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【映画感想】関心領域/関心は無関心の反対か?
こんにちは、映画コラムを書いています。
雪乃日 朝日です⛄️
少し前ですが、関心領域を観てきました。
昨年のカンヌ国際映画祭は映画としてチャレンジングなものが多かったですね!こちらの関心領域はグランプリ(2位)とのこと。
・あらすじ
アウシュビッツ強制収容所の隣に暮らす幸せな家族の日常。
家族はアウシュビッツで行われているであろう惨殺な状況に無関心、自分たちの幸せだけに関心がある様子が描かれた作品です。
・感想
とにかく、この”音”から逃れたい。そんな気持ちでずっと観ていました。
描かれているのは”収容所の隣に暮らす家族”なので、怖いシーンは何も描かれないのに、不安と恐怖でずーっと心がぞわぞわします。
幸せな様子の家族の背景に映り込む”音” "煙"。
それだけで、充分すぎるくらい、何が隣の収容所で行われているか想像できました。本当に、想像で気持ち悪くなり、ちょっと体調が悪くなるんです。それはもう、最初の演出で、観なければ良かったかもしれないと後悔するくらいには。
もう"無関心"でいられなくなってしまったわたし。
でも、映画の中で"無関心"を貫こうとする家族。
ああ、だめだ。
この気持ち悪さに耐えられない。
そう思いながら最後まで観ましたが、かなり社会的意義の強い作品だったと思います。映画だから描ける演出で、観ている側はきちんと強いメッセージを受け取り、考えさせられる。
勉強で知識として歴史を学ぶだけじゃなくて、考えること、に大きな意味があるんじゃないかなと思いました。
・関心は無関心の反対か?
「関心領域」か〜。なるほど。
調べて始めて知ったのですが、原題の「The Zone of Interest」は、アウシュヴィッツ強制収容所で働く人が暮らす収容所周辺40平方キロメートルの地域のことだそうです。
このエリアの話であるということに加えて、もう一つ意味があったと思います。
それは、アウシュビッツに"無関心"な家族を映し出すことで、観ているわたしたちも"無関心"であることを突きつけられるということ。
わたしたちは、実は、この家族と変わりない。
この意味を受け取った人が圧倒的に多いんじゃないかなと思います。
でも、一家の父であるヘスの最後。
あれは本当は無関心じゃない証だと思うんです。
そう思わないと、おかしくなりそうでした。
心の体調を整えて、ぜひ観てほしい映画です。
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