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【介護3.0時代】 介護3.0時代と2021年の介護報酬改定

介護保険外のオーダーメイド介護サービス「イチロウ」を運営している株式会社LINKの水野です。

今日は、介護3.0時代の中で、4月に控える2021年の介護報酬改定について解説と私の意見を書いていきます。

介護3.0時代とは?

介護3.0時代とは、私が考えている言葉で、世の中で一般的に使われている言葉ではないため、少し介護3.0時代について説明してみます。

これまで介護業界には、2000年の介護保険法の施行に伴い、その前後を措置時代と契約時代という2つの時代がありました。

2000年以前の措置時代とは、介護について困った場合には役所へ行き、役所の担当者の指示にしたがって介護サービスを利用する時代です。この時代は、介護サービスの運営主体は社会福祉法人などに限定され、民間企業の参入が許されていない時代でした。

変わって契約時代とは、どんどん増えていく高齢者、要介護者を背景に、2000年の介護保険法が施行され、介護サービスの運営主体が民間企業へ開かれ、利用する本人や家族が自由に介護事業者と契約を結んで利用する時代になりました。

私は、この2つの時代について、下記のように呼んでいます。

・措置時代 → 介護1.0時代
・契約時代 → 介護2.0時代

そして、2021年の現在を介護3.0時代として、新しい時代が来ていると思っています。

これまでの時代と介護3.0時代の何が違うのか?

契約の介護2.0時代が終わり、新しい介護3.0時代がくるとはどうゆうことなのか?これについて考えを書きます。

大きな要素は、社会保障費やその中の介護給付費の増大に伴う抑制、すなわち介護保険制度のルール厳格化です。

日本では介護保険法に基づき、3年に1度の国のルール変更が行われます。2021年4月にも介護報酬改定が行われるところですが、この改定により介護給付費の抑制をかける動きが強くなってきています。
その中で、介護保険制度の設計やルールが顧客ニーズと乖離してしまっていると私は感じています。おそらく、介護業界で働く介護士や事業者の現場単位では、この乖離を強く感じているのだと思います。

日本の介護産業は、措置時代と契約時代を超え、99%が介護保険制度下にある介護事業者が支えてきました。その介護事業者数は38万事業者にのぼります。その事業者が、ルール変更(3年に1度の介護報酬改定)の影響をうけ、様々な経営方針を変更しながら、地域の介護を支えています。
介護保険をもとに運営する介護事業者は、このルール変更に逆らうことはできません。これにより、介護士の低賃金による介護士不足や介護離職など、様々な課題が解決できないままになっています。

こんな2021年に私は、要介護者や家族のニーズに立ち帰り、サービスを見直すタイミングではないかと感じています。そして、顧客ニーズを起点に、現在の技術、テクノロジーを活用したサービスを生み出すタイミングだと思っています。

それが、介護3.0時代の「ニーズ時代」だと思っています。
かっこよくいうと、サードウェーブ・ケアです。

介護1.0:国や役所の指示にしたがってサービスを受ける措置時代
介護2.0:国の作ったスキーム上で、介護サービスを選択する契約時代
介護3.0:様々な社会資源の中から、必要なサービスを選択するニーズ時代

そのためには、介護保険法律に縛られない顧客ニーズを元に作られるサービスがたくさん生まれ、それをきちんと選択し利用できるプラットフォームが必要です。

最近、現在のモダンな技術を活用した顧客ニーズに基づく、介護保険外サービスが生まれ始めています。

・介護ワーキングシェアサービス「カイスケ」
・介護施設の助っ人依頼サービス「Sketter」
・自費訪問介護ヘルパー「クラウドケア」

まだまだ認知度も規模も小さいですが、このようなサービスがたくさん生まれてくる必要があると思っています。弊社が運営する「イチロウ」のその中の一部です。もっともっと介護3.0時代を支える多種多様な介護保険外サービスが生まれ、大きなサービスへ発展させていく必要があります。

そして、そんなサービスを選択し利用するために、ケアマネジャーの情報収集能力や最適な選択をするための判断能力の向上が必要不可欠です。ケアマネジャーの研修強化はもちろんのことながら、情報技術を活用したプラットフォームが生まれ、ケアマネジャーをエンパワメントすべきです。

・地域情報見える化サイト「Milmo」
・ケアプラン作成人口知能エンジン「MilmoPlane」
・ケアデザイン人工知能「SOIN」

このようなケアマネジャーをエンパワメントするサービスや技術も生まれてきています。どこのサービスも、国のルールに乗るのではなく、顧客ニーズを起点に、技術を活用したアプローチでサービスを生み出し発展させようとしているはずです。

ここまでにあげたサービスが、これからの介護3.0時代を支えていくのだと感じています。過去のnoteにあげましたが、新しい技術やビジネスモデルを持った企業が、既存のサービスや商習慣を壊すのではなく、既存の38万事業所を支えたり、その事業所がカバーできないサービスを展開することで、結果的に要介護者やその家族を支える、より強固な介護業界になっていきます。そして、介護をネガティブなものに捉えることがない社会が実現できていくのではないかと思っています。

弊社の運営するイチロウが既存介護産業を壊してしまうのではないかという懸念についての記事はこちらです。→スタートアップの破壊と再生

世界に目を向けると、たくさんの企業やサービスが、新しいアプローチの仕方で介護の課題を解決しようとするチャレンジャーがいます。
*CoralCapilの吉澤さんが書いた記事が非常に参考になります!

介護3.0時代を支える人たち

2021年の介護報酬改定について書くつもりでしたが、介護3.0時代の考え方の説明で長くなってしまったので、また改めて介護報酬改定についてはまとめたいと思います。

最後に、どんな人たちが介護3.0時代を支えていくのかについて考えを書きたいと思います。前にあげた企業やサービスがありますが、これらの企業は2000年の介護保険法施行時に、成長したいく企業の中で介護士として働いてきた世代ではないかと思っています。裏を返せば、2000年の介護業界の成長の波に乗って大きくなった企業ではないということです。その中で働き、介護保険制度や介護保険制度を元に運営する企業に疑問を感じてきた世代ではないかと私は思います。

どんどん顧客ニーズと乖離していくサービスを現場で回し、本当に必要なサービスは何かを考えている人たちが、当たり前になりつつあるインターネットやIoTなどの技術で新しいアプローチをしていくのが自然だと思っています。

それを実践しているのが、まさに先程あげた企業群のはずです。
これらの企業が、お客様のニーズにドンピシャのサービスを持って介護業界を席巻し成長してく。こんなことが、これから起こるし、お客様に選ばれていくと思います。

弊社が運営するイチロウも、まさにここを狙っていく企業です。
要介護者うやその家族のニーズに基づき、愚直にサービスを成長させていきます。その中で、既存の産業とバランスをとりながら、日本の介護産業を支えていける存在になっていきたいと思います。

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