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はじまりと終わりの線と点

数日前に坂本龍一さんが鬼籍に入られた。闘病中に録音されたと言われるオリジナルアルバムは、録音された日付がタイトルとなり、まるでその日の感情の波や体調を音で綴るような、いつもの軽やかな旋律もドラマティックな展開も少なく、ただ自然界の現象を音の粒子に載せて表しているかのようだった。

病床に於いて、それはきっと確実に「終わり」を意識しているはずなのに、何故だろう私には全てが「はじまり」のように聴こえてしまう。時折聴こえる機械的な呼吸音すら、苦しみの中で生きていた証として残されたのかもしれない。だけど、私には何故か胎内から響く呼吸音のような、これから生まれくるものの音のように思えました。

あぁ、もしかして「線」のように感じていた「はじまりと終わり」は同じひとつの「点」で、私達はその周りをずっと周り続けているのかもしれない。そこに収められた音を聴きながら何故かそんなことを思いました。

だけど、はじまりにも終わりにも「私」しか居ないんだよ。そう言われているような気持ちにもなった。「孤独」ではない、始めから「ひとつ」なんだよって、言葉に表そうとすると難しいのだけれど。

今日の記事はなんだかいつもと少しニュアンスが違うかもしれません。あまりにも偉大でとにかく「尊敬」という言葉しか思い浮かばない方は、きっとこれからも大いなる智慧やインスピレーションとなられて、私達に与え続けてくださるのでしょう。

中條有紀Instagram

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