【オンゲキ】1カ月で虹レート(レート15.00)になった音ゲー初心者に練習法を聞いてみた
最近、友人がオンゲキで虹レートになった。こと虹レートにおいては、上位プレイヤーよりも成り立てほやほやのプレイヤーの方が参考になるのではないかと思い、この度お話を聞いてみた。
過去にも同様のインタビューを行ったことがあり、こちらもご覧いただきたい。
1.プロフィール
プレイヤー:りりか
レーティング枠
新曲枠
ベスト枠
-まずは音ゲー歴について、教えてください。
一番最初にやった音ゲーは中学三年生のころにやったSDVX2です。天極くらいまでやったんですけど、伸びが悪くてやめちゃいました。受験もあったし、まだ小さかったのでお金もありませんでした。
それで、高校1年か2年の時にグルコスを始めました。グルコスは全楽曲の総スコアでランキングが決まるので、友達と一緒に地元のゲームセンターのランキングを埋めてました。そうはいってもまだ高校生なので、毎月5000円くらいのお小遣いの中からやりくりして、週に1回くらい、2~3クレして帰っていました。
高校三年生のころからは、スマホ音ゲーにはまって、バンドリを一番やっていました。これも上手くなるというよりかは、イベントを走ったり、そういう楽しみ方をしていました。唯一誇れる成績は、9強と呼ばれる難曲の一つである、Hey-day狂騒曲をAPしたくらいです。
これだけなぜかできましたが、他の曲は全くです。横フリックが追加されたくらいからバンドリと、音ゲーと疎遠になりました。その間はずっと音ゲーアンチやってましたね(笑)。音ゲーマーやってる人全員チーズ牛丼食べてそうと思ってました。
なので、本当に私はエンジョイ勢ですね。
-オンゲキを始めた時期と、虹レートになった時、プレイ頻度を教えてください。
Twitterのフォロワーとゲームセンターに行ったのがきっかけです。たまたま、なぜか空いているオンゲキにフォロワーと座ってみたら、なかなか楽しかったので始めました。この一週間後の5/28日からゲームセンターに通い始めました。虹レートになったのが6/27日なので、ちょうど一ヶ月くらいで虹レートになった計算です。
プレイ頻度は、始めた日から一日を除いて毎日ゲームセンターに通っていました。ゲームセンターにいるときのルーティンがあって、まず360GPを買って、クレジットが無くなったらタバコを吸いに行く。このルーティーンは絶対にやっていました。疲れるまでこれを繰り返してましたね。といっても、平日は大体9クレ、時間があるときは12~15クレくらいです。それくらいやったら疲れちゃいます。
-ほとんど毎日ゲームセンターに行って、練習していたのはすごいですね。そのモチベーションは何に起因するものなのでしょうか。
上達ですね、音ゲーの醍醐味です。叩けなかった譜面が叩けるようになる。上のレベルに通用するようになった時に喜びを感じていました。音ゲーは現実とは異なり、やったらやったぶんだけ成果が出ます。音ゲーの世界は自己肯定感が上がって気持ちが良かったです。
私の周りに同じ実力の人がいなかったので、他人と比べることができませんでした。そうすると、比較対象が過去の自分になるんですけど、過去の自分よりも強くなっていることに楽しさを感じていました。
グレンラガンみたいなもんですね。
-初めから虹レートになることを意識しながら遊んでいましたか。
うーん…とりあえずは銅レートになることが目標でした。確かに虹レートになる目標はゴール地点として考えていました。ただ、これを実現する方法を考えたとき、確実に段階を踏むべきであると考えていました。なので、ゴールとして虹レートは考えていましたが、頭の中にあるのは銅レート、銀レートとか、目の前にあるものでした。
貯金はないですけど、積み立て型なんです。
-これまでの音ゲーの経験は、オンゲキで活きましたか。
うーん…オンゲキに活きたこと、あるかなぁ…。しいて言えば私は目押しをするよりも、リズムに乗ってノーツをたたくタイプなので、音を聞いたらなんとかなるかなみたいなのはありました。リズム感はあったんじゃないかと思います。流れてる音を聞く能力はあると思います。
-オンゲキで難しかったところはありましたか?
