10.　洗脳欲求

「正しく洗脳されなさい」
「主体性を持ちなさい」
「周囲と足並みそろえなさい」
矛盾してると手を挙げる。
「染まれてないのね」と不気味に嗤う。

「正しく」洗脳されなければ、無力な子どもは生きていけない。
「正しく」生きていると、
それが「間違っている」と知る人たちから石を投げられる。

「この道を行きなさい」
　用意された道しか行けない奴が
「自分で選んだ。そうでしょう？」
　自分で手にしたわけではないくせに
「気づく必要なんてない」
　駒としてしか生きられないくせに
「使われるがいいわ。そう、死ぬまでこのまま」
　私たちを率いるな…!!

…最後に私に道をくれたのが、君でよかった。

一緒に滅びを迎えよう。
舞台をくれる？
その上でなら、私、踊れるよ。

君にならやるよ。
私の手元に、唯一残ったこれ。
死ぬ権利。

私か君か、どちらかが死んで
無に還るまで。

命じて欲しい。洗脳してほしい。
全て壊せと。
全て殺せと。
そして、一緒に死ねと。

私は君を杖として生きるから、君は私を駒にして…約束。