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ランクの有料化とその他の不正行為について

今日、APEXの開発者の一人がこんなツイートをした。

「ランクマッチを課金制にすれば、バンされたチーターが新規アカウントを作り、チートを使い続けるのによりお金がかかるのではないか」といった内容のツイートで、ユーザーに対して賛成か反対かを問うアンケートをしている。

現状、賛成意見が多いようではあるが、これまで無料で提供していたものを有料化することは様々な変化をもたらすはずである。良い側面も有れば同然悪い側面も出てくると考えられる。

そこで、今回はランクの課金制化が今後のAPEXにどのように影響する可能性があるかについて述べていきたい。


まず、先ほどのツイートの通り、チート使用者は、チートを使用し続けようとするとよりコストがかかることになるため、チートの使用を抑制できるのではないかという説だ。

これはランクマッチに関して言えば、おそらくそのような抑制効果は期待できると私も考えている。

これまでのチート対策は、チーターを発見し次第、そのアカウントをバンするというものだったが、この手法ではどうしても後手に回ってしまっていた。なぜならバンされたチーターは新たに新規アカウントを作ってしまえばまたチートを使用できるため、イタチごっこでしかない。結局のところチートの使用を抑制することはできないからだ。

しかしながら、ランクマッチに課金が必要となれば、新アカウントに乗り換える度にコストがかかることになる。これまでは単なるイタチごっこでしかなかった垢バンも、回数を重ねれば重ねるほどチートの抑制になり得るのだ。


次に、スマーフ行為の抑制効果である。

スマーフ行為とは、サブアカウントを使い、雑魚狩りすることを目的に本来の実力よりも低いランク帯でプレイすることであるが、

サブアカウントでランクをするためにも課金が必要になるため、これも抑制できる可能性がある。

正直なところ、サブ垢が1つくらいであれば、雑魚狩りするために課金するという人ももしかしたらいるかもしれないし、そこに対しては大きな抑制効果は見込めない。

しかし、スマーフも一つのアカウントだけで永遠にできるわけではない。しばらくプレイしていれば次第にランクは上がっていき、やがてそのプレイヤーに見合ったランク帯に到達する。

スマーフを積極的に行っている人に聞いたわけではない(そんな人は知り合いにいないし、いても縁を切る)のでこれは完全に仮説だが、スマーフをしたい人は、複数のサブアカウントを持っているか、あるいは次々に新しいアカウントを作っているのではないだろうか。

もしこの仮説が正しければ、先ほどのチート抑制と同様に、使用するアカウントの数が増えれば増えるほどコストがかかることになるため、スマーフ行為についても抑制することができると考えられる。

ただ、これに少し似た、サブ垢によるランクのお手伝いにも影響してくることになる。

自分より低いランク帯の友人のランクを上げるために、自分がサブ垢を使うことによってパーティを組み、ランクをプレイしたことのある人は少なくないのではないだろうか。

ランクを固定メンバーでプレイしていた場合、目標のランクに3人同時に到達することはあまり現実的ではなく、大抵の場合誰か一人が先にゴールすることになるが、このとき残りの二人のランクを上げるためにそのままランクをプレイすると、パーティ内の最高ランクが上がっているため、これまでよりも一つ上のランク帯で戦わなければいけなくなるのである。(例えば、マスターを目指していたある3人はダイヤ帯でランクを上げていたが、そのうち1人がマスターに上がってしまうと、プレデター・マスター帯で戦わなければならなくなり、このままでは残り2人のランクを上げるのが非常に難しくなる。)

そこで、先にランクが上がった人はサブアカウントを使うことでこれを防ぎ、まだゴールしていないメンバーの手助けをするというのはよくある話だと感じているが、これについてもサブ垢の使用にコストがかかるため、これまで通りとはいかなくなりそうではある。

