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プールでのちょっとした出会い

サンノゼで泊まったマンションの敷地は、Uberの運転手さんが迷ってしまうほど広かった。私たちは一つしか見つけられなかったけど、敷地内には、プールとジャグジー風呂が3つか4つあったようだ。

ホテルだと、ちょっと治安のいい場所・きれいな部屋を選ぶと一泊3万円〜4万円はするのに、このAirbnbは一泊2万円ちょっと。7泊したので週割もきいて、今考えても選んでよかったなと思う。

子どもたちは初日から、木々の奥に見えるプールを指差し「あそこに入りたい!」と言っていた。初めて利用したのは2日目の夕方。サンノゼは、夏だからか、夜の8-9時くらいまで「まだお昼?」と錯覚するくらい太陽が燦々と照っていた。

部屋からプールへ行くときに悩んだのが、服装。プールまでの距離は100-150mくらいだけど、水着のまま歩くのはちょっと恥ずかしい。考えた結果、子どもたちは水着にラッシュガード、私は水着の上に短パンとパーカーを着て家を出た。

プールの門で、オーナーさんが予め教えておいてくれた暗証番号を入力する。

……開かない。でも、もう驚かなかった。

私「また開かないよ〜」
長男「えーまたぁ?」

もたついていると、後ろから高齢の白人男性がやって来て、「ちょっと貸してごらん」。でもやっぱり開かなくて、「門がもう一つあるんだ。ついておいで」と裏道を案内してくれた。

男性のおかげで、無事にプールに入れた私たち。男性は妻と思われる高齢の女性とビーチチェアに腰かけ、プールで遊ぶ小学生ぐらいの男の子を見守っていた。

(理由はさまざまだと思うけど)両親が仕事中におじいちゃんおばあちゃんが孫を預かっている光景に私には見えて、日本と同じだ、と少し安心した。

「一緒に遊ぼうよ」

「You wanna play with us?」

4日目、「今日は外出しないで節約するぞ」とプールで過ごしていたとき。この日はアラブ系の家族が2グループいて、うちの子たちと同年代の男の子や赤ちゃんもいた。

長男は、異国の人たちに囲まれると怖いのか「あっちへ行こう」と言うので、私たちは3人で、プールの横にあるジャグジー風呂に入っていた。すると、プールで泳いでいた男の子2人がザパン! と入ってきた。

男の子1「Many many bubbles!(泡がいっぱい!)」
男の子2「You wanna play with us?(一緒に遊ぼうよ)」←訳、合ってるかな……? もしくは「ぼくたちと遊びたい?」というちょっと上からのニュアンス?笑

私「うん、泡がいっぱいだね! (うちの子たちに)一緒に遊ぼう、だって」
次男「……(無言で、ニヤニヤしながら男の子たちを見ている)」
長男 (無言)

このとき、私は気付いた。

子どもの英語って、聞き取りやすい……!!

きっと「Many many bubbles」も「You wanna play with us?」も、大人のセリフなら聞き逃していたかもしれない。子どもはゆっくり・はっきりと話すから、一語一句、しっかりと聞き取れる!

すぐに彼らは母親らしき女性に大声で呼ばれて行ってしまったが、私はなんだか嬉しかった。理由は2つある。

一つは、私が息子たちにさせたかったのは、まさにこういう経験だったから。遠い異国には、自分たちとは見た目も言葉も違う人たちが生活していること。それを、現地で実際に見て・感じることができただけで、この先、彼らの物の見方は変わってくると思う。

もう一つは、「子どもって世界共通なんだな」と思えたこと。

私は英語が下手だけど、男の子2人があまりに可愛いので、つい日本で長男のお友達に話しかけるようなテンションで、「泡、すごいね〜!」などと話した。すると、彼らも満面の笑みで私にしゃべりかけてくる。

その笑顔も、「あのね、あのね!」と一生懸命しゃべる姿も、日本の子どもたちとまったく同じで……なんだか可笑しかった。

水深2.5メートルのプールで

8日目から泊まったマウンテンビュー市にあるAirbnbのプールでは、こんなことがあった。

長男が「出かけるのいやだ。マンションのプールに入る」と言うので、朝から入りに行ったとき。一つ目の宿のプールは私の足が届くくらいだったのにたいして、今回は3分の1より奥が水深2.5mと深かった。

写真は前の家のだけど、この奥3分の2くらいが深いイメージ

子どもたちには「赤い線よりもぜったいに奥へ行っちゃいけないよ」と伝え、私たちは浅いほうで遊んでいた。

すると、アジア系(日本語ではなかった)の3-5歳くらいの男の子のきょうだいと、父親と思われる男性が門を開けて入ってきた。父親はビーチチェアでスマホを見、きょうだいはプールサイドできゃっきゃと走り回っている。

私「あの子たち、浮き輪つけてないよ! 落ちそう、怖いな……」
長男・次男「ほんとだ! 大丈夫かなぁ」

その瞬間、きょうだいが水深2.5mのほうにドボン! と飛び込んだ。

ぎゃーーー!!!

父親はスマホを見ているので、私が行かなきゃと水をかき分けると、なんと彼らは魚のように泳いで水から顔を出し、「ぎゃははは!」と大笑いしている。また潜り、プールの底を「えいっ」と蹴って、また浮いて……。こんなに小さい子たちがこんなに泳げるんだ! と呆気に取られた。

うちの子たちも同じことを思ったのか、放心状態でじっと見つめていた。しばらくすると、父親もゴーグルをしてプールへ飛び込み、まるでアスリートのように泳ぎ始めた。きょうだいはその周りを魚のように泳いでいる。

ここで、子どもたちはパパが恋しくなってしまい、その様子を見た私は帰国を早めることを決意するのだが、その件はまた別のnoteにする。

日本に帰国した今、「あのお父さんが泳ぐのを潜って見てた」という長男はクロールをほぼマスターし、次男は、「プールに通いたい!」とスイミングスクールの体験へ行った。そのくらい、アメリカのプールでの出来事は、子どもたちにとって印象的だったみたい。

プールの帰りに見つけた小さな図書館

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