そうだ、動物園へいこう（生理用ナプキンは舞い降りない）

思いつきで動くタイプの私。
【計画性 ＜ ひらめき】ゆえに、迷惑をかけることもしばしば。
晩御飯のリクエストの「カレー」から（私なりに”それにしては玉ねぎが足りないな”などと思案した結果）唐突に「にくじゃが」に路線変更するみたいな出来事が日常茶飯事。
「カレーの口になってたのに…」としょんぼりされる。
たしかに大迷惑。

5月末の水曜日。
コロナの影響で予定していた仕事が休みになって、休校・休園の子どもたちと家でのんびりするはずだった。
しかし朝の曇天が、徐々に晴れてきた。
貴重な平日休み。緊急事態宣言が解除され数日。
思い立って「君たち、動物園に行くかい？」と提案した。
前の週からの営業再開を小耳に挟んでいた。
ありもので簡単な弁当を作ることにした。
子どもたちは無論目を輝かせ、母ちゃんの提案に乗っかってくれた。

しかし、なんせ思いつき。
ポークビッツとブロッコリーとちくきゅう（ちくわにきゅうりがＩＮしている）とプチトマトとシャキッとコーンがおかずの、素材感溢れるおにぎり弁当になった。
でも気にしない。
それまでの外出自粛で有り余った「お出かけパワー」を動物園にぶつけようと思った。
もちろん、マスク着用、ソーシャルディスタンスは厳守しよう。

ペンギンに癒されたい。キリンを見上げたい。
象のふくちゃんに会いたい。アムールトラににらまれたい！
ワクワクしながら、入園。

子どもたちもおおはしゃぎ。
こっちこっち！見てみて！早く早く！と動物を観察。

フラミンゴ、ワライカワセミ、オオハシ、カピバラ、ピューマ、カラカル、ヒョウ、ライオン、ボルネオゾウのふくちゃん・・・

園内の半分くらいを堪能して、お腹空いたね！とお弁当タイム。
もぐもぐ食べて、あっという間にお弁当は売り切れた。
そこで、私は「はっ！」とあることに気づく。

久々のお出かけだの、動物園だの、お弁当だの、はしゃいでいたが、その日は生理２日目。
ナプキンの替えをカバンに入れるのを忘れた・・・。
日頃、生理は軽い方で、眠気が2割増しになる程度。
がしかし、ここは2日目。顔面蒼白でトイレにダッシュ。
うん、まだ大丈夫。
しかし、このあと大丈夫だろうか。途端に不安がよぎる。
2日目をなめたらあかん。
椅子にはもう座れない。座ったら最後、立ち上がれないだろう。

バカバカバカバカ！！！！！！！
瞬時に自らを心の中で罵ること50回。しかしだからといって、フワフワのナプキン（私は羽つき派）がそっと舞い降りるでもなし。
近隣にコンビニもない。園内には売店もない。
だがしかし、もうしばらく子どもたちの動物園タイムを守ってやりたい。

ワオキツネザル、テナガザル、リスザル、マントヒヒ、ニホンザル、ワニ、リクガメ、ミーアキャット、テンジクネズミ、ウサギ、ポニー、ダチョウ、アミメキリン、シマウマ、フンボルトペンギン。

さらに小一時間かけて園内を歩き回り、願い虚しくおナプさまの許容量はオーバーした模様。
長年の勘で分かる（ならばなぜ替えを持ってこなかったのか）。もう限界。

子どもたちに正直に「母ちゃん、ちが（我が家の生理の呼び名；『血が出てる』の略。生理中でも子どもたちをお風呂に入れなきゃいけない日はある。そんな時は『母ちゃん血が出てるから今日は湯舟に入らないよ』と説明して、なんで血が出るの？とたずねられれば、お腹の中に赤ちゃん用の赤いベッドができて、赤ちゃん来なかったからベッドがＳＡＹＯＮＡＲＡするんだよ、というごく簡単な説明をしてきた。注が長い！！）なのに、替えのナプキン忘れちゃったの。だから、もう帰らなきゃ」と告げた。
小2の娘は「大変！大丈夫？帰ろう！」とすんなり受け入れてくれた。
4歳の息子は、「えーまだ帰りたくない・・・」とちょっと泣いた。
そりゃそうだ、ごめん。
もうすでに、デニムににじんでくるあのいやな感覚。
120％の吸収率。
これは運転席に座ったら最後、大変な事になるのでは・・・
タオルハンカチを敷くぐらいじゃ無理かな・・・と躊躇していたところ、レジャーシートを敷けば？という娘の提案。
ひざをうって、安心して帰路についた。 

一転、帰りの車内では何の動物がよかったかの討論会。
娘は「リスザルとミーアキャット！」かわいかったね。
息子は「ワニとカメとクマ！」・・・うん、クマはどこにもいなかったぞ。
でも、機嫌を直してくれてよかった。
家に着くと、レジャーシートが赤ちゃんのベッドを一心に受け止めてくれていた。
レジャーシート持参しててよかった（とにかくナプキンの替えを持参すべき）。

思いつきとはいえ久しぶりの動物園が、私のミスで尻切れトンボになって、申し訳ないやら情けないやら。とにかく反省。

これからは、何か良いことをひらめいた時も冷静に。
いくら動物園へ行くことを思いついたからといって、ところてん方式に自分が生理2日目であることを忘れてはいけない。
絶対に生理用ナプキンは空から舞い降りないのだから。