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【ライターへの道】退職を決めたはずなのに #2

「誰かの人生の選択肢がひとつ、広がるような文章を書きたい」
そう思いながらライターを目指して修行中。
ライターになりたいと思ったきっかけから、いつか本当になる日までの記録を残しておきたくて、これを書いています。

初めての【ライターへの道】を書いてから、1か月が過ぎました。
何もしない日が続いて、1日が終わるのがあまりにも早く感じる今日この頃です。

今日は久しぶりの雨の日。
雨の音を聞きながら、のんびりnoteを書いています。


やり切って辞めよう

ライターを目指すようになったのは直観だった。
でも、ゆっくりと気持ちを整理すると、その気持ちは確かだった。

私はこれをやりたいと思ったら、とりあえずやってみるまで気が済まない。
夏頃に心を決めて、早速10月末で退職したいと上司に相談をした。

社員が辞めると言えば、大体の会社は引き止めるだろう。
すんなり退職が決まらないことは覚悟はしていた。

案の定、「本当にライターになりたいの?ならまずは社内でやってみてよ」と社内広報のプロジェクトを勧められた。
正直、通常業務だけでも精一杯なのにできるわけがないと思ったが、その場で断ることもできず、「考えておきます」と曖昧な返事をして終わった。

数日後、別の上司との面談があった。
そこで「プロジェクトの話聞いたよ、もうやってもらうことは決めたから」と告げられた。
いやいや、やるって言ってないんだけどな
というのが本心だったが、もう逃げられなかった。
考える暇もなく、3か月の社内広報プロジェクトの発足が決定した。

でも、思ったより後ろ向きな気持ちにはならなかった。
このプロジェクト発足は、勝手に決まっていったようで、結局は自分の意志だったようにも思う。
業績を上げて次々と表彰されていく同期を見て、なんとなくやり切れていない感じがしていたし、正直、本当にこのまま辞めていいのかという気持ちもあった。
だから、やり切るチャンスができて寧ろありがたかったのかもしれない。

せっかくやるならちゃんとやろう。
あと3か月、この会社でやれることをやり切って辞めよう。

そう思って、もう少しだけ頑張ることを決めた。

やっぱり好きだ

同期を誘って、2人で始めた広報プロジェクト。
普段あまり目立っていない人にもスポットライトが当たるような、そんな記事にしたいなというのが2人の想いだった。

上司にインタビューする人を紹介してもらい、インタビューした内容を記事にしてサイトにまとめる。
サイトはGoogleサイトを使って簡単に作ったが、インタビューをするのも、サイトを作るのも初めての経験で、思った以上に時間が必要だった。
当然、通常業務が優先で、業務時間内では全く終わらない。
業務時間内でやらせてほしいと相談すればいい話だが、私にはできなかった。

私の会社では所属組織ごとに毎月明確な営業目標が与えられるので、
社員の共通の目的はもちろん「営業目標達成」。
それぞれ、そのために提案や顧客対応に入る。
直接数値に結びつかない広報記事を書くよりも、1人でも多く架電をしたり、1秒でも長くお客さんと話をしていた方が組織のためになるだろう。

そうやって時間を取ることに遠慮してしまったのは、自分たちのやっていることに価値があるのか不安だったからかもしれない。

結局、インタビューの時間を除き、その他記事になるまでの作業はすべて休みの日に行った。
休みの日にまで仕事をする娘を見て、母は「大変ね」と心配そうだった。

確かに大変だったかもしれないけど、苦ではなかった。
あまり関わりのなかった先輩方の、仕事に対するこだわりや想いを何度も録音を繰り返しながら文字お越しする時間も、どうしたら読みやすく、伝わる文章になるのか考える時間も、私は結構好きだった。

月に1回のペースで、3回記事を出した。
社内広報なんてゆっくり読んでいる時間なんてないはずなのに、記事に対して多くの方がコメントをくれた。
少しでも組織のためになればいいなと思ってやっていたが、経験も、ありがたい言葉も、いただいたものが多かったのは私の方だった。
何より、やっぱり書くことは好きだし、この仕事だったら長く続けられそうと実感できたのは、1番の収穫だったかもしれない。

思わぬ新たな選択肢

3か月やり切ると走り始めて1か月が経った11月。
今までやってきたことが間違っていなかったと思える契約が続いた月だった。
もちろん同期と比べたらまだまだだし、やり切ると決めて1か月しか経っていないけど、なんだかすごく納得できた1か月だった。
このまま12月までやり切って1月末で辞めようと決め、改めて退職の面談をしてもらった。

退職したいと初めに上司に話してから、既に5回目の面談。
何が何でも辞めると言えばきっともっと前に辞めていたが、自分にはわからない選択肢も教えてもらいながら、後悔のない決断がしたいと思っていた。
だから、広報プロジェクトで退職が先延ばしになっても、引き止められているというより、自分のキャリアに向き合ってくれていると思うようにしていた。

上司は、また新たな道を提示してくれた。
「4月からライティング業務のできる本社の部署に異動しないか?」と。

本社なら現場の働き方とは違う。
君の理想とする働き方に近づくんじゃないか。
本社の人は東京に異動が普通だけど、今の場所が良いならそのままでもいいよ。
ここで経験して、実力がついたらフリーでやればいいじゃないか。
ごめん、正直な気持ちは、コバに辞めてほしくない。

役員にもかけあって、私のキャリアを相談してくれたと話していた。
きっとここまで向き合ってくれる上司はいない。

本社への異動だって、同期の中でその部署にいった人はいないし、特に目立った成果も出していない若手に、そんなチャンスがもらえるなんて思ってもいなかった。

本当に有難かった。

2つの選択肢

ライターになりたいと思い始めて、どうやってその道に進もうかと考え始めた夏頃、ライターの講座があることを知った。
色んなところを比較検討して、説明会とかにも参加して、ちょうど1月開講の講座で良さそうなところを見つけた。
ライターになるには経験と実績が必要だろう。
そう思って、まずは講座に通おうと決めた。
だから私の頭の中では、1月末で辞めて、ちょうど1月から始まる講座を受けながら、仕事を探そうというので固まっていた。

でも、上司から提示された新たな道に心が揺らいでしまった。

未経験でライターになるのは難しいんじゃない?
お金はどうするの?
近いうちに結婚したいと思ってるんでしょ?
経験も積めて、お金も安定してもらえる道を提示してもらって、迷う余地ある?

色んな上司から面談で言われた言葉は痛いほどよくわかっていた。
そんなに人生は簡単じゃないよと、現実を突きつけられている感じがした。
私だって不安がないと言えば嘘になる。
なんなら不安しかない。
だからこそ悩んだ。

仮に本社に異動できてもそれが現実になるのは4月。
正直今の仕事をあと3か月続けるのもしんどかった。
それに今の会社でライティング業務ができたとしても、私が書きたい内容とは恐らく違う。
でも、お金が貯まらなくなるのはとても不安。
彼氏もちょうど仕事を辞めて転職活動しているところ。
どちらもフリーターになるのは2人の将来を考えると現実的ではない。
あんなに考えてくれている上司がいるのに申し訳ないという気持ちもある。ちょうど人事異動がある時期で、早く結論を出さないとと思っていたが、なかなか決められなかった。

こういう人生の岐路に立ったとき、会いに行くと決めていた方がいた。
その方は、世界を2周旅して本も出された方。
とんでもないくらいに心が広く、知識もあって、強くて熱い。
私は勝手に『人類最強の人』と色んな人に紹介してる。
そして、私が薦めてから、その方の本を2周も読んで、神のようにあがめているのが母だった。
せっかくなら母にも会わせたいと思って、母と一緒にその方に会いに行くことにした。

きっと何か良いヒントをもらえるはず。
人頼りなのは良くないけど、恐らく決まっているのに決められない選択に
ただ背中を押してほしかった。

そうやって、会いに行くということだけをとりあえず決断した。


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