カメラと相性が良いポタリングから
写真家が自転車に恋をして #02
自転車の楽しみ方は人それぞれ。ぼくが最初に興味を持ったのはポタリング。自転車を使った散歩です。
街や人と関わりが深いスナップを専門にしていて、カフェに集まる人たちを見て憧れたわけだから当然かも。
最初はギャラリー巡りから
写真ギャラリーは電車だと回りづらいところにあることが多く、「今日はギャラリーを巡るぞ!」と意気込んで街に出ても効率よく見られません。
でも自転車があれば、ルーニィ247(馬喰町)からCO-CO PHOTO SALON(銀座)に出て、キヤノンギャラリーS(品川)、富士フイルムフォトサロン(六本木)を回って、さらに東京都写真美術館(恵比寿)へ、なんてことも自由自在。
電車だったらどう回っていいのか悩みます。車だと駐車するのが大変。
ポタリングだけが自転車の目的だった時期は、記録のためのスマホだけあればいいやってことで、しばらくはカメラを持たずに自転車に乗っていました。#写真とカメラの素敵な関係 までもう少し。
ポタリングのデビューは孤独な冬に
今でも覚えているけれど、最初に行ったのは第一京浜沿いにあるショールームで開催されていた立木義浩さんの写真展。雪が舞っていて、まだロードバイクに慣れていなかったこともあり、15kmくらいの距離がやたら遠く感じました。
スマホアプリやナビも使いこなせなかったから、行き過ぎちゃって浜松町の交番で道を聞いて、漕ぎ出したろころでサドルが下がってきて、アーレンキーも持ってなかったため帰り道はさらに辛かった。
さっき久しぶりに前を通ったので記念写真を一枚。
街と関わる自転車の魅力
今日は表参道に出て、ルイ・ヴィトンのギャラリーでウォルフガング・ティルマンスの写真展を見てきました。上のほうにベルリンの自転車屋さんの写真を載せたのは、ティルマンスを見ていてベルリンを思い出したから。
ギャラリーはほとんど無料ですし、自転車だったら交通費もタダで、気楽に見られるから、「今日はこの写真だけじっくり見よう!」というふうに向き合えて最高です。自転車は街との関わりが密接なため、住んでいるように、というのは大袈裟だけれど、より身近に感じられるようになるのがいい。
どんなルートで回ろうかと考えたとき、最初から電車で行くという選択肢がなかったから、コロナ禍の体験も含めて自分の変化を実感しました。
memo:
ティルマンスは、ちょっとした”現象”だった時期に初台のオペラシティで大規模な写真展がありました。いま検索してみて、二十年も前だったのが驚き。
これも素晴らしかったけれど、プリントを見る快楽やギャラリーにいる喜びを感じるのに、今回の展示のほうが良かったかも。
ここ最近はモチーフとテーマが真逆と言っていいくらい変わり、デジタルカメラを使っているはずなので、フィルム時代の作品が見られたのも嬉しかったです。
銀座、白金、品川、恵比寿、青山、表参道・・・
今日のライドは、まず銀座に出てから、白金、高輪台、品川、恵比寿、青山、表参道・・・と、80年代の小説に出てくるようなコース。
初夏を思わせる日差しと、雨上がりにしては爽やかな風が心地よく、最高の気分で走ることができました。
昔は表参道のあたりにレコード会社が多かったから仕事で行くことが多く、会心の仕上がりだったとき自分へのご褒美だって言い訳しつつ、サンタモニカで古着を買うことが多かったです。
久しぶりに店に入ったら、昨今のヴィンテージデニムの高騰でアメリカ製のレギュラー501でも一万円オーバー。赤耳でも余裕で2万は超えます。ご褒美にしても高すぎる。
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