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なんならすぐ読むのやめるかと思ったけどめっちゃ面白かった本「天才」著石原慎太郎



はじめに

「この本、絶対途中で聴くのやめるだろうな、
なんなら最初の方でやめちゃうだろうな」

と思って読み始めた。

「天才」著者 石原慎太郎

これが意外や意外。
本当に面白かった。

「天才」のあらすじ

高等小学校卒ながら類まれな金銭感覚と人心掌握術を武器に年若くして政界の要職を歴任。ついには日本列島改造論を引っ提げて総理大臣にまで伸し上がった田中角栄。「今太閤」「庶民宰相」と称され、国民の絶大な支持を得た男の知られざる素顔とは? 田中の金権政治を批判する急先鋒であった著者が、万感の思いを込めて描く希代の政治家の生涯。

幻冬舎WEBサイトより引用

簡単に説明すると、
この本は故田中角栄さんの生涯を
故石原慎太郎さんが「私」の一人称で書いている本です。

読んだ感想

あらすじだけ読むと、
私が途中で心折れる要素満載で、
自分でもAudibleで聴き終わると思わなかった。

昭和の男の政治や野心・愛人の話云々なんて、
本当に気分が悪くなるんじゃないかと思って読み(聴き)始めた。
が、
その予想は良い意味でとても裏切られた。

面白かった。

もしかしたら、
紙の本で読み始めたら挫折したかもしれない。
Audibleというとても受動的に、
一方的に物語が進んでいってくれたのが良かった。

石原慎太郎さんの文章の上手さを知る事ができて良かった。

と思っている。

もしかしたら紙の本でも挫折しなかったかな・・・。
と思うくらい文章がすんなり頭に入ってきた。

この本を読もうとしたきっかけ

そもそもこの本を読もうとしたきっかけは、
テレビ番組で石原慎太郎さんの特集がやっていたからだ。
政治家としての石原さんは知っている。
東京都知事だった頃のことも鮮明に覚えている。
強烈なリーダーシップと、
何となく女性を下に見ているのかな・・。
なんて先入観もあり、
「怖い人」
というイメージがずっとあった。

そのテレビ番組の特番では、
政治家としての石原さんというよりは
文筆家としての石原さんに注目しているような印象だった。
生涯、かなりの本を執筆・出版していると説明していた。

「そういえば、この人の本って一冊も読んだことないな・・」

と興味を持ち始めて、
Audibleを検索する。
とりあえず何か一冊ないかな、
と探したら、一冊だけ検索にヒットした。
それがこの本。
「天才」だった。

本の説明を読むと、
田中角栄氏についての本だと書いてあった。

「うげ。
絶対苦手そうなやつ」

というのが正直な感想だった。

でも石原さんが生涯を通して執筆し続けた情熱が何なのか、
触れてみたかった。

「でも面白くなかったら早々に聴くのをやめよう」

と思ったが、
聴いて良かった。

聴かず嫌いでいなくて良かったと思っている。

こんな人におすすめ

この本をおすすめしたい人は
最近やる気が起きないな、
とか
世の中に不満がある。

みたいな人が
「野心」とまではいかないけど、
「よし!私もなんかやったるで!!」
と、
ちょっと元気になれる本だと思った。

幼い頃の貧困・戦争を通して、
どうのようにして田中角栄さんが
世の中を成り上がっていったのか、
痛快なところもあれば、
この人「天才」なんだろうなと
納得できるところもある。

あと、娘さんの田中眞紀子さんが愛人や愛人の家族に対しての態度も、女性として、実子の立場として共感できるところもあるのが救いだった。

まとめ

もう少し、時代が直近だったらもう少し嫌悪感があったかもしれないが、
田中角栄さんの業績というのは、私にとって、最早坂本龍馬くらい知らない時代のことなので、思ったより先入観なくすんなり受け入れられた。

昨今の政治情勢を見て、
「こんなリーダーまた出てこないかな」
と思う気持ちさえ芽生えた。

そして、
何と言っても
「長いあとがき」
の石原慎太郎さんが良いなと思った。

石原慎太郎さんと田中角栄さんとの交流秘話。
田中角栄さんのことを本にしようとした事。
どれも興味深かったし、
生前に石原さんの本をもっとたくさん読めば良かったかなと思えた。

本との出合いは
新しい自分との出会い。

この本を面白いと思える自分に出会えた事、
石原さんに感謝している。

Audible以外にも、
Kindleでも読むことができますし、
勿論紙の本、単行本・文庫本もあります。

おすすめです。





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