ねじれ議会による混乱!?再び暴動の台湾議会とあの中国共産党幹部、訪日へ
最大野党、国民党が議会過半数を占める
まず今回の暴動の前に台湾について
振り返ります。
2024年、台湾の総統選に合わせ、
議会の立法委員選挙が行われました。
過去の記事にぜひ載っておりますので、
詳細を見たい方は是非!
その台湾の議会選挙ですが、
現在は最大野党の国民党が第一党となり、
民進党は過半数を握ることができませんでした。
【台湾立法委員選挙結果】
(与党)
民進党:51議席
(野党)
国民党:52議席
民衆党:8議席
その他:2議席
結果、民進党がここ最近、法案を通過させることができず、
今回の国民党と民進党の議事妨害(衝突)が起きてしまったのです。
もちろんここでは他国の内政のため、
どちらが悪いかは述べることはありませんが、
民進党の3期目は本当に厳しい状況となったと言えます。
つまりねじれ議会が誕生したのです。
立法院長は国民党の総統候補
現在の立法院長は台湾国民党の韓国瑜氏です。
韓氏は元高雄市長の立法委員で
かつては蔡英文と総統の座をかけて
戦ったことのある方です。
外省人で中国との距離も近い方のため、
民進党は当然反発です。
外省人・・・1945年以降、中国大陸から台湾に移り住んだ人
本省人・・・1945年以前、中国大陸から台湾に移り住んだ人
議会の要職から民進党は離れ、野党主導の議会が誕生したこと。
そのため民進党は今回の騒動のように、
議事妨害の衝突が起きたと言えます。
なお日本の議事妨害として演説を長時間続けたのは
立憲民主党の山井和則衆議院議員や
れいわ新選組の議員の牛歩戦術が代名詞ですね。
議事妨害は意外と世界でもありますが、
今回の台湾では時事通信によると
6人の議員が搬送される事態ですから、
衝撃的ニュースです。
一体なぜこのような暴動が起きたのか?
今回はこの問題をメインに迫ってまいりたいと思います。
ひまわり運動を想起させる議事妨害に
今回の問題において想起したのは、
間違いなく台湾のひまわり運動でしょう。
ひまわり学生運動とは2014年3月18日に学生と市民が
議会を占領した学生運動のこと。
簡単に言えば海峡両岸サービス貿易協定という法案の審議の中で
当時与党の国民党と当時野党の民進党との
激しい衝突によって、審議が打ち切られたことが原因です。
①【当時の台湾政権】
総統:馬英九(国民党)
与党:国民党
野党:民進党
②海峡両岸サービス貿易協定
中国本土と台湾における間のサービス貿易の自由化を目指す協定
300名を超える学生のデモ参加者が生まれた騒動であることから、
台湾の歴史にとっても歴史に残る騒動でした。
台湾民進党が反対する法案の内容とは?
では今回、台湾の民進党は2024年における
先ほどの騒動に関する法案に反対する理由はなんでしょうか?
今回の騒動において解説するのにぴったりの
台湾のメディアであるフォーカス台湾によると
以下の内容がまとめられています。
これはやっぱり言えるのは
台湾がねじれ議会となったことが
要因といえます。
過去20年ほどで台湾はねじれ議会を経験したことはありません。
まずここでのねじれ議会の解釈については、
総統が与党で議会過半数は野党というものであり、
アメリカのような上院民主党、下院共和党という
ねじれ議会を指すものではありません。
つまり民進党の総統であれば民進党が第1党であり、
国民党の総統であれば国民党が第1党でした。
しかし今は総統は民進党で議会は国民党です。
もちろん民衆党もおりますが、
残念ながら対与党ですと、
国民党側につくと思います。
その結果が今回の法案でしょう。
【立法院職権行使法】
国民党が過半数を握り、
民進党が総統のため、国民党にとっては議会の権限を
強化し、政策推進力を高めること。
民進党は総統の権限を維持したい。
台湾の分断はまさしくこのねじれ議会に起因するものでしょう。
日中韓首脳会談開催へ
さて台湾がこのような状況下に陥りましたが、
まもなく日中韓首脳会談が開催されそうです。
そもそも日中韓首脳会談って
何か?と思う方もいらっしゃいますが、
簡単に言えば東アジアの巨大経済大国である
3カ国が議論する場であり、安定化には不可欠です。
そして今回5年ぶりに開催される日中韓の首脳会談ですが、
参加者は以下のようになります。
【日中韓首脳会談】
日本:岸田文雄総理
韓国:尹錫悦大統領
中国:李強首相
3者間で話される内容については日本経済新聞によると、
以下のように書かれていました。
米国が中国との外相や財務相の会談を実現させる中で、
日本としても中国とは対話できる関係を維持しなければなりません。
岸田政権下で訪中された要職の方は
公明党の山口代表と当時の林外相(現在は官房長官)ぐらいであり、
鈴木財務大臣や上川外務大臣、日中議連会長の二階元幹事長も
まだ訪中されていません。
そのため今回の日中韓首脳会談は建設的かつ安定的な
日中関係の構築と、人的交流の発展を結びつける内容となるでしょう。
共産党幹部の訪日、何か進展あるか?
また首脳会談に合わせ
中国共産党の外交の実務を担う
幹部が訪日されます。
産経ニュースによると共産党の劉建超部長が訪日されるとのことで、
上川外相や政党の要職の方との会談も言われています。
【劉建超部長が会談を打診していると言われるリスト】
政府:上川外務大臣(政府)
公明党:山口代表(与党)
自民党:茂木幹事長(与党)
立憲:泉代表(野党)
劉建超氏は次期外相候補と言われ、
党の外交トップを担う王毅外相の政府の外務大臣との兼務により、
訪問できる国々の一部を劉建超部長が担っている現状です。
【中国の外交現状】
(第二次習近平政権)
外交トップ(党中央外事工作委員会弁公室主任):楊 潔篪氏
外交部長:王毅氏
↓
(現在)
外交トップ兼外交部長:王毅氏
本来二人必要な役職を王毅氏が兼務していることから、
劉建超氏がアメリカや日本を訪問し
不足を穴埋めしている現状となります。
果たして揺らぐ国際情勢に
調和が取れる瞬間が今回の会談で見られるのか?
私たちは国際情勢を常に学び知らなければなりません。
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