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【リーグ再開】J2 第2節 ツエーゲン金沢戦プレビュー

Team News 松本山雅

・チームは6月2日より全体練習を再開

・ベガルタ仙台より常田克人が加入

・鹿島アントラーズより久保田和音が期限付き移籍加入

トップチーム活動再開からここまで、練習試合なし


Team News ツエーゲン金沢

・トップチームは6月1日より活動再開

・3月の練習試合で大石竜平が長期離脱中
国士舘大から加入して2年目の選手。昨季は38試合出場6得点1アシストと主力級の活躍を見せた。
スピードがあり、ドリブルで長い距離を運べる点と敵陣でファウルをもらい、攻撃の起点となる働きが開幕でも目立っていただけに、痛手だろう。

・6月13日にFC岐阜と練習試合を実施(30分×2本 結果は0-0)

・練習試合で下川陽太をボランチ起用した模様(以下、質疑応答を引用)

■下川選手をボランチで起用した理由、またいつからボランチで練習しているのか
そういうようなポジションのトレーニングをし始めたのは3週前くらいかな。6月から全体でやりだしているので、本格的にやりだしているのは2週。今日のゲームでも見られたけど、落ち着いてボールを受けられるから少し時間が作れる。それとサイドでのプレーで見せていた飛び出しなどを出してくれればということを狙いとしていたのですが、今日も何度か出してくれていたので、彼の特徴は出ていたのかなと思います。


予想スタメン

予想スタメン

松本は愛媛戦のスタメン通りと予想。

一方の金沢は、開幕の岡山戦から1名変更。
負傷離脱中の大石に代わって、左SHに山根が入ると予想した。
既述のように下川がボランチ起用される可能性もあるが、あくまで試合展開に応じたオプションではないかと考えた。

2020/6/21 20:22 追記&修正
下川は山雅からの期限付き移籍のため、出場できない契約でした( ;∀;)
下川の代わりに、長期離脱から復活した長谷川巧を先発予想しております。


金沢の攻撃の攻略法

開幕戦を見るに、金沢で一番厄介なのは間違いなくFWのルカオだろう。身長191cm/体重91kgという巨体を活かしたボールキープには、岡山DFもなすすべなしという感じで、逆に身体を預けているはずのルカオがファウルを取られる場面すら散見された。

金沢の攻撃は基本的に一度ルカオにボールを預けるところから始まる。自陣でボールを奪ったのち、シンプルにルカオにロングボール。彼が時間を作っている間に、両SHと2トップの相棒がフォローに回るという形だ。従って、ルカオを潰せば機能不全に陥るはずなのだが、岡山の田中裕介や濱田が手こずっているのをみると1on1で勝負を挑むのは現実的ではなさそうだ。ルカオがボールキープに入ったタイミングで素早く挟み込むか、味方に預けられた後で狩りに行く方が効果的に思う。

個人的に金沢の穴は最終ラインからのビルドアップにあると考えている。オーソドックスな4-4-2の岡山は、2トップで2CBを見る形をとっていたが、数的同数となってしまい、パスの逃げ道が作れていなかった。SBが下りてきて受けるも、SHがきっちり付いてきているため、CBへ戻るか苦し紛れにFWへくさびのパスを入れてロストする場面が多い。前半は岡山の2トップがボランチへのパスコースを消しながら両CBを見張れていたこともあり、ボランチ経由でボールを前進させることもできていない状態が目立った。

それでも、金沢のSHがボールを受けに下りてくることで、マークに付いたSBの裏を2トップが狙う攻撃は機能していた。CBから一発のロングパスで両サイド深くのスペースを突き、CKを獲得。昨季得点の36%がセットプレーからだったことを考えると、理にかなった攻撃である。

金沢ビルドアップ

今季の山雅において、ショートカウンターが攻撃の主体であることを考えると、敢えて両CBにボールを持たせてビルドアップでミスを誘発することができればゲームの主導権を握れるかもしれない。


金沢の守備の攻略法

金沢の守備の特徴は、『ボールと人への意識が強い』ということだ。自陣ではほぼマンツーマンのように守備をしており、目の前の相手に自由を与えないことを徹底しているように見えた。

岡山戦でもボールと人への守備意識が裏目に出てしまったシーンが何回かあったため、そのうちのひとつをピックアップしたい。

金沢の右サイドから相手左SBに攻め込まれ、相手SHがサイド奥へランニングをしたがこれはフェイク。同時にFWがPA内へ入る動きを一瞬見せてボールを引き出し、左SBは内側へ動き直してボールを受けてシュート。得点とはならなかったが、決定機を作り出したシーンだった。

ここでのポイントは、2つ。1つ目は、相手SHの裏へのフリーランニングに釣られてボランチがバイタルエリアをあまりにも簡単に空けてしまったこと。そして2つ目は、相手左SBと対峙していた選手が動き直した相手SBを捕まえきれずフリーでの進入を許してしまったことだ。

開幕の愛媛戦では、杉本・セルジーニョが頻繁にポジションを入れ替えながら左サイドからバイタルエリアへ進入するシーンや、右SHの鈴木もゴール前まで入ってくる動きを見せるなど、従来よりも前線の流動性は上がっている印象を受けた。(悪く言えば一時期の日本代表のような中央合体に近い部分もまだあるが...)2トップの1角に入るであろう阪野もフリーランニングを得意としている選手であり、ポジションに囚われず、柔軟な攻撃を目指す今季の形はハマりそうな感はある。あとは、この中断期間にどれだけ連携面の向上と攻撃のバリエーションが増やせているかだろう。

金沢守備陣の人に付く動き


まとめ

両チームとも練習試合を公開していない(山雅に至っては練習試合さえしてない)ので、この中断期間を通してどれほど完成度が向上しているのか、個々の選手のコンディションはどれほど回復しているのかは不透明だ。そのため、開幕戦をもとにした今回のプレビュー内容とは180度違う試合内容やメンバーになる可能性は十二分にある。

今回久しぶりに試合関連の記事を書いていて、改めてサッカーのある日常、Jリーグのある日常をいかに当たり前に考えていたのかを感じている。そしてその日常が完全に戻るわけではないが、大きな一歩が踏み出せることに心から喜んでいる自分もいる。

一足先に再開したドイツ・ブンデスリーガでは過密日程により、負傷者が例年より増加しているとの統計も出ていると耳にした。昇格プレーオフがなくなり2クラブしか昇格のチャンスを得られないという厳しいレギュレーションの今季だが、僕としてはとにかく大きな負傷者なく、無事にシーズンを戦い切ってほしいとの思いが一番である。

最後に、リーグ再開に向けて尽力してくださった、Jリーグ関係者の皆様、各クラブ関係者の皆様、スポンサーの皆様、選手・スタッフの皆様、そして今でも現場で闘っている医療関係者の皆様、いつも頑張っているすべての皆様に感謝の思いを持って来週のリーグ再開を迎えたいと思う。

では!


俺達は常に挑戦者
One Sou1


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