク/中間発表
🦍5日目 グループワーク/最終発表/講評

こんな感じで、勤務時間は8:30-17:00、昼休憩1時間という感じでした。発表資料が終わらないチームは残業可でしたが、私の入っていたチームは割と方針も決まって内容も見えていたので残業は一切なかったです。あと早めに繰り上がることが多かったため実際はより早く退勤していました。


グループワークの課題は「指定の上場企業数社から一社選び、当社の株式価値上昇のための提案を行うこと」でした。
私たちは某国内の製薬会社を選びました。製薬会社と聞いた時に、ココカラファインとマツキヨHDの交渉が何か使えるのではないかと思ったのですが、選んだ企業がtoB系の商材会社だったのでその路線は排除しました。

発表ツールは大型の模造紙が一枚とマッキーが与えられ、好きにかいてと言われました。私はマッキーに耐えられずイラレでデータを作って出力して切りはりすることをチームに提案しました()

チームで役割分担をしてやることを決めて、私は主に発表資料の製作と議事録、議論しました。今回のテーマは「株式価値の向上」のため、単純に収入をあげる施策を提案するのではなく、投資家に「投資したい」と思わせる施策が必要であると考えました。

この違いによって何が変わるかというと「収益見込みや市場規模といった数値的な実現可能性の評価軸のみで判断されず、投資家、人の評価軸によるため、ESG投資などの観点が有効となる」ということです。

ESG投資とは、環境・社会・企業統治に配慮している企業を重視・選別して行なう投資のことです。 ESG評価の高い企業は事業の社会的意義、成長の持続性など優れた企業特性を持つと言えます。

SDGsが叫ばれる昨今、環境保全とか産学連携とかするとめっちゃ評価良いってことなんですね。そうする余裕が会社にあるということでもあります。

あとなんか、前提の心構えの話なのですが、収益をあげるための施策って既存領域の拡張か新規事業かって話になると思うのですが、そんな会社をまじで助けるほどの事業は基本、当社内で提案もされるしIRで発表もするやろと思っています。なのにしないということは、必ず理由があると思って考えています。競合やフッ軽ベンチャーもいるなかで社内政治とも戦うのに、会社に数十年勤め、戦い抜いてらっしゃる社員の方々を差し置いて、たかだか四季報だのを読んだだけのパンピーが3日で実現可能性も収益性も高い事業をうみ出せると思いあがるのも危険だなと思います。いやもうほんと、提案は誰でもできる……

で、その某企業の5FORCE分析とSWOT分析は下記です。

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競合会社だしてるからもうどこの企業かばれてるのでは笑
さて、短期的に株式価値をあげるなら企業の買収や新規取り組みの発表などですが、私たちが目をつけたのは投資家の基準である「ESG」「ROE」「ROIC」です。

ROIC(投下資本利益率、Return on Invested Capital)とは、税引後営業利益を投下資本で割ることで求められる指標です。 この指標により、事業活動のために投じた資金(投下資本)を使って、企業がどれだけ効率的に利益に結びつけているかを知ることができます。
自己資本利益率(ROE:Return on Equity)とは、自己資本(純資産)に対してどれだけの利益が生み出されたのかを示す、財務分析の指標です。企業の収益性判断の指標として、また株式投資の指標として重要視されています。

ROEって何?ROICって何?っていう人のために簡単にいうと(私も良くわかってない)、PC買ったらPC使ってものつくって売れるとします。PCを買ったお金に対していくら儲けれたで!っていうのがROEです。それに対してROICは広告費とか費用が下げれるところを下げて効率あげたら会社にたまるお金増えるから、そうしてるでっていう指標のことです。多分。こういう一般化よくないですし、多分違う気もするのでちゃんと学んだ方がよいです。でも例えば広告費を下げたり、設備投資を下げたり、教育費を下げたりすると会社のもってるお金は多いので短期的に評価や数字は良くなるけど長期的に会社にとってはやばくね?ってなるので、無駄を削減するなら良いのですけど、あんまり操作しづらいところでもあると思います。具体的に何をしたら評価判定がよくなるの?というのは、最終発表で作った画像をみてください。

でも当社、ESG投資判定めっっっっっちゃよかったんですよ٩( 'ω' )وいやもう提案すらできひんやんわろたみたいな。どれくらいすごいかというと、AAA~CCCで評価判定がある中、たしかAAAだったと記憶しています。つよすぎわろた。さすがです。まぁ良いのは良いことだと気を取り直して、ROEとROICの観点でみることにしました。するとね、ROEもすごくよかったんですよ。AAだったかな。つらたにえん。悲しみの淵。一縷の思いを持ってROICの分野みたんですけど、いや製薬会社って研究費下げたら長期的に大ダメージじゃんわろた。でもですね、ROICの評価をあげるための「アウトプットを意識したインプットができている」項目がまだ改善できるぞということがわかりました。どういうことかといいますと、新薬いっぱい作ってるけど「この市場が伸びるのでこの薬をつくっています」というアピールが投資家に対して不十分ではないかということです。