色ですね。指の位置と色が合いませんでした。最初はこれで悩みました。今ではホームポジションが頭に入っているので困ることはありませんが、とっても苦戦しました。
-どのようにしてそれを克服しましたか。
慣れ、やってうちに覚えた。
-えぇ…。
まぁ、しいて言うなら、認識難をやることですかね。アリサのテーマとか、これをやってる過程で頭に固定されました。色を覚えたかったら認識難をやって無理やり覚えろってことです。
-他に難しかったところはありますか。
正直、難しいところが多すぎて何とも言えないですね。例えば6鍵とか、単純に親指を動かすのが難しすぎて困りました。
あとは、色の組み換えですね。オンゲキって色々な運指の組み換えがあるじゃないですか。あれ実際にやろうと全然できないんですよね。ある程度プレイに余裕がないと、いざやろうとしても慌てて何もできません。
結局普通に見たまま押したほうが楽に通せました。
-虹レートに向けてベスト枠を作る際、どのようにしてスコアを作っていましたか。
うーん意図的に曲を詰めた経験はあんまりないんですよね。練習の過程で、出来上がったのが今のベスト枠です。
でもツクヨミステップだけは何度もやっていました。自分の実力チェックとして、今やったら叩けるかな~と試して、返り討ちにされてを繰り返していました。
-いわゆる、レート盛り曲などは使っていましたか。
うまぴょい以外はないですね、うまぴょいは盛るためだけにやりました。
-新曲枠とベスト枠のバランスについて、意識していたことを教えてください。
うーん。バランスよく埋めていこうとしか。片方が偏ってたらもう片方を練習したりなどですかね。でも新曲難しいのが多いのでやりたくなさはありました。
2.練習方法
-練習をするに当たって、意識していたことはありましたか。
基礎を固めることを意識していました。このゲームはテクニックよりも基礎が大事だと思っています。
音ゲーの譜面って、パターンがあるじゃないですか。12で出てきたやつをちょっと難しくしたやつを12+でだすとか、やってることは大体おんなじなんですよね。だから、Sとかで満足せず、最低でも995k位を何個か量産してから次のレベルに行くようにしていました。
上のレベルでもまれるのも悪くはないけど、単純にたたけないんですよね。それでやる気が下がる場合もあるので、適正のレベルしか叩かないようにしていました。
やれるなら上をやった方が速いんでしょうけどね。
-適正とはどのような基準なのでしょうか。
これは完全にyoutubeで見た話なんですけど、自分のレートマイナス1.5くらいの定数が適正だと言っていたのを参考にしています。
上は何回たたいてもSとかAAAいっちゃうとか。下は初見でSSS+近くとれちゃうとか、譜面に出てくるフレーズの代替を叩ける、苦労せずにABが取れるとかだと思います。
-動画で言ってた基準は、自身の体感と一致しますか。
めちゃめちゃ一致します。レート-1.5~2.0くらいが自分の適正だとは思っています。
-情報収集はかなりされているんですね。
めっちゃ調べましたよ。人の適正論から、運指も調べたし、仕事の休憩中に曲の情報や譜面の動画をずっと見てました。
-それらは役に立ちましたか。
僕にとっては役に立ちましたね。結論として、こうして結果も残せているし、自分のできる曲をある程度形にしてから上に行った方が良いということもわかりました。
-いわゆる上達論や、適正論に興味がない人もいますが、なぜこういったことを調べたのでしょうか。
そりゃもちろん最短で上達したいからです。先人なんて腐るほどいる業界ですから、参考にしますよ。良くない目標を立てて間違った練習方法をしてもしょうがないです。
楽をしたいんですよ!
-選曲はどのようなことを意識していましたか。
先ほども述べたように、基礎を固めることを意識していました。あと、無理をしないことですね。その難易度で一番定数が低い曲から触って、一歩ずつ進めていました。
-上のレベルの曲をやらないようにしていたというのは、メンタルコントロールとしての意味もあるのでしょうか。
そういう側面はありますね。私からするとSは叩けていないので、13+ぐらいをやっているとSばっかり出してやる意味あるのかと思ってしまいます。そうはいっても、無意識のうちにストレスを避けているとは思います。社会に揉まれました。
-下埋めはしていましたか。
やっていません。今はやるべきではないと思っていたからです。マスター解放するためにエキスパやるのも苦痛なのにだれがやりたいねんあんなん。
-赤ブレイクは意識していましたか。
一応意識していましたね。でも私めっちゃ赤出しちゃうんですよ。減らすための努力はしてますけど、しゃーないかなと思ってる部分はあります。しゃーなかったり、しゃーなくなかったり。
でもHITは絶対に許しません。HITを量産するのは、譜面をちゃんとわかっていないからです。
-癖について、どのような考えをお持ちでしょうか。
私、いけそうと思った曲以外連続でやらないのであんまりわからないんですよね。結局いけそうと思ってる時は譜面がわかってるから、わからないですね。
-曲の練習中に意識していたことはありますか。
うーん…マジで譜面通りに叩くことしか考えていないです。あと、楽できそうなところは楽するとか。
配置的には片手で取らせてくるようなところを、積極的に両手で取って楽にしてましたね。
3.今後について
-現在の課題について教えてください。
課題しかないですね。苦手なことが多すぎます。フリック+壁とか、フリック+鍵盤がいっぱい出てくるのが苦手です。それから、鍵盤も全然だめですね。6鍵とかも無理だし、階段も無理です。
-その課題を克服するために、行っていることはありますか。
こういう譜面から逃げ続けることですかね。
いや、嘘です(笑)。だからといって、特別な練習をしているわけではないし、なんなら譜面確認タイムで苦手な配置がいっぱい出てくると、無意識に避けてますから、結局立ち向かってはいないですね…。
いつかは戦うので、期待してください。
-今後の目標について教えてください。
私の好きなバンキシャの紫を叩けるようになることですかね。それから、レート15.50でしょうか。高難易度を叩けるようになりたいというのが今のモチベーションです。
-おすすめの曲を、一曲だけ教えてください。
Heart Cooking Recipe、Don't Fight The Music、青春サイダーですかね。
Heart Cooking Recipeは単色トリルが出てきます。難易度13で出てくるのが良いところで、ボタンを押している意識が養えます。
Don't Fight The Musicも良い指標になっていますね。スコアは出ないんですけど、ためになります。
青春サイダーは楽しいです。萌え~!
