スリル満点の山頂にある空港
昨日までのブータン旅行記はこちら。
かなりご満悦なパロからヨンプラ空港間の美しい山並みをレポートさせていただいたが、この間たったの30分。
ヨンプラ空港に向けて下降を開始するとあっという間に雪山から緑に覆われた木々に景色が変化。
ぽつんぽつんと民家が見えてきた。棚田のようにも見える蛇行している道をみると傾斜があることを感じさせる。車で移動していると思うが、山頂に住んでいる人はかなり大変だ。
よ~くみるとやはり畑に見える。まだなにも植えていないが間違いなく畑。農業本を書いているものからすると何を育ててるのか気になるところ。
出発前はヨンプラ空港周辺の天気がよろしくないなんて言っていたものの、雲もさほどないし、ランディングできそうじゃないか?なんて考えつつ、朝早かったのと、ヒマラヤ山脈の興奮で睡魔が急に襲い掛かり、zzzzz・・・・
目がさめたときは、あれ?ヒマラヤ山脈?!
あれ?着陸してない?!
いやいや、着陸したとして、ゲレプに向かっているなら南にいくはず・・・雪山が見えるなんておかしい・・・
時計をみるとパロ空港出発から1時間以上経過している。
顔に????マークがついてたのがわかったのかWifiおじさんが
「空港周辺の天候が悪くて2回ランディング見送ってるんだ」
な、なんと。
山の天気は変わりやすいというが、ヨンプラ空港って山の上にあるのか?と思っていたら、山の上だった。
見えた!見えたが、この雲。確かに着陸困難。どっちから着陸しようとしているのかわからないが、滑走路の奥側は山、手前は谷底。なんとなく、勾配もあるように見える。
いや、こんな山の上で完全にフラットな滑走路なんてできまい。少し傾斜があるに決まっている。世界一とはいわないが、世界10大危険空港にでも認定されそうな空港だ。
ということで着陸できず、また旋回。
ハローヒマラヤ~を10回も繰り返すとさすがに飽きてきた。しかし、10回もランディングを試みるとは根気あるキャプテンだ。
飛行機が下降し始めると、だんだん祈るようになってきた!なんとか着陸してくれ~!と。
雲が切れて、今度こそいくぞ!いった~!と思った瞬間、ふわりと上昇。なぜだ、視界はいいような気がするが、キャプテン的に何か不具合があったのか。
もうすぐ目の前なのに。しかし、滑走路にこんな風に雲がかかっているのを見たことがない。山頂空港のなせるわざ。
さて、またヒマラヤ山脈アゲイン?と思いきや、
おや、川がみえてきた。すると
「ご搭乗の皆様、ヨンプラ空港、悪天候のため着陸を断念し、これからゲレプに向かいます。ゲレプ到着後、再度ヨンプラ空港に向かう予定です。ごめんなさい」
といったアナウンスが流れた。いや~、よくやった。わたしが数えただけでも12回はチャレンジしていた。というかわたしがゲレプ行の航空券を買わなければまだチャレンジできたのでは?と思うと、なぜか申し訳なくなってきた。
わたし一人のためにゲレプに行かなくちゃいけないなんて・・ほんとにすみません。と心の中で謝る。
そうこうしているうちにあっという間にゲレプ到着。
初めて足を踏み入れる場所はいつも高揚感が高まる。
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