ちょっと大きめの家にしか見えない空港
昨日までのブータン旅行記はこちら。
すったもんだありつつも、3時間遅れでゲレプ空港着陸。
たった一人のためにタラップを用意してもらい恐縮・・・
たった数時間ではあるものの、空の旅を一緒にしたブータン人たち一人ずつと握手をしながら、持っていた抹茶飴を配り、最後に抱擁。客室乗務員のお姉さんも欲しそうな顔をしていたのでさしあげると、持っていた抹茶飴完売。
こうして飛行機の中で日本から持参した飴ちゃんは消えていった。
タラップを降りると、飛行機の丸い窓からみんな笑顔で手を振ってくれている。
「ありがとう!あなたたちと過ごしたヨンプラ空港旋回は忘れないよ」
なんてだいぶ大げさに感動し、体を揺らしながら大きく手を振ってわかれを告げた。
といっても出発する気配はナッシング。おそらくヨンプラ空港の天候を確認して出発するのだろう。客室乗務員さんにも笑顔でお別れ。わたし一人しか下りてないのに荷物が出されているところをみると、配送の役割も果たしているらしい。それよりも、トラクターにカートをつけているのがなんともいえず、キュート。
ひとまず、到着ロビーに向かう・・・うん?ロビーがない。そもそもちょっと大きな家風の建物があるだけで「ARRIVAL」の文字もない。
あるのは定番の国王夫妻の写真だけだ。
ひとまずてくてく歩いて建物の中に入ると、真っ暗。売店一つない。そして、あっという間に外に出てしまった。まるで無人駅。
3月下旬のティンプーはまだダウンをはおるくらい肌寒かったが、インド国境近くのゲレプは常夏。湿気をおびた風が体にじとっとまとわりつく。
さて、友達が待っているはずと意気揚々と外に出たものの、目の前に広がっていたのは茶色い乾いた台地に砂が風でまっているアメリカの西部劇で見るような景色だけだった。
友達はいずこに?!は!着陸が見えなかったとか?!
とにもかくにもWIFIもつながらないこの空港。公衆電話もないし、ひたすら待ち続けるしかない。
と座り込んでいると、飛行機から荷物をピックアップしていたお兄ちゃんがピックアップした状態の車でこっちに向かってきた。
「ガイドは?どこに行くんだ?」
「パーソナルビザできたからガイドはいないの。でも、ゲレプに友達がいるから迎えに来てくれるの」
「そうか、お前の友だちの名前は?」
いやいやいや、さすがに狭い街とはいえ、知らんだろ・・・と思いつつも
「チュキ」
というと、
「おお!チュキか。電話してやる。待ってろ」
え?チュキって珍しい名前なのか?つか、ほんとに電話している。しかも、すこぶる楽しそう。
「お前はゆきんこというのか?チュキはすぐ着くそうだ。待ってろ」
ってほんとに知り合いだった。
おそるべしスモールタウン。
しかも、チュキが来るまで一緒に待ってくれるダンディーさ。
「チュキの家はすぐそこだから送ってもよかったんだけどな」
ありがたいが、それはトラクターでは?(上の写真参照)
後ろに荷台に乗っけられたらドナドナの世界じゃないか!というのが顔に出てたのか
「いや、これじゃないよ。ちゃんと車あるから~」
と話をしているとほどなくチュキ登場!
チュ~~~~~~~~~~~~~~~~~キ~~~~~~~~~~~~~~
と言いながら抱きつき、知っている人に会えた嬉しさと、安堵感でへたりと地面に座り込んでしまった。
ちなみに彼は友達じゃなく顔見知りなんだそうだ。
顔見知り程度で電話番号知っているのがよくわからない不思議な距離感のゲレプ市民たちであった。
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