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捨てられない手紙 #エッセイ

 こんにちは!年賀状はもう10年くらい送ってないし、結婚式のメッセージカードも、写真に撮って捨てるタイプの女ですごめんなさい。雪乃日 朝日(ユキノヒ アサヒ)です⛄️

そんな人間終了のわたしにも、捨てられない手紙が一通あります。

 コロナくらいだったかな。会社のメンバーの一人が、年末に手紙をくれたんです。たまにはこう言うのも良いですよね的なノリで。



・働く理由

 当時のわたしは、いわゆるバリキャリ女で、20代は普通の人の5倍は働いてたと思います。もちろん物量働いてるので、キャリアは積んでいくし、任されることも多くなっていったわけです。努力すれば結果を出せるし、結果は評価されると。じゃあ、何のためにそんな働くか、ってことなんですけど、ぶっちゃけ評価とかお金が欲しかったわけじゃないんですね。


本当に、ただ、忙しくして、一所懸命やることがある自分が好きだっただけなんです。

反対に言えば、何も一所懸命やりたいことがない自分は許せないという反動でした。



 だから「キャリア積みたい、評価されたい」って言うくせに、わたしより働かない奴は何なん? って本気で思ってました。。。「どんなやりがいがありますか?」とかって質問されたりすると、「仕事にやりがいとか求めて何になるの?」って、これも本気で思ってました。。。

 本当にやばい奴ですけど、狂ったように働いていたわけです。ハイ。。。
そんな働き方をしていると、キツいし、怖がられるし、キャリアに反比例して恋愛とかもだんだん冷めていくのです。みなさん気をつけてくださいネ。。。

・孤独との闘い


 それで、独裁的なキャリア女だったわたしは、毎日孤独との闘いでした。
でも、当時から思っていたんですけど、「孤独」って悪いことではないと思うんです。難しいんですけど、孤独があるのは成長している証拠というか。当たり前ですけど、人それぞれ、会社の中での役割によって見えている範囲や視座が違う。見えるものが多く、広く、高くなるほど、孤独は強まって当然だと思います。


 そんな時にもらった手紙。茶封筒にシンプルな便箋。
 3枚くらいぎっしり手書きで書いてくれていました。きっとたくさん考えて、時間を使ってくれたんだなあ。内容は最近の話から思い出話までいろいろ。

 そんな中で、一番は、わたしを「孤独にさせません」ってことを書いてくれてたんですよね。



 ああ、嬉しいなあ。



 優しいなあ。


 孤独も、バレてるもんだなあ。



 未熟だけど強がって働くわたしに、「孤独にさせない」と、言葉を紡いでくれていました。ちょっとウルウルきたりもして。

 多分、そのメンバーからすると、わたしが何と闘っているかは見えなかったと思うんです。見えないけど、当時のわたしを信じて、孤独にさせないと言ってくれた。

 当時、ウンザリしてたことがあって。
 人の5倍働くし、もちろんビジネス本とかも読み勉強しまくっていたので、マネジメントの正攻法で上司からとられるコミュニケーションとか、見え透いたビジネステクニックとか。そういうテクニックで、自分の都合の良いように回そうとする大人たちに冷めていたんですね。

 もうね、バカなフリして、納得したようなそぶりを見せるのも最悪の気分でした。

 でも、そうじゃないシンプルな言葉がそこにはあったんですよね。孤独は悪じゃないと思いながら闘うわたしに、孤独にさせないと言ってくれる人が側にいてくれるのはどんなに心強いことか。

 役割としての利害とか、立場上そうしなきゃいけないとか、そういうことから離れた言葉が、とても嬉しかったのを覚えています。

いろんな人に支えられて仕事が出来ているなと素直に思いました。

 しばらくして、そのメンバーは会社を離れることになり、わたしも今は会社を辞め連絡も取っていません。


 でもなんか、どこかで元気でいてくれたらいいなと心から思います。

・手書きの文字


 手書きの文字って不思議ですよね。想いが見えすぎるというか。書いてある内容が一語一句同じだったとしても、デジタルの文字と手書きの文字だったら、手書きの方が心に刺さる。会話で言うと変な感じになるのも、文字だとスッと心に入ってくる。

 あれ、なんていう現象なんでしょ。。。

 きっと、年末の軽い挨拶的な感じで、伝え方はSlackでも何でもあったと思うんです。わたしは、早くて端的でシンプルなビジネスツールとしてのSlackが、大好き。でも、Slackだったらこんなに心に残ってなかった。手紙って、もらったら本当に嬉しいということを知りました。


 感情が伝わるツールは手書きの手紙が最強なのかも。


 みなさんは、最近手紙を送りましたか?

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