自由じゃない一人旅
旅立つ前日が一番苦痛だ。なぜなら荷造りがめんどくさいから。
逆に、旅立つ前、航空券をゲットし、旅立つ2日前が一番たのしい。
特に航空券を買った直後は、興奮冷めやらず、どこにいこうか、どこで何を食べようかリサーチする、そんなワクワクしながら旅先でのあれやこれやを想像する時間が一番楽しかったりする。
だが今回は違う。
いけるかいけないのか、航空券の値段が日を追うごとにあがっていき、わくわくよりももはやドキドキ(←心臓に悪い方)、しながら旅立つ日を待つのは経験したことがない。
しかも、チケットが取れてないのに、日程は先にガチガチに決めなくちゃいけない。なんだろ、この蛇の生殺し状態は。しかも、一人旅なのにまったく自由がきかないのだ。
そう、今回の旅はビザをゲットしなければならない。
しかも、大使館でビザを申請するのとはわけが違い、その国の居住者が年に2回だけ発行できる「招待ビザ」というものを使っていくため、申請はその国の居住者に頼まなければならないのだ。
招待ビザに必要な書類
1.ビザ申請書
名前や生年月日、住所を記入すればいいだけなのでさくっと完了。
バストアップの写真はスマホでOK。
適当にトリミングして、ペタっと貼る。
2.招待ビザを発行する人と自分の関係を手紙にまとめる
ただ単に、行きたい場所を書けばいいのかと思いきや、招待ビザを発行する人とどのように知り合ったか、今はどういう関係か、なぜその国に来たいか、その国で何をしたいかと書かなければならない。しかも英語で。
どこで出会ったか、今の関係は書けるとして、どうして行きたいかなんて、ずばりただ行きたいから。行ったことがないから。
とストレートに書いたら、
「それじゃダメだ」
と友人に一刀両断され、1か月くらいかけてWhatsAppでやり取りした。WhatsAppはLINEのようなものなのだが、外国人の友だちは誰一人LINEはやっておらず、みんなWhatsApp。LINEに比べてシンプルだし、なかなか気に入っているものの、逆に日本の友だちで使っている人が少ないから2つのアプリを使う羽目になっている。
このあたりのブータン人ストーリーは出会い編(←何編続くかは未定)にて
3.旅程表
行きたいところは多々あれど、現地にいって友達から話を聞いて、
「お!そこ行ってみたい!」
「その場所気になる!」
なんてノリで行先を決めたいのに勝手な行動は許されないらしく、ビザを取るにあたり、日程をガッチガチに決めなくちゃいけないのだそうだ。国全体を監視しているかのようなどっかの国みたい・・・
行ったこともないし、情報も限られている中、日程を決めろといわれても・・・ということで、友人に
「ひとまず、●●のお祭りがみたいがために行くけれど、そのほかは●●と●●くらいかな。あとはぶらぶら町散歩しとく」
というコメントとともものすごい簡単な日程を送ったら
「せっかくくるのに、それしか行かないなんて!ちょっと作ってみたから見てみて」
と送られてきた日程をみて、驚いた。
1日たりともゆっくりする日がなく、いつもどこかに移動している。
しかも、ランチの場所、休憩ポイント、おおよその時間も書いている。
まるでパッケージツアー。これはまずいと思い、
「ぼ~っとする日が2日くらいほしいかな」
といえば
「ぼ~っとなんていつでもできるだから、一緒に遊ぼう!わたしも楽しみ~」
と返事が返ってきた。忙しい日本にいるとぼ~っとできないから、自然豊かなところでぼ~っとしたいのに、ぼ~っとするのをあきらめざるをえない。
自分の体力がもつか、どうなることやらである。
半年後は遠い未来
実は、行くと決めたのは出発予定の半年前。
それでも自分的には遅いくらい。というのも飛行機を予約するにあたりビザが必須なもんだから、早く飛行機を予約して、少しでも安く行きたいのに、
「まだまだ先の話でしょ。あわてないあわてない、一休み、一休み」
って一休さんか!キミらは!というくらいのらりくらり。
頼んでいる以上、せっつくのも申し訳ないので、3か月前まで待ったが一向にビザの申請書を送ってこない。
しびれを切らせて
「ねえねえ、本当にわたし行くんだけど、ビザ大丈夫なの?」
と聞いたら、
「まだあと3か月あるじゃない」
という。いやいやいや、もうすでに半年前よりも3万円も航空券がアップ、しかも、円安も進んじゃっているのに、もう待てない。ということをかくかくしかじかと伝え、
「あら、そういうことなのね」
とやっと理解をしてくれて、やっと申請書を送ってくれたかと思いきや、手紙の書き直しやら日程のすり合わせで結局出発1か月前にようやっとビザがおりた。
旅立つ前が一番楽しいはずなのに、もはや目的が
ビザゲット!
にすり替わってしまい、取れた時点で達成感でいっぱい。もう行かなくてもかなり調べつくし、動画やら写真やらを見まくったせいで、すでに行った気さえしている。グーグルマップを毎日眺めていたおかげで、大体の立地も頭に入った。
どうにかして旅気分を盛り上げねばと思っている今である。
さて、わたしはどこの国に行くかわかりますかな?
答えは明日(笑)
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?