見出し画像

【起業編】スタートアップの破壊と再生

介護保険外の在宅介護サービス「プライベートヘルパーイチロウ(PHイチロウ)」を運営している株式会社LINKの水野です。

今日は昨日あった出来事から、志と視座の話です。
具体的には、イチロウは破壊的サービスなのかという問いから、答えを出すまでの過程で、志と視座の高さを持つことの重要性について書いてみたいと思います。

イチロウが生み出す業界のハレーション

先日、出資元の三井住友海上キャピタル様のご紹介で、シルバーサービス振興会の方とイチロウについてお話をする機会がございました。

イチロウの考え方やビジネスモデルについてお話をした後、振興会の方から、「ハレーション(業界への悪影響)を起こす可能性があるため、振興会の会員である業界団体へイチロウを紹介することが難しい」と言われてしまいました。

イチロウは、努力する介護士が報われるように、業界の平均時給の1.7倍にあたる2,000円〜2,200円をお支払いしています。このイチロウの強みである高時給が、既存の業界構造を破壊してしまうリスクがあるということでした。

振興会の方との話から、イチロウで働く介護士だけが幸せになるのではなく、介護に関わる全ての人や機関、企業が幸せになるモデルを考えるべきであると教えていただきました。

私が考える、介護に携わる機関や人々の幸せをまとめました。

国・都道府県・市町村:介護給付費が適正に使われている / 社会資源が要介護や家族へ行き届く
介護事業者:利益が確保できるビジネスとなっている
介護士:収入が安定し働きやすい環境で仕事をすることができる
介護依頼者(家族):介護と、仕事やプライベートが両立でき、両親に幸せな生活を送ってもらう
要介護者:必要な介護サービスが行き届き、幸せな生活を送ることができる

イチロウを運営してくる中で、他の介護事業者国家の利益まで考えが及んでいませんでした。イチロウで培ったノウハウやシステムを他の事業者へ使用できるようにしていく構想は持っていました。しかし、これはイチロウを運営する弊社の利益を元にした考えです。本当の意味で、介護事業者や国家の利益までを考えた発想ではありませんでした。
*下記はイチロウのノウハウをサービス化する構想(利益のための)

会社紹介資料 2.2(開発)

志と覚悟

介護業界を本気で変革させる覚悟をもつのであれば、自分たちだけが利益を独占するのではなく、介護業界全体が潤う仕組みを考えなければいけないのだと、国家が行うような大きな仕組みは難しくても、全体の利益を考える思想を持つことの重要性を実感しました。そして、自分自身の視座の低さを痛感しました。
特に介護は、2000年の介護保険施行後、税金を利用する事業であるが故、全体の利益をきちんと考えることが重要なのだと解釈もしました。

破壊と再生

とはいえ、私はイチロウが作っている「要介護者が品質の高いサービスを受け、努力している介護士が報われるビジネスモデル」を信じています。ハレーションを起こす、破壊的なものだとしても、これまでの低品質な介護サービス、介護士のやりがい搾取の構造を変革するためには必要な手段だと思っています。だから、イチロウは続けていくし、これまで以上にスピード感を持って成長させていきます。

その中でも、

「破壊の後の再生を、ビジネスモデルや戦略に盛り込むこと」

このことを意識し大切にしていきたいと思います。
社会にイチロウが浸透した後、その他の介護事業者や国家が利益を教授できる「再生」までをプランに入れて事業を進めていくこと。
現時点では、明確なものがあるわけではないですが、日々の意思決定や大きな絵を描く際に、「再生」を意識していきたいと思います。

今だから心に響いた内容

実は、これまでもハレーションについては度々言われてきました。

2年前に参加したアクセラのOpenNetworkLabのデモデイ後に言われたことをよく覚えています。

「有限である介護士を取り合っているだけではないか?」
「イチロウの介護士独占になってしまうのではないか?」

画像2

こんな言葉を何度か言われてきました。
その度に私は、「今はそんなフェーズではないし、イチロウにはミッションがあり、それを完遂するのみ」だと思い、貴重な意見も心に響くことはありませんでした。

おそらく今回の言葉が響いたのは、私自身のなかでイチロウの成長だけでなく、介護業界全体のことまで考える余裕が生まれたのだと思います。
イチロウをスタートしたばかりの頃は、チームメンバーもおらず1人でした。介護保険外がどんなサービスなのかも理解できておらず、介護業界全体のことを考える余裕などなかったのだと思います。

今回の内容が心に響いたことを客観的に捉えると、
また一つ、イチロウというサービスが階段を一段上がることができ、イチロウを運営する代表としても、小さな階段を上がったのかもしれないと思いました。

まとめ

イチロウが成長を止めることはありません。今まで以上に加速させていきます。いち早く、介護を受ける方々へ高品質な介護サービスを提供し、たくさんの介護士の努力が報われる環境を作りたいと思っています。その中に、成長後の「再生」と介護業界全体の発展を想いながら進めていきたいと思います。

こんなに大切なことを考える機会をくださった、三井住友海上キャピタルや三井住友海上、シルバーサービス振興会の皆様へ感謝致します。

「ありがとうございます。」

以上

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