EU委員選挙はどうなる?揺らぐリベラル主義と存在感伸ばす保守主義の混在
自由と人権の欧米・保守化の影響も
まもなく欧州議会選挙が始まります。
欧州議会は定数705で構成されており、加盟国別議席配分数は人口によって
比例している。
【欧州議会の権限etc】
人権擁護
環境規制
消費者保護
そのため欧州議会こそEU加盟国にとっては
左右すべき事態なのです。
特にブレグジット後の初選挙であるため、
議席配分は変更されております。
なお現在の各国に配分される議席数はこちらとなっております。
【議席配分数】
ドイツ:96議席
フランス:74議席
イタリア:73議席
スペイン:54議席
ポーランド:51議席
ルーマニア:32議席
オランダ:26議席
ベルギー:21議席
チェコ:21議席
ギリシャ:21議席
ハンガリー:21議席
ポルトガル:21議席
スウェーデン:20議席
オーストリア:18議席
ブルガリア:17議席
フィンランド:13議席
デンマーク:13議席
スロバキア:13議席
アイルランド:11議席
リトアニア:11議席
クロアチア:11議席
ラトビア:8議席
スロベニア:8議席
キプロス:6議席
エストニア:6議席
ルクセンブルク:6議席
マルタ:6議席
またEUの中でもロシアに近いハンガリーやポーランドもあり、
先進国のフランス、ドイツ、イタリアなどそれぞれの地域事情でも
分かれます。
だからこそ人口の多い国がEUの主導権を取りやすいのです。
しかし不法移民や経済格差も同時に今回の選挙で考えなければ
ならないかと思います。
不法移民対策
不法移民対策は近年ますます強くなっています。
イタリアでは保守派の女性首相であるメローニ首相が
就任し、最南端のランペドゥーザ島に
人口を上回る不法移民が押し寄せています。
ランペドゥーザ島は人口はわずか5,500人でチュニジア、リビア、マルタ
の間の海にあります。
そのため船を通じて移民が押し寄せてくるのです。
日本では中国人や韓国人、北朝鮮人が船を通じて大量にくることはないでしょう?
観光客は違法船でなく飛行機で来ていますよね?
不法移民は船で大量にくるのです。
特にロシア・ウクライナや中東情勢でもEUの対応は
より保守化が進んでいます。
2024年4月11日のロイターによると、
EUは移民改正案を提出し、
移民による財政圧迫のドイツと、不法移民が押し寄せてくる
アフリカと距離が近いイタリアに配慮したバランスの良い
受け入れを目指す法が成立しました。
果たして今回の移民受け入れの評価は
EUの加盟国民はどのような反応を示すのか?
注目です。
物価高とブレグジットの影響も
欧州は高金利と物価高が課題です。
ユーロはドルに勝る政策金利の高さであり、
それぞれの中央銀行は積極的な利上げを
ここ2年間で推進してきました。
未だ利下げは起きず、政策金利はいずれにせよ
高いままですが、今回の焦点は物価高も
影響が及ぶかもしれません。
委員長と大統領の行方
続いて委員長と大統領についてです。
その前に欧州の権限について紹介します。
欧州連合の主要機関は主に欧州議会、欧州理事会、
欧州連合理事会、欧州委員会の4つで構成されています。
欧州議会:選出された欧州議員が参加。理事会と立法や予算に関する権限を共有
欧州理事会:最高位の政治機関、加盟国のトップが参加。欧州連合の政策指針と統合への推進力を高める機関
欧州連合理事会:加盟国の閣僚が参加。立法権と執行権(限定的)を持つ政策決定機関
欧州委員会:加盟国から1人ずつ任命された委員で構成 立法の発案権
この4つですが、中でも影響力があるのは欧州委員長と大統領です。
【欧州のトップ】
大統領:シャルル・ミシェル(ベルギー)
委員長:ウルズラ・フォン・デア・ライエン(ドイツ)
議長:ロベルタ・メツォラ(マルタ)
トップはそれぞれ3名がEUの顔ですが、
今回の議会選ではどのような影響がもたらされるのか?
注目です。