姿勢のいい子どもを育てる

私は将来、子どもが出来たら、姿勢を良く過ごすということだけは重視して育てたいと思っています。将来生まれる子どもに対して、私は勉強も習い事も特にこうさせたいというこだわりはなく、のびのびと好きなことをさせて育てていきたいです。しかし、姿勢を正して生きてもらうことだけはどうしても譲れません!!

そう思うようになったきっかけは、高校時代にダンス部で3年間青春を過ごした経験からです。入部当初は初心者かつ猫背だった私ですが、部活で姿勢への意識を変えて姿勢とともにダンスも向上していくことができました。また、姿勢が良くなったことで、猫背だった頃よりも明るい印象がつき変化が見られたと先生方からお言葉を頂きました。そのとき、自分がもっと前から姿勢を意識していれば、今までの生き方も変わっていたのではないかと今でも思います。

私は姿勢が良いと立ち姿が美しく、第一印象が良く見えることをメリットと感じていました。しかし、調べてみるとそれ以外にも多数のメリットがあるようです。『姿勢がいい子はぐんぐん伸びる!』(碓田拓磨 著/ナツメ出版)の内容を参考にご紹介していきたいと思います。

子育てに関係なく、今この記事を読んでくださっているあなたにも、読んだ瞬間からタメになることがたくさんあります!

姿勢を正すメリットとは?

姿勢をよくすることのメリットは簡単に言えば5点あります。①第一印象の向上、②体の健康、③心の健康、④運動神経の向上、⑤思考能力の向上です。

①第一印象の向上 姿勢の良い人の方が第一印象がいいということです。これは納得する方が多い項目なのではないでしょうか。心理学者が提唱した「メラビアンの法則」でも、第一印象には視覚情報が一番影響を与えることが知られています。視覚情報の中でもその人の全体を示す「姿勢」は大きな影響を与えることは間違いないです。つまり、姿勢のいい人の第一印象がいいということは、科学的に実証されている事実なのです。

メラビアンの法則

②体の健康 「楽な姿勢にしてください」と言われれば、肩や背中の力を抜いて背筋を少し丸めた姿勢をする方が多いのではないでしょうか。実は、それは間違いなのです。背筋が曲がった状態では、体が重い頭を支え続けるのにかえって大きな負担をかけてしまっている状態となります。この状態が、肩こりや腰痛、頭痛が引き起こされる原因となっていることも少なくないです。また、背骨は脊髄が通っている場所。そのため、背筋のゆがみは自律神経(呼吸や血液の循環に働きかける器官)の不調を招きます。実際、体の疲れを訴える子どもが近年増加している理由として挙げられています。姿勢の改善は、こうした症状の改善・予防につながり、健康の改善につながります。

③心の健康  姿勢をよくすることで、気持ちが前向きになり、自信を保つことができます。マドリード自治州大学の心理学者ブリニョール博士が71人の大学生を対象とした調査がこれを裏付けています。このような効果がみられる理由として、人間の脳とからだの仕組みが関係しているようです。人間の脳が状況を判断する際、体の動きを判断材料とします。姿勢が良いとき=自信があるときと脳が判断し、脳がポジティブな気持ちを作り上げるというメカニズムとなっています。

④運動神経の向上 冒頭で申し上げた通り、私は姿勢を改善することでダンスの技術が向上しました。それは、ダンスが人に見られる種目であることも関連しますが、何より体の軸を意識することができるようになったからです。この傾向は、ダンス以外のスポーツにも言えることのようです。軸がまっすぐになることで動きがコントロールできるようになり、走ることや投げることなどのパフォーマンスが向上されます。

⑤思考能力の向上 空間認知能という思考力や判断力を操作する能力が、姿勢を正すことで発揮されやすくなります。また、実践してみればわかりますが姿勢を正すと呼吸が深くできるようになります。そのことによって脳に多くの酸素がいきわたり、集中力を高めることもできます。

姿勢への意識は以前よりも低い!?