(そもそもランクのお手伝い行為自体、スマーフ行為と近い部分があるため、その是非が問われているところではある。公式によれば、「雑魚狩りを目的としているスマーフ行為は禁止だが、あくまで雑魚狩りが本旨ではないお手伝い行為やソロランク企画は問題ない」とのことらしい。しかしながら目的が異なるだけで、その内容や過程だけを見ればほとんど差は無いため、何が良くて何が良くないのかという判断を下すのは非常に難しい。話が逸れるのを防ぐためにも、ここではその是非については論じないことにする。)


次に考えられるのは、ランクの難易度が高まる可能性である。

おそらく、すでにバトルパスの購入やその他の課金をしているプレイヤーや、今後ランクが有料化した際に課金をするプレイヤーは、そうでないプレイヤーに比べて実力が高い、あるいはプレイ時間が多い、ゲームに対する熱意・意欲があるなどの傾向にあるのではないかと考えられる。

プレイ時間が多いことやゲームへの熱意・意欲があることは、比較的実力が向上しやすく、結果的に実力が向上するとも言える。

従って、ランクが課金制になることで、ランクをプレイする人の中からライトユーザーは減り、少なくともお金を支払うくらいには真剣にプレイする人の割合が相対的に増えることになるため、どのランク帯においても、これまでより難易度が高まるのではないかと考えられる。


また、開発側の視点で考えると、これまでよりも収入源が安定して確保されることで、APEXのさらなる開発やチート対策などに対して、よりコストを割くことができるようになるという点は、純粋にメリットであると言えるのではないだろうか。


次に、ランクマッチを有料化することで考えられる問題点や弊害、欠陥についても触れようと思う。

まず、ランクマッチが有料になることにより、これまでランクマッチに存在していたチーターがカジュアルに流れてくることで、カジュアルが無法地帯化する恐れがある。

このことは今後のAPEXの存続に関わると言っても過言ではない。

あなたがカジュアルをプレイした時、毎回のようにチーターに出会ってしまい、まともにゲームができなければどうするだろうか?もしあなたがランクのために課金しているのであれば、カジュアルをやらずにランクをプレイすれば済むかもしれない。しかしながら、ランクをやるつもりのないプレイヤーにとっては、もうこのゲームをやめるか、チーターに蹂躙されることを受け入れてカジュアルをプレイし続けるかの2択しかない(実質1択だとも言えるが)。

そして仮に、現在ランクをプレイしている人たちがこのゲームを始めたばかりの段階で既に、ランクをするために課金が必要というシステムが実装されていた場合、初心者のうちから課金しようとする人は果たしてどれくらいいただろうか。

既にある程度の実力があり、このゲームの面白さがわかっている人にとっては、お金を支払う価値も理解できるだろうが、始めたばかりのプレイヤーが無法地帯のカジュアルに放り込まれ、このゲームに面白さを見出せなければ、お金を払う価値があるとは到底思えず、すぐに辞めてしまう。新規プレイヤーの参入が期待できなくなるのだ。

そして、既に長時間プレイしていて、今もなお多くの時間をこのゲームに割いているプレイヤーの中にも、なんらかの理由でこのゲームを辞めざるを得なくなってしまうプレイヤーは少なからずいるはずである。

新規で始める人はいなくなり、辞めていく人はこれまで通り一定数いるとすれば、プレイ人口は次第に少なくなっていき、いずれゲームとして成立しなくなるほど衰退してしまうのも時間の問題である。

このゲームを今後も維持していくために、カジュアルの無法地帯化を防ぐ策は考えられる必要がある。


次に、チーターが課金のシステムを不正によって突破するのではないかという可能性である。

本来、ランクマッチには、レベル10未満のプレイヤーはプレイできないというルールが存在するのだが、レベル10未満であるのにも関わらずランクに潜り込んでくるチーターをたまに見かけることがある。