また、企業は売上利益をあげることが株式価値上昇につながると考えがち(57%)だけど、投資家はROICとESGを重視しがち(74%)

ということから、SWOT分析と5FORCE分析を元にした提案を考えました。
収益をあげるには
・強みをさらに強める
・弱みを強みにかえる
・脅威に打ち勝つ
手法が考えられます。ただし、医薬品業界の外的脅威は国の施策が多いため難しい✖️

製薬業界は「機能性食品」「医薬品販売」の二つの事業が主な場合が多いです。機能性食品ってなにかというと、カロリーメイトとかですね。あとなんか怪しいコラーゲンゼリーだのもそうだと思います。当社は機能性食品が売上比率の1:9と弱く、医薬品は毎年新薬を出すという強みがありました。

そこで、ノウハウがあり、今後市場規模の拡大が見込まれる「核酸医薬品の販路を拡大すること」と、今後注目されていく「整腸分野に特化した機能性食品を浸透させること」を提案しました。弱みを強みに、強みを強みにですね。(ちなみに後からしったのですが、当社、6月ごろに核酸医薬品販売許可を国内初で申請しており、9月末に許可をもらっていました。ほらぁ…)

拡大が見込まれるとか、注目されていくとかってソースは後述しますが調査所と証券会社の調査班のデータから着目したので信頼性はあったと思います。


4日目に仮発表があり、そこで使った資料はこのようなものでした。

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仮発表で作成した模造紙です。発表後にメモ書きしたので汚いです。中間発表ではROICなどの分析をあえて掲載発表せず、周りのグループの様子をみることにしていました。(こすい)
製薬会社の業界概要と当社の分析、提案事業について発表しました。


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中間発表後、自分たちのチーム強いなと感じながら、最終発表のための製作に模造紙はもう一枚もらってとりかかりました。修正点としては「文字の見にくさ」「論理が見えていないところ」向上できるところとしては「提案によっていくら+になるかを概算出してアピール」できるよう動いていました。分析の上で資料に盛り込むのは論理に関わるところのみと製作しました。(実は発表前に5force分析の①と⑤が同じ表題のままだったことに気づき、中間発表の資料から⑤業界競合を切り抜いて貼るという土壇場のファインプレーもありました。)

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最終発表で作成した資料は下記です。

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テレビ番組のフリップっぽいな…と感じてます。
発表後、「時間足りてなかったよな…」と反省したのですが、10分を基準に±20秒で−1ポイント(上限10点)というハードな採点方法で9分50秒の発表ができていたのだと後から知り、ホッとしました。

結果として最高得点を得ることができ、優秀賞を受賞することができました。評価されたのは内容面(ロジック)と資料のでき(みやすさ)でした。

いや、めっちゃ嬉しかったです。

てか関係ないんですけど

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これ東京の会社が市場調査した核酸医薬品の市場規模のデータをグラフにしただけなんですけどめちゃくちゃ胡散臭くないですか?
私がつくった至上最高点です。友人に見せたところ、小数点は…?といわれたので、なるほど胡散臭さの正体はそれかな?と思いました。

今回にも関わらず、別のシステム企業のインターンでもシステム提案で優勝したり、ビジネスコンテストで受賞したりしてきたなかで、(あ、これパターンあるな)と感じたことがあったので、今度事業提案のパターンについてのnoteも書こうと思います。大事なことはいかに美しい絵に描いたもちを描くのではなく、美味しい実際のもちを作ることだよなと思うのですが、既存概念から脱却するためにまず既存概念をまとめてみよっかな、的な感じです。

インターンでプレゼン以外にも身になることは多く、社員の方達から話をきくことができたのが何より学びになりました。

「みなさん株もってますか?」
という社員さんの質問には
(御社を通じてもってます…)
と念じていました。金融に興味のある学生は株取引してる偏見があったので、他の学生が株をもってないことに驚きました。

また、ノルマが達成できなければ詰められる企業もあるなかで、五代証券のうち二社は比較的優しく研修制度も整っていると聞けたのも参考になりました。半沢直樹の作品で感じるほど、金融業界はさもありなんというイメージを抱いていたので印象は変わりました。

金融業界でネット証券取引が盛り上がり社内環境が多少変化したこと、みずほとオリックスが社内起業を推奨して通告したということを知り、もちろん数値や論理は求められると思いますが、金融業界も柔軟だと感じます。

業界についても学べましたし、何より即興チームでも各々の良さを引き出せば良いものをつくって結果をだせるのだと自信をつけることができたのが一番の収穫でした。楽しかったです!






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