-記憶は残して、実力だけリセットされたとしたらどのような練習をしますか。
できるところから積み上げていく。今と変わりません。
-最後に何か一言ください。
三万使うなら、ソシャゲよりも音ゲーに使ってください。
あと、睡眠とプロテインが大事です。体調管理も大事ですからね。寝たからといって調子が良いと実感することはないですけど、寝ていないことによる不調はバシバシ実感します。
-虹レートを目標に頑張っている人に何か一言、応援の言葉をください。
今できないことがあっても、明日か一週間後の自分が何とかしてくれます。
正しい練習をしていればね。
たとえ今成績が振るわなくても、落ち込まないでください。上手い人は自分よりもたくさん練習しているわけで、気を落とす必要は全くありません。
-ありがとうございました。
4.総評
彼の話を聞き、私の中には驚きしかなかった。
非情に堅実な練習を行って、成果を上げているからである。私の見聞によれば、短期間で成果を上げているプレイヤーは、多くがその実力を大幅に伸ばすために一足飛びで練習をするからである。
これに比べ彼の練習方法は全くその逆である。一歩一歩堅実に練習を積み重ね、スコアを積み重ねている。もっというならば、高難易度曲はやらないとすら明言している。
上記のような堅実な練習をするプレイヤーは、多くが伸び悩むかもしくは膨大な時間をかけて上達するものである。しかし、彼はどうだろう、一ヶ月という短期間で、虹レートという成果を出している。この虹レートの価値が如何であるかという議論に立ち入るつもりはないが、人によっては半年、一年かけて達成するものである。
では、彼と他のプレイヤーとの違いは何だろうか。
停滞するプレイヤーに見られるロジックとして、「高難易度は難しくてつらい、楽しくないからやらない」というものがある。他方、彼は「基礎を固めるために、一歩ずつ確実に」というマインドでこの練習を行っている。つまり、その練習方法を取るにいたる過程が、積極的であるか消極的であるかに違いがある。
上達に対する積極性という意味では、情報収集を絶えず行っていたことにも特徴が表れているだろう。こうしたHow toに全く興味を示さない人もいる一方、積極的に情報を探し、実践と再解釈をする行動は上達への情熱を感じる。
ところで、本インタビューに登場する適正という言葉は、なかなかにあいまいなものである。というのも、これは絶対的な指標ではなく、プレイヤーとの相対的な概念だからである。であるから、適正という言葉は使う人によってその意味も範囲も変わる。言ってしまえば、適正な難易度を練習するというのは、至極当たり前な文言である。どのように上達すれば良いのかと聞かれて、適切な練習をしてくださいと答えるのと同義である。
以前インタビューしたプレイヤーは、これまでの音ゲー経験によって養われたバランス感覚でこの点を攻略していた。今回の彼は、これを他者の助言で解決した。それも、ただ鵜呑みにして思考を止めるのではなく、自身の実感とその助言に基づく指標が一致するというのを確認し、練習を進めている。
上達の可否というのは、様々な要素が絡み合うもので、なにか一つの決定的な要素によって決まっているわけではない。どの曲を練習するかというのも、上達に関わる複数の要素の一つに過ぎないだろう。けれども、たった二名ではあるが、これまでインタビューした彼らの特徴として、選曲の、適正難易度判断のバランス感覚の良さというのは間違いなくあるといえる。
また、特筆しなければならないのは、彼の音ゲー歴のおおよそがカジュアルプレイであることだ。読者諸君であれば、週に一回、1~2クレのグルーブコースターが後に与える影響について、さほどでもないということは容易に理解できるだろう。スマホ音ゲーの成績については、カジュアルとは言い難い部分もあるが、プレイのスタイルそのもので言えばカジュアルではある。
そうした彼だからこそ、自身に基礎がないということを自覚し堅実な練習を選択したのであろう。それが良いのか悪いのかは、結果が指示す通りである。
虹レートを達成した日、彼は謙虚にもこの功績は先人たちの知恵のおかげであると言った。しかし、足繁くゲームセンターに通い、先人たちの理論を自己のものとしたのは、間違いなく彼の努力によるものである。
この努力と結果を、一体他の誰が奪えるというのだろうか!
最後に、彼の虹レート達成を祝い、この記事を締めくくろうと思う。
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