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大人の階段を登るために飲んでいたジントニック

今日のNIKKEIプラスのなんでもランキングは「国産クラフトジン」。

1位に輝いたのは日本初のクラフトジン専門蒸留所「京都蒸留所」が製造した季の実 京都ドライジンで、ボタニカルには京都宇治市の玉露や柚子、ヒノキや山椒など京都産の素材をブレンドしているのだそうだ。

緑茶や煎茶、玉露といった日本由来のボタニカルや柑橘類をブレンドしたものと読んでいるだけでお茶や柑橘の爽やかな香りが鼻の奥から漂ってくるような感じがするんだから、香りをすぐにイメージできる素材というのはそれだけで得である。

蒸留酒の一種であるジンはボタニカルと呼ばれる植物成分を加えて蒸留し、独特の香りや風味を出しているが、20代のころはそんなこととはつゆ知らず、なんとなく響きがかっこよくて飲んでいた。

その名は「ジントニック」。

カルーアミルクやカシスオレンジなんて甘いものは飲みませんのよ。
すっきりと優美な後味のジントニックが好きなのよ。

とばかりにかっこよく「ジントニック」を頼んでいたが、実はジンのアルコール臭がかなり苦手だった。
酒だ!酒だ!と主張するあの強い香りと飲んだ瞬間、のどにじわ~んとくるアルコール。
今思えば、安いジンだったからあんなにアルコール消毒液ばりのアルコールの匂いだったのかもしれないが、かっこいいからという理由だけでよく飲んでいたものだと昔の自分に感心する。

途中から味がしないトニックウォーターではなく、ちょい甘めのジンジャエールを加える「ジンバック」のほうがまだ飲みやすいのと、「バック」の響きが気に入ってジンバックご用達になっていた。
思い返してみても若かりし頃の自分のツボがあほらしくて笑える。

そんなアルコールが濃くておいしくない記憶があるジンがクラフトされ、日本由来のボタニカルを使用することで鼻の奥にす~っと抜けていく「和」を感じられるものが増えているのだという。

読んでいると日高昆布、干しシイタケ、切り干し大根、クロモミジ、キンカンなどの柑橘類と実に多種多様。
ボトルデザインも和紙を使っていたり、ネーミングを筆で書いていたりと部屋に1瓶置いておきたいくらいおしゃれなものばかり。
だから、ベスト10に選ばれているんだろうけど。

そういえばで思い出したのが先日飲んだばかりの桜をイメージしたカクテル。

ジンではないのだが、同じ蒸留酒の部類のリキュールを使ったもの。
サントリーが手掛けたジャパニーズクラフトリキュール「奏 Kanad〈桜〉」がベースとなっている。桜花、桜葉をふんだんに使用し、桜のやわらかい香りと独特の味わいを感じられるリキュールいうことで、ピンク色が特徴。

このリキュールに無糖紅茶とミルクをいれるとこんなにかわいいピンク色のカクテルができてしまったのだ。

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ジンと違いリキュールは素材の甘味も存分に感じられることから、ちょっと甘めのミルクティーといった味わい。
飲むたびにふわりと桜の香りが漂い、ぐびぐび飲んでしまった。
これはカルーアミルク的な位置づけだが、もうかっこつけなくてもいい年ごろになったので恥ずかしくもなくいただく。

もう一つは「奏 Kanade〈桜〉」に同シリーズのウォッカHAKUをブレンドし、甘酒とグレープフルーツを投入したなんともヘルシーかつおいしそうな組み合わせ。
こちらはウォッカが入っているので、アルコール感ばっちり。
甘酒はグラスにいれるときにこしてあるので後味すっきり。
何よりやはりこのピンク色が春を感じる。

クラフトする=手間暇がかかっているということでこんなにも飲みやすくなっているのだろうか。
そういえば、ちょいお高めなものの、すっきりとした味わいや独特の香りが気に入ってクラフトビールにちょいとはまっている。

コロナ禍で遠慮しているのだが、次に東京出張にいったときはYONA YONA BEER WORKSに行こうともくろんでいる。

その前に国産クラフトジン。しかも1位の季の実 京都ドライジンを試してみねば。
玉露や柚子、ヒノキや山椒をブレンドしたらどんな味になるのか。
若いころ無理して飲んでいたジントニックを自宅で作ってみようではないか。

※桜カクテルはアロフト大阪堂島のバーで飲める

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