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卒業に寄せて〜ART×ENTと都市文化祭についての所感か何か

1.はしがき

今から8年前、高校1年生の夏。
オープンキャンパスで訪れた横浜国立大学の、
教育人間科学部人間文化課程に惚れて、
ぼくはこの大学を目指した。

そして今日、2024年3月31日、
6年間と少し長かった大学生活が
本当に終わりを迎える。

思えば波瀾万丈な日々だった。
発足して間もない都市科学部・都市社会共生学科に2期生として入学し、
4月から早々に新しいサークルを結成して、
アルバイトの塾では早々から
高3生を担当することになり。。。
毎日毎日、がむしゃらに走り続けて、
瞬く間に過ぎ去っていった。

そうした中で、かつてぼくが設立して、
この春からも大学に残り続けるであろう
2つのコミュニティがあるので、
今回はそのことについて、
最後に少しだけ書き残しておこうと思う。

2.藝術文化創作サークル「ART×ENT」について

2020年秋、ジャンルを超越して
本格的な創作活動に取り組むサークルとして、
藝術文化創作サークル「ART×ENT」を結成した。

2022年の春には初の上映会を開催、
夏には「ユニコムプラザさがみはら」主催の
「まちづくりフェスタ」にて企画展も実施した。
そしてその年末、サークルで制作した短編映画『魂はどこにあるのか?』が、
第10回八王子Short Film映画祭の学生部門にノミネートされ、
脚本家とメインキャストとともに登壇したりもした。
そして昨年は保土ケ谷消防署と提携する形でPR動画「菫ノ誓」を制作した。
はじめての依頼・共創ということで、
正直なところ反省すべき点も多いプロジェクトだったが、
それでも最後までやり遂げることができた。
そして数日前になるが、
そのことをご評価いただき、
令和5年度横浜国立大学優秀学生表彰を授与いただいた。

こうして、幸いにもART×ENTとその作品は、
多くの方にご好評をいただき、
テレビや情報誌など複数のメディアにも取り上げていただくことができた。

まだまだ結成3〜4年目、
人数も少ない小規模なサークルではあるが、
おそらく知識やノウハウはある程度受け継がれているはずだし、
機材もいくつか置いていくから、
これからも発展していってほしいな、と願っている。
卒業生として、外からこれからの活躍を楽しみにしていきたい。

ところで、なかなか課外活動で成果を上げることは、
特に文化系のサークルでは難しい。
けれども、その可能性や道の入り口はひらいたつもりなので、
興味や関心のある人はぜひトライしてみてほしい。

ぼくがここでやりたかったこと、
それは普通の四年生大学でも、
何かそういったクリエイティヴなことに挑戦できる環境を作る……ということで、
幸いにもこうして目に見える成果も挙げることができたから、
あとは意欲のある次世代の方々が、
夢や目標を果たすために上手くやっていってほしいな、という想いである。

3.「都市文化祭」について

このイベントについては、
おそらく現役世代の方々(新2〜4年生)も知っているだろうし、
ウェブサイトにいろいろと書いてあるから、
概要や歴史は割愛させていただく。

そのうえでなんだけれども、
発案者としてはこのイベントは
"オルタナティヴな場"として、
そのフォーマットが継がれていけば嬉しいな、と考えている。

要するに、レポートや論文以外の場で日頃の学習や研究の成果を表現・共有できる場であると同時に、
アートを含む"作品"や"パフォーマンス"などを通じて、"結果"や"結論"のみならず"問い"や"問題意識"を共有できる場でもあるから、
何かこう、ミクロな単位でもマクロな単位でも、
行き詰まったときの打開策のひとつ、
となれば良いな、と考えている。

毎年、高校生や受験生からもご好評をいただけているとのことですし。

そういうわけで、別に無理して毎年開催する必要はまったくないと思うのだが、
そのフォーマット自体は継承されていくといいのかな、という次第である。

4.あとがき

この6年間は、ぼくにとってあまりにも濃い日々だった。
プライベートなことや他の活動まで含めたらリアルに上下巻本ができあがりそうなので、
とりあえず大学に関する遺産2点に絞って記すことにした。

正直、この遺産がどうとらえられているのか、
そして来年再来年、あるいはその先でどうなっていくのかはまったくわからない。

ただ、この2つのコミュニティが続いていって、
人や組織や、あるいは大学や地域を、
より良い方向に変えていくのであれば、
それはこの上なく嬉しい限りである。


2024年3月31日
横浜国立大学大学院都市イノベーション学府
卒業生 長友優輝

Archer/永友悠稀です。アートに携わっています。映画や音楽、小説などを制作しております。絵画や彫刻、インスタレーションにも関心があります。専攻は人文社会学です。よろしくお願いいたします。