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アメリカには3回の不景気があった!

アメリカには3回の不景気があり、いずれも汚職事件から生じたものでした。アメリカの経済状況、特に株価は日本にダイレクトに響いてくるので変動の理由は理解しておきたいところです。ちょうど読んでいた本がバブルと金融危機は合理的な判断によってもたらされるという内容だったので、まとめてみようと思います。

ここで取り上げる不景気は次の3つです。横に書いてあるのは不況の原因を作った会社です。

1990年7月~1991年3月:S&L
2001年:エンロン
2007年12月:サブプライムローン

1.S&Lから始まった恐慌

まず1990年7月から始まった不景気ですが、これにはS&Lという貯蓄貸付組合の経営不振から始まりました。S&Lは住宅ローンを取り扱っている機関ですが、1982年に制定された預金金融機関法により商業銀行との競争が激しくなり、徐々に経営不振に陥りました。

経営不振を乗り切るために、高リスク高リターンな投資を行い、その損失を覆い隠すために粉飾決済をしていました。もちろん、そんな経営が長く続くわけはないので、倒産してしまったわけです。じゃあ、なんで高リスクな投資に手を出したのかというと連邦貯蓄貸付保険公社 (FSLIC)がS&Lの預金を担保していたからです。頑張って黒字にしなくてもFSLICが何とかしてくれると思ってたんですね。

2.エンロンから始まった恐慌

エンロンはアメリカを拠点とする多角的企業でした。それまで公的事業だったエネルギー事業に参入し頭角を現していましたが、デリバティブ取引を始めたことから泥沼に入っていきました。

ファンドを売却できなかったエンロンは自社の社員を投資家に見立てて取引を行い、負債をオフバランス化しました。内部取引っぽくなり、負債もどんどんと膨らんで訴訟まで行き着きました。ちなみにエンロン社自体は今も存続しています。

3.サブプライムローンから始まった世界恐慌

これはもう皆さん知ってるかと思いますが、住宅ローンを優良債権に組み込んで実体が分からなくなったサブプライムローンが破綻して行ったのが世界恐慌です。

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