落ち着かない新札
新札が登場した7月初旬。
「新札がほしくて並びました!」
といったニュースをみかけた。
あれから約1か月。新札ネタはいずこ?というほど話題にのぼってこない。本日のお金関連のニュースといえば、ようやっと日銀が重い腰をあげ、金利をあげたこと。
すっかりキャッシュレス決済に慣れてしまい、ほぼ現金を使わない生活。友人との飲み会のタイミングでお金をおろしていたのも、最近ではpaypay、楽天キャッシュで気軽に送金できるからおろす必要がなくなった。
しかし、田舎は違う。まだまだ現金主義。友人との飲み会の割り勘も現金。行きつけの美容院も現金、駐車場も現金。現金が必要なのだ。
いつもはコンビニATMでおろすのだが、いや待て。お金をおろす機会もあまりないから、新札がおめにかかれそうな銀行ATMでおろすかとわざわざ銀行に向かう。
しかし、わざわざ銀行ATMでおろしたにも関わらずいつもの福沢諭吉が現れた。ということを久しぶりにあった友達に言う。すると
「渋沢栄一さん持ってるよ」
というではないか。
財布の中から出てきた渋沢さん。
人生ゲームで使う偽物のお金みたいな感じがするのはなぜだ。
が、噂の3Dホログラムが面白い。
少し角度を変えてみると・・・
渋沢さん、横を向いた。下の桜の色味も少しずつ変化する。これは面白い。いつまででも遊べる。
そして、新札といえば「AA」の価値。
製造ロット番号の冒頭が「AA」は一番最初に発行されたお札であり、将来的に価値が上がるといわれている。
このお札が「AA」だったら・・・と製造番号のあたりを眺めると
「AAじゃないよ。AAじゃなくてもチェンジしてあげないよ」
と、にやり。さすがわたしの友人。よくわかってらっしゃる。
残念ながら友人がもっていた新札はAF。5番目に発行されたお札ということか。友人と新札をめぐるアツイ戦いが繰り広げられなくてよかった。
3Dホログラムといった最先端技術が使われているのにも関わらず、感じるこのチープ感。裏をみてわかった気がした。
10000のフォントが海外の紙幣と似たフォント。さらに主張が激しい大きさ&赤文字が、なんだか安っぽく感じたのだ。福沢諭吉は主張しすぎず、控えめに10000と記載されていて、いかにも詫び錆びを尊ぶ日本人らしいお札だったからか重厚感を感じていたのだ。
しかも、日本人はあまり目線をあわせない人種という。渋沢さんはどの角度にしてもじっと見られている気がするが、福沢さんはそっと視線を外しというかどこか遠くを見て、まるで見守っているようなそんなお札だった。
使い慣れた福沢さんのほう1万円の価値があるデザインな気がするし、視線を外してくれているのがとても落ち着く。
渋沢さんが好きとか嫌いではなく、なんとなく持っていて落ち着かない新札である。