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松本山雅のラスト5を展望する

長いリーグ戦も残り5試合を残すのみ。松本山雅は苦しい状況に置かれているが、残りの日程・残留を争うライバルの日程・対戦成績などを見ながら展望していこうと思う。


現在の順位

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今さら傷を抉るようなことすんなや!と思われるかもしれないが、現実と向き合うのも大事な作業。残留争いを繰り広げるチームを明確化するために秋田を含めたのだが、勝点差を見ると14位の栃木までが巻き込まれる可能性があると考えられる。

松本は勝点31で最下位に沈んでいる。残留圏ギリギリにた金沢が勝利したことで残留ラインは37へと一気に上がってしまったのが前節のハイライト。なんとか残留圏まで勝点差3くらいで留まってきたが、ここにきて一気に離されてしまった格好だ。

松本にとって重くのしかかるのは得失点差-33。ご存知の通り勝点で並んだ場合は得失点差が順位決定の材料となるので、断トツに悪い数字は不利に働くことは容易に想像できる。要は、勝点で確実に上回らないと残留は実現できないということである。


各チームの試合日程

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こちらが各チームの残り試合日程。赤くハイライトされているのは、現時点で14位以下のチームとの対戦、いわゆるシックスポインターと呼ばれる試合だ。

こうしてみるとまず目立つのは、山口の直接対決の多さ。残り5試合中4試合がシックスポインターである。現時点で勝点38と勝点では降格圏とは最も遠い位置におり、2勝すればほぼ確定と見ていいだろう。自分たちの結果で残留を手繰り寄せることができるのは選手のメンタル的にもポジティブかもしれない。

逆に金沢は直接対決が1試合のみ、松本と群馬も2試合のみと少ないこともわかる。既に残留圏にいる2チームはまだしも、一番下から追い上げなくてはいけない松本としては逆風だ。直接対決で縮められる勝点差は6ポイントまでで、後は他力本願にならざるを得ない。


松本にとって最悪のシナリオは?

一番最悪のシナリオを想定しておく。心の準備をするために。

38節・39節と松本が連敗して、大宮・金沢・群馬が連勝をした場合は3試合を残して降格が決定する。残留ラインが43となり、松本が1ポイントも積めないと勝点差は12。3試合では9ポイントしか稼げないので詰みである。これが一番最速のシナリオ。

そうでなくても、40節を前にして残留圏との勝点差を4ポイント以内に縮めておきたいところ。よく入れ替わる可能性がある勝点差は残り試合数と同数までと言われるが、3試合で4ポイント差はギリギリアウト。仮に現状の勝点差で推移したとしても、6ポイント差を3試合でまくるのは正直きつい。ましてや勝点で並んでも得失点差で上回るのはほぼ不可能という状況である。

となると、松本は新潟・甲府相手に最悪でも勝点2は獲得したいところである。最も避けたいのは連敗、もっというと大量得点差での敗戦。

連敗した時点で終戦という可能性があることは重々肝に銘じていきたい。それくらいに追い込まれている。


残留に向けてポジティブな要素はないか?

書きながら自分の手が震えてくるくらいに緊張してきたし、これが崖っぷちの残留争いなんだと痛感している。

とはいえ悲観してばかりでも居られないので、最後にポジティブになれる要素を挙げて締めくくろうと思う。


1. ラスト5の相手とは前半戦1勝3分1敗

長崎にはアウェイで敗れたが、新潟・甲府・山口とは引き分け、相模原にはホームで勝利している。磐田や琉球、町田のように大敗を喫した相手ではないので選手の印象も悪くないはず。

前半戦振り返りの時にも挙げたが、アウェイの新潟戦は個人的には今季ベストゲーム。

スコアレスドローだったが、松本が準備してきたことがバチッとハマった試合で、見ていて気持ちよかったのを覚えている。当時から監督もメンバーも変わっているので全く同じ戦い方をするとは思えないが、少なくとも気持ちの持っていき方は悪くないはずだ。

また、甲府とはホームで3-3の打ち合いを演じている。鈴木国友がハットトリックでチームを救ったのは記憶に新しい。現在は出場23試合ゴールがない状態だが、彼の覚醒に期待しているのはサポーターだけでなく名波監督も一緒。警戒すべき選手と認識されて対策された中で結果を残せるか、これは鈴木に限った話ではなく、一段上へ行くには避けては通れない道だ。この壁を乗り越えた時、間違いなく怪物の異名にふさわしい選手へ近づくはず。


2. 榎本樹の覚醒のときは近い

前橋育英高時代には、2年生で出場した高校サッカー選手権で得点王を獲得。決勝の舞台でゴールを決めて前橋育英高に初の日本一をもたらしたFW。期待を受けた加入したが松本ではプロの壁に跳ね返され続けた。加入当初は線の細さが目立ったこともあり、プロの屈強なDFに当たり負けすることもしばしば。今季も前半戦全く出番がなく、期限付き移籍での放出も噂される立場だった。

それでも腐らずにトレーニングを続けた彼は今、松本の救世主となっている。相手センターバックに真っ向からフィジカル勝負を挑めるようになり、空中戦ではほぼ敵なし。金沢戦での同点ゴールや北九州戦でのアシストはヘディングからだった。加えて町田戦では、従来から備えていたエリア内での得点感覚も披露。確実にJの舞台で戦えるFWに成長したことを印象づける活躍で、8試合連続で起用され続けている。

まだ今季先発こそないが、個人的にはあえてジョーカーとして起用されていると考えている。相手の疲労した状態で投入することで、よりチャンスに絡みやすくなるし、彼のフィジカルも生きてくる。彗星のごとく現れたラッキーボーイ。松本を残留へ導いてほしい。


3. 武器になりつつあるセットプレー

直近松本が挙げた5得点のうち4得点はセットプレーから。それ以外にも得点には結びつかなかったが、群馬戦では2回ほど常田克人が決定機を迎えている。

変わった部分があるとすれば、ニアへの意識だろう。ターゲットになっているのは常田で、彼がニアで合わせる形が板についてきている。また町田戦のゴールは、常田を囮にして背後で榎本が合わせた形。相手にニアを警戒させることで、他のエリアで勝負ができるなどセットプレーの幅が広がってきている。

キッカーのセルジーニョに関しても、町田戦で見事なアシストがあったようにキックのフィーリングが合ってきている。綺麗に崩しての得点に期待できない分、セットプレーで泥臭くも得点を奪えるとチームとしては非常に楽になるはずだ。


総括

前半が現実を突きつけるような暗い内容になってしまい、気落ちした方もいるかも知れない。それでも、自分たちの置かれている立場を正しく理解することが第一歩だと思っている。現実から目を背けていては、得られるはずの成果もこぼれ落ちてしまう。

しっかりと厳しい状況を受け止めた上で、今できることを精一杯やる。他のチームの結果も大事だが、最も集中すべきは目の前の1勝。先々のことは一旦考えずに、まずは自分たちが勝点3を積み上げることにフォーカスしていこう。

ストレスフルで緊張感の高い中だと、色々な意見が出てくるのは仕方ないと思う。でも松本を応援している以上、根っこの気持ちは一つなはず。


山雅が好きだから


ひとつになって乗り越えよう




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