見出し画像

茗荷(みょうが)トリビア

夏になると食べたくなる茗荷。そんな茗荷好きの娘のために両親がせっせと収穫して、毎年大量に送ってくれる。いつまでも親離れできずにすみません。大量の茗荷を前にニタついていたふと、なんでみょうがって茗荷という漢字なんだ?と今更思ったので思い出とともに振り返ってみることにした。

画像1


実家が茗荷の群生地になった理由


実家には、鯉が泳いでいたちょっとした池があった。

画像2

小学生のころ、その横の湿地帯にビョンビョン伸びてる雑草のようなものを引っこ抜いて遊んでいたら、じーちゃんに

「おめ~何してる!雑草じゃね~ぞ。茗荷の葉っぱなんじゃ」

と怒られた。いつもは暇なら畑の雑草でも抜け~っていうくせに、なんなんだよ!大体、野菜が畑以外のしかも鯉の横で育っているとは思わないだろ!とふてくされた記憶がある。ちなみに、じーちゃんが亡くなって、誰も鯉の世話をする気がなく、現在、池は封印されている。

小さいころは、あの独特の味わいと香りが苦手で、ネギとみょうがを刻んだ薬味をそうめんのつゆに入れるのを断固拒否していた。年をとると味覚が変わるとはよくいうもので、今ではそうめんつゆにそうめんが入りきらないくらい茗荷をぶっこんでモリモリ食べるのがお好み。

そんな大好物になった茗荷は、日陰の湿地帯を好むため、湿気ばりばりの日本では、放っておいても毎年どんどん育つ。手間いらずどころか、その勢いはとどまることを知らず、池をつぶして、湿気が少なくなり気味なのにも関わらず、池の周りを占拠しはじめ、今では鯉がいた池がどこにあるかわからないくらいの一大群生地と化した。

その生命力もハンパなく、鯉の生垣の石の間や下にまでにょきにょきと育ち、石をよけると茗荷がひょっこり顔を出す始末。コロナじゃなかったら、群生地をわけわけしながらぴょこぴょこ生えている茗荷を引っこ抜きに秋田に帰りたい!
それほどピョコピョコ次から次へと出てくる茗荷たち。
繁殖力は雑草並みだけど、雑草よりも使えるやつ!

画像3


茗荷を食べまくるとバカになる

昔、茗荷を食べまくるとバカになる、もしくは腹を下す。

という噂がどこかの誰かからまことしやかにささやかれ、本気で信じ、食べすぎないように注意していた。

さらに、恐ろしいことに物忘れもひどくなるという噂も。元々、頭の中にいろいろ入れておくのが苦手なのに、さらに物忘れがひどくなったら日常生活に支障がでる!とかなりおののいていたが、調べてみると、物忘れを促進する成分は含まれていないのだそうだ。そうだよな。もし、そうならうちの家族、ぼける前にみんな物忘れ激しくなってそうだもん。

なんという、いい加減な噂なのだ。
しかも、そんなウソのおかげで、茗荷を大量消費するのを躊躇していた。
もったいない。

が、火のない所に煙は立たぬ!
なぜそんな噂がはびこったのか調べてみた。

茗荷の漢字の由来

その秘密は「茗荷」という名前の由来にあった。

昔、お釈迦様の弟子の中に自分の名前を覚えられないほどバカ、いや物忘れがひどい阿呆がいた。そんな阿呆な弟子でも見捨てないお釈迦様は、阿呆な弟子のために名前を書いた札を首から下げさせたそうな。しかし、阿呆は阿呆だったようで、結局、亡くなるまで自分の名前を覚えることができなかった阿呆弟子。そんな阿呆弟子の墓からニョキニョキと生えてきたのがみょうが。自分の名前を背負って(荷って)歩いた阿呆弟子の墓から出てきたから、茗荷と名付けられたのだそうだ。

阿呆と連発するのも申し訳ないので、本名を調べると「周利槃特(しゅりはんどく)」という名前だった。響きといい羅列といいかっこいいじゃないか!こんな素敵な名前を覚えられなかったとは、かわいそうに。

名前は覚えられなかったが、お釈迦様が「チリを払おう、垢を除こう」と唱えながらほうきで掃除をするように銘じると、寒くても暑くても暴風雨でも、毎日唱えながら掃除を続けたそうな。