チーターにとってデータの改竄は可能であることが少なくなく、場合によっては規則やルールは意味をなさないこともある。

同様にして、たとえ課金していなかったとしてもチーターであればランクマッチをプレイできてしまう恐れがあるのではないかと考えられる。

しかしこれに関して少し調べたところ、どうやら技術的に難しいという説もあり、あくまでもそういう可能性もなくはない程度のものとして軽く受け止めてほしい。

最後に、この手法は主にチート対策、そしてついでにスマーフ対策の目的で想定されており、ユーザーのリアクション次第で今後の方針が変わるだろうが、このゲームにはまだまだ様々な改善されるべき問題が多く残されている。

悪質なグリッチやコンバータの使用、代行行為やアカウントの売買といった、規約違反や迷惑行為は後を絶たない。

もちろんこれらを一気に解決するのは難しく、むしろそのうちの一つであったチートへの対策が今進もうとしていることはいい動きだと言える。

しかし、他にも残る諸問題はどれも見過ごすことはできず、一早い解決が求められている。

ただ、一つ考えてみて欲しいのは、大抵の問題はユーザー側に原因があるということだ。

仮に全ユーザーが適切な倫理観を持ち合わせていれば、これらの問題は本来存在しないはずである。

しかし現実はそううまくいくことはなく、自分の利益やエゴのためには手段を選ばないような人はこの世界に一定数いるというのは変え難い事実だ。

では我々にできることはなんだろうか。

私は、これらのような不正行為を決して許さないという固い意志を、より多くのユーザー間で共有しておくことが、不正を働くことに対する抑止になるのではないかと考えている。

たまに、コンバータ問題に関して、「たとえコンバータを使われたとしても、それに撃ち勝てるくらい強くなればそれで良い」みたいな意見を掲示板などで目にすることがある。もちろん、ただ個人的にそのようなスタンスで、コンバータという不正すらも自らの成長の糧にするというだけなら別に問題はない。

危険なのは、このような考え方を他人に強要すること。誰もがそのように気持ちを強く保てるわけではないし、なにも上手くなることだけが全てではない。

だからこそ、個人的に「不正に負けないくらい強くなれれば」と考えるのは勝手だが、その前提には、コンバータは規約違反であり許されざるものだという観念があるべきであることは忘れてはならないだろう。

まあもちろん、コンバータ使用者が諸悪の根源であることは間違いないのだけれども。

たまにコンバータ使用者の言い分として、「負けるのが嫌ならお前もコンバータ使えば良いじゃん」みたいな意見がある。

そう、「お前も鬼にならないか?」的なあれである。

彼らは自分さえ良ければそれでいいと本気で思っている。

コンバータを使うことは規約違反ではあるが、垢バンされたり捕まったりすることはほとんどないからやっても問題ないというのは、公園でサッカーをしている時、ちゃんとした審判はいないから手を使ってもオッケーだよねと言ってるようなものだ。

その上、「負けたくないならお前らもやればいい」というのは、「お前らも手を使えばいいじゃないか」というのと同義で、もはやそれはサッカーではない別のボール遊びと化してしまう。

まあ、ここでどれだけ不正を働く者に対して説教を垂れたところで、おそらく彼らの耳には届くことはない。

だってバカにもわかるように説明したところで、そもそもバカは話を聞いていないのだから。


大分話が逸れてしまったが、

ランクの有料化については今後も議論がされていくだろうし、結果どのような形になるかはまだわからない。

ただ、このようなゲームのあり方が大きく変わろうとしている過渡期において、ユーザー一人一人が今起きている問題について考え、自分なりの意見を持ち、時にはその意見を発信していくことが、今後のゲームのあり方をより良い方向に導いてくれるだろう。

「私1人が意見したところで」とつい思ってしまいがちではあるが、あなたはこの世に1人しかいないし、あなたにしか語れないことだってもしかしたらあるかもしれないのだ。

だからこの記事を読んだあなたには、是非この機会にAPEXについてだったり、その周りで起きている諸問題について考えてみて欲しい。

そして我々もこのゲームに対して影響力を持っていることを理解し、各々が、自分もこのゲームを作る一員なんだという気概で振る舞うことで、

不正行為などがなく、我々が健全にゲームを楽しめるようなコミュニティが形成されるのだと私は信じている。













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