平安時代の和歌が令和版ラブレターに
今日は「光る君へ」だ!と喜んでいたら、土曜日ということに気づく。久しぶりに3連休なんてやると調子が狂うのである。
「光る君へ、面白いよね~、クドカンの不適切とこのドラマだけはかかさず見ている!」
と友人たちにいうと、みな反応がいまいち。
・そもそも民放見なくなった
・大河ドラマ見たことがない
・藤原が多すぎて混乱してやめた
・和歌を詠まれても意味がわからん
といわれ、現状、1人の友人としか大河ドラマの楽しさを共有できない。
なんともったいない。大河ドラマ好きの父親も戦国時代や幕末のいわゆる、知っている登場人物のわかりやすいストーリーがよく、また恋愛を混ぜられると面白くないという。
ほんとにもったいない。
確かに、それはちょっと無理があるだろうという設定もいくつかあるが、今回のドラマは平安時代の建築様式が立体的にみられて面白い。建物の間の構造や部屋と部屋の間の御簾もうまく作られている。
色とりどりの華やかな衣装も見ていて心が躍る。
安倍晴明がユウスケサンタマリアとか個人的にはちょっと違うかな~という配役はあれど、とにかくよい。
和歌を詠むシーンはさほどないように思うが、わかればもっと面白いと思う。そこでちょいとおススメしたいのが、紫式部とゆかりが深い滋賀県の石山寺で開催されている大河ドラマ館の隣のもののあはれ展。
もののあはれとは、一言で言い表せない、しみじみとした趣深い感情を表す言葉。
この展示は、源氏物語の恋を現代解釈によってイラストと音楽で表現するという新しい試み。
題材とした和歌は6つあってそれぞれイラストと解釈がされている。
和歌をやっている人からすると、違う違う、そうじゃ、そうじゃな~いなんて歌いたくなる感じではあるが、個人的にはなかなか面白かった。
恐ろしいおばちゃんのイメージがある六条御息所から光源氏に送った和歌↓
嘆きわび空に乱るるわが魂を結びとめよ 下がひの褄
わが魂、嘆きとか未練たらたらかつちょっと怖い感じのイメージのある和歌が現代解釈すると
「大好き、大好き だいすきだよ。こっち見てよ」
と、ストーカー?と思わないでもないが、イラストを見ていると、好きだけど振り向いてもらえない、けど見ていたいといういじらしい女の子のような、そして中学時代の自分を思い出してしまうようなそんな錯覚を起こして、六条御息所のイメージが変わった。
わたしのように和歌がちょっと苦手な人には、イラストで和歌をみせることで、難しさが半減、しかも入りやすくなり、理解もしやすくなる。そして、ちょっと和歌の世界をのぞいみたくなる、そんな展示になっている。
そのほか、平安時代の四季のかさね色目、代表的な香り「六種の薫物」の解説も。六種の薫物は練香が流行っていた平安時代、さまざまな香料を使って自分オリジナルの薫物を作っていた平安貴族の薫物の中の代表格6種。
その中から源氏物語の登場人物をイメージした香りとしてそれぞれの人物の解説とともに香りも体験できる。
これがまさに「雅」の世界にいざなってくれる。平安時代とは、かくも華やかな香りがただよっていたのかとうっとりする。
さほど広くない施設なので、まだ盛り上がりにかけている今こそゆっくり見られるチャンス。
個人的には朧月夜の香りが好き。名前もいいよね。朧月夜なんてはかない感じで憧れる。
香水のたぐりはつけていると香りによってしまうし、柔軟剤の強い香りも好きではないので、基本は無臭女で通していたが、少しは香りをまとったほうが色気というものが出るんじゃないかと、今更思った。
あ~もののあはれよ。
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