それを見たお釈迦様「仏道とは、多くのことを覚えることではなく、その人がなすべくことを徹底して行うことが大事」といったそう。

奥が深い・・・阿呆阿呆いってすみませぬ。
記憶力がいい人のほうがもてはやされ、頭いい~、すごい!と称賛されることが多い中、物忘れが激しい私にはこの言葉は励みになる。

といっても私のなすべきことってなんだろ・・・と考えつつも、考えていることを忘れ、大量茗荷を刻んで、消費に専念することにした。

茗荷はダイエットに最適


茗荷はみずみずしくて、シャキシャキして清涼感ばっちり!
しかも、あの独特の風味が食欲を増進させてくれる。生で食べられるし、いくら食べても太らなそうと思っていたら、予感的中。なんと、95%が水分だった。

おお!ヘルシーと思ったけど、ほぼ水じゃ、栄養価はそれほどない?!
いろんなサイトを横断的に見てみたらば

1.のどの痛み緩和(うがい薬)
2.抗菌・抗ウィルス・抗炎症作用があり、風邪予防に効果的(ミョウガジアール)
抗ウィルスということは、コロナにも効果的かも(←あくまでゆきんこ調べ)口内炎にも効くらしい
3.頭すっきり効果 眠気覚ましにぴったり!朝食べると確かにシャキッとする!(αピネン)
4.リウマチの痛み緩和
5.発汗を促進、利尿を促す
6.食物繊維が豊富
7.胃腸を整え胃もたれ解消(αピネン)
8.女性ホルモン エストロゲンの分泌を促し、肌荒れ、更年期不調に効果的
9.血圧上昇抑制 (カリウム)
10.水分取りすぎによるむくみ緩和(カリウム)

って、95%が水分なのに、ここまでの効果があるのか?
あるとしても、相当な量を食べないと効果が出ないような気がしてならない。

夏らしい茗荷の食べ方

ということで相当な量を食べるためのゆきんこレシピを2つご紹介。
茗荷は細かく刻んで、そうめんのつけダレに投入するのが王道の食べ方だが、夏の冷たい麺にはどれもこれも茗荷必須!

最近お気に入りの食べ方が鯖缶ぶっかけうどん

画像4

鯖缶をつゆごとボウルにいれ、味噌と白だし、すった生姜を混ぜ混ぜ、ちょっと冷水をいれて薄めるとするっと飲める。うどんを入れ、大量の茗荷と大葉をトッピングしたらできあがり!

夏はめんつゆとそうめん派だったのだが、今年は鯖缶ぶっかけうどん率がすこぶる高い!鯖と茗荷のコラボレーションがうまいのなんの!
最近はきゅうりやトマト、焼きナスなんかもいれて夏野菜ゴロゴロぶっかけうどんなんかも作っている。

画像5

常備食として常に冷蔵庫に入っているのが、「焼きオクラ&大量の茗荷と大葉浸し」
オクラをごま油で焼いて、フライパンの上で冷ます。
だし醤油をいれたタッパにオクラを並べる
茗荷スライス、大葉、生姜すりおろしをオクラの上にどっぱりかけて、冷蔵庫で数時間寝かせたら出来上がり!12時間くらいたったころが食べごろ!

分量を計って料理したことがないからどのくらい?と言われてもよくわからんが、だし醤油はオクラがちょっと浸る程度でOK。数時間たったらしなってくるので、ひっくり返したりするとオクラに味が染みまくってうまい。

残った茗荷、大葉、生姜はだし醤油と相まって、そのまま食べてもいい感じのおつまみになる。冷ややっこにのせてもよし、納豆と一緒に混ぜ混ぜしてもよし、ご飯のトッピングにもいける!万能調味料になってくれちゃうのだ。夏に「焼きオクラ&大量の茗荷と大葉浸し」がない日はないくらい大好物!

茗荷と大葉と生姜は夏野菜の黄金トライアングルなのだ!

9月入ったのに、秋の風が一向に吹く気配もないので、夏野菜トライアングルをつまみに、今晩も一杯ひっかけるとしましょうか。

この記事が参加している募集

名前の由来

おうち時間を工夫で楽しく

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?