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5年ぶり日中韓首脳会談まとめ-日韓・中で温度差も 


こんにちは、皆さん!今日は今注目されている「日中韓首脳会談」について、
わかりやすく解説しますね。

なぜ日中韓の枠組みが必要なのか?そしてどの国のためにあるか?
今回はその点を踏まえて検証していく内容です。

よければハートお願いします。

前回のNote

岸田総理の訪韓

岸田文雄総理大臣が5月26日から2日間、韓国のソウルを訪れました。
これは安倍元総理以来の約4年半ぶりの
日中韓首脳会議に参加するためです。

この会議には、日本の総理、中国の首相、韓国大統領のトップが集まります。

なお前回と今回ではラインナップが変化しました。

【2019年日中韓首脳会談】
日本:安倍晋三総理(自民党・安倍派)
韓国:文在寅大統領(共に民主党)
中国:李克強首相(中国共産党・団派)

【2024年日中韓首脳会談】
日本:岸田文雄総理(自民党・岸田派)
韓国:尹 錫悦大統領(国民の力)
中国:李強首相(中国共産党・習派)

会議の前に、岸田総理大臣は韓国のユン・ソンニョル大統領と
中国の李強首相とそれぞれ会談を行いました。

岸田総理大臣は「この会議は地域の平和や繁栄に大きな意味がある」と述べ、協力を深めることの重要性を強調されたとのことです。

中韓首脳会談まとめ

NHKによると今回の中国韓国の首脳会談では次のような言葉がありました。

ユン大統領は「両国がこれまでさまざまな難関を共に克服して互いの発展と成長に寄与してきたように、こんにちの複合的な危機の中でも協力を強化していきたい」
李首相は「国交樹立から30年あまり、両国の経済貿易協力は豊かな成果をあげてきた。引き続き信頼できる友好的な隣国として、互いに成果をあげるパートナーとなるよう努力していきたい」と述べました。

出典:2024/5/26 NHK 韓国 ユン大統領 中国李首相に「平和のとりでの役割を」

特に以下の部分は中韓の連携が求められるでしょう。

・隣国北朝鮮との緊張の緩和
・外交安保の衝突抑止
・中国の過剰生産問題

などもあります。

ただ今回の韓国は議会で与党が過半数を再び得られず、
ユン政権に対する支持も低く、
反日の政党が根強い人気があることもまた
ユン大統領の対応に注目です。

一方、李強首相サイドの動きですが、
ロイターによりますと韓国サムスンに投資拡大を
奨励
されました。

李首相がサムスン幹部との会談を選んだのは、韓国の尹錫悦大統領との二国間会談での先の発言に呼応する。李氏は会談で、より多くの韓国企業による中国への投資とビジネスを奨励するとともに、両国政府に産業サプライチェーン(供給網)の安定維持で協力するよう促した。

出典:ロイター 2024/5/27 中国の李首相、韓国サムスンに投資拡大を奨励

何か変化が起きるかもしれません。

日韓首脳会談

韓国のユン・ソンニョル大統領との会談では、
日韓関係の改善が話し合われました。ユン大統領は「両国の関係は確実に良くなっている」と喜びを表し、今後も若者の交流を増やす計画を語りました。

特に韓国の議会選挙で与党が負け、
反日に転換する懸念の声もあったため、
ユン大統領の言葉には
強い安心感があります。


日中首脳会談

次に、中国の李強首相との会談です。

ここでは、中国が処理水による日本産の水産物の輸入を停止している問題や、
台湾を巡る問題について話し合いました。

岸田総理大臣は中国の軍事活動についても懸念を示しました。

中国船が沖縄県の尖閣諸島周辺で繰り返し領海侵入している問題や、
日本の排他的経済水域(EEZ)内に中国が無断で設置したブイの撤去も
要求しました。

また、中国当局に拘束されたアステラス製薬の日本人の早期解放や、
日本人への短期ビザの早期再開も働きかけました。

このように日中では隔たりがあるものの、
昨年の習近平主席と岸田総理が会談した際の
「戦略的互換関係の推進」に関しては一致し、
会談の成果が伺えます。

・処理水放出問題における中国の反発
・日本の水産物の輸入停止
・アステラス製薬社員の解放
・短期ビザの早期再開
・ブイの撤去

岸田総理大臣は、中国による台湾周辺での軍事演習についても懸念を伝え、
「台湾海峡の平和と安定は国際社会にとって極めて重要だ」と強調しました。

さらに、核・ミサイル開発を続ける北朝鮮に対して、中国に「重要な役割」を果たすことを求めました。

一方で李強首相は中でも主張されたのは
台湾は「中国の核心利益の核心であり、レッドラインだ」という発言です。

この部分は両国間で未だ隔たりが感じられます。

韓国国内の不安の種と世論

一方、岸田総理大臣がソウルに到着する際、
テレ朝によると元慰安婦らが抗議集会を開きました。

問題はこの世論が果たして今後の日韓および韓国と中国の関係に
どのような影響を与えるかは注視しなければなりません。

この抗議集会は日韓首脳会談の30分前に始まり、
元慰安婦の李容洙さんや支援団体が参加しました。

参加者らは、歴史問題や通信アプリ「LINE」を巡る騒動などで、
ユン・ソンニョル大統領が「屈辱外交を続けている」と批判しました。

5年前と比較して緊迫化も改善の傾向もあり

日中韓首脳会議は、3か国が協力して地域の問題や国際社会の課題について話し合う場です。今回の会議では、持続可能な開発経済協力人的交流などが話題になりました。

一方で日韓と中国の隔たりは安全保障面で見られ、
未だ壁は大きい実情もまたあります。

TCSによりますと、5年前の中国で行われた日中韓首脳会談は
以下のような意味がありました。


2019年12月24日、中国・成都にて第8回日中韓サミットが開催されました。中国の李克強(り・こくきょう)国務院総理が議長をつとめ、韓国の文在寅(ムン・ジェイン)大統領、日本の安倍晋三総理大臣が出席しました。三国首脳は、日中韓三国協力の現状評価と地域・国際情勢について議論し、「次の10年に向けた3か国協力に関するビジョン」を採択しました。同会議へは、道上尚史日中韓三国協力事務局(TCS)事務総長、曹静(そう・せい)TCS事務次長、姜度好(カン・ドホ)TCS事務次長が出席しました。

出典:TCS 2019/12/24 第8回日中韓サミットへの参加(2019年12月24日、中国・成都)

・特に国民の暮らしに直結する分野(環境、海洋プラスチックごみ、高齢化、感染症予防など)
・三国間の科学・イノベーション分野での協力強化
・日中韓FTA協定の交渉を加速
・次世代交流の活性化、平昌―東京―北京とつながるリレーオリンピックの成功裏の開催
・朝鮮半島の完全な非核化と恒久的な平和の達成
・自由で開かれた多国間貿易システムを維持するための努力
・非伝統的安全保障の課題
・持続可能な開発目標(SDGs)など

このような成果がありました。

しかし今回の日中韓の首脳会談は
どちらかといえば貿易や台湾をめぐる問題で
隔たりがあり、5年前に比べると
成果は乏しいものです。

最後に

日中韓首脳会議は、新型コロナウイルスの影響や政治的な問題で約5年間開かれていませんでしたが、今回の再開は大きな意味を持っています。3か国が協力することで、アジアだけでなく、世界全体の平和と繁栄に貢献できると期待されています。

これからも日中韓の協力がどのように進展するか、注目していきましょう!

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