このように、姿勢を正すことのメリットはたくさんあります。しかし、背中が曲がっている子どもの数は増加傾向にあるようです。多くの子どもを見る幼稚園・保育園・小学校の先生への調査で、近年背中が曲がっている子どもの数が多いと感じる先生が7割程度存在するというデータがあります。また、このデータからは、「すぐ疲れる」という子どもの数についても指摘がありますが、その原因についても背中が曲がっていることが関係しているのは前の章の②で触れたとおりですね。(出典:子どもとからだの心・連絡会議「子どもとからだの調査2015」

姿勢が悪くなる原因とは?

姿勢が悪い子どもが増えた原因として考えられることは2つあります。

まず、学校で姿勢について指導されなくなったことが挙げられます。以前は幼稚園や小学校の学習指導要領(国全体の教育の進め方を決めたもの)に姿勢について掲載があったのですが、幼稚園では1990年に、小学校ではなんと1958年には姿勢の項目は既に削除されていたというのです。確かに、姿勢が大事と学校で教えてくれないのであれば、姿勢の悪い子どもが増加しても当然ですね。

次に、現代の人々の生活スタイルが大きく影響を与えています。以前に比べ、ゲームやスマホが普及したことで、室内で長時間下を向いて一人遊びをする子どもの数が増え続けています。そのほかにも、犯罪の増加から親が子どもを外で遊ばせることが不安となっていることも外遊びが減っている原因と言えそうです。外で遊ばない代わりに家で背中を丸める時間が増えているということが最大の要因とも言えそうです。

姿勢は、親子でいっしょに正す

姿勢を正すのが難しくなっている今日この頃ですが、それでも子どもに姿勢をよくして生きてもらうには、どのようなことに気を付けて接していけばよいのでしょうか。私は塾講師のアルバイトで得た教訓も含めて、以下4点に気をつけて子どもに伝えていこうと考えました。

①姿勢をよくする目的・メリットを伝えること 大切なことは、子どもが自ら姿勢を意識してくれることです。そもそも人は、誰かに命令されたことを目的もわからずやり続けるということは、モチベーションがないため好みません。モチベーションを向上させるためには、メリットを伝え、重要性を子どもにわかってもらうことが大切です。

②一緒にやること 子どもにばかり姿勢を正すように伝え、自分が姿勢が悪いのでは説得力がありません。また、「やらされている」という意識が子どもにマイナスな印象を与え、モチベーションを下げてしまいかねません。そこで、自分が率先して姿勢を改善することを楽しみ、子どもにも楽しいという気持ちを持ってもらうようにします。

③徹底的に褒める 大人にも言えることですが、特に子どもは承認欲求が高い生き物です。できないことを叱るよりも、できることをほめる方がモチベーションも向上し、子どもの楽しさも膨らみます。私は工夫として、姿勢を正すことができたら1日1回シールを貼ってあげるなどの仕組みを作りたいと考えています。

④オン・オフの切り替え 前章で申し上げた通り、現代の社会は姿勢を正すチャンスが作りにくい状況にあります。そこで、少しの時間だけ姿勢を整える時間を作り、習慣にしていきたいと考えています。姿勢を保つのに大事なことは意識付け。また、意識付けに必要なことは継続力。習慣として続けていけば子どもが自発的に姿勢を整えるという意識を持つことができます。

まとめ

姿勢を正すことには、さまざまなメリットがありました。それでも現在、姿勢のいい子どもが少ないことには、時代の流れが大きく関係しているようです。しかし、姿勢は改善するのにお金がかかるわけではありません。少し意識を変えていくだけで多くのメリットを得られるという最高のコスパだと私は考えます。

私は自身の青春時代の経験から、子どもができたら姿勢を正してほしいという願いが生まれました。みなさんも、自身の経験からもし子どもができたら何をしてあげたいか考えてみてはいかがでしょうか。こうした未来を想像することで、自分が子どもを持つイメージが膨らみ、少子化を打開することに少しだけでも影響を与えるのではないかと私は考えます。

子育て云々の話よりも、まずはお相手を見つけるのが先なのですが…(笑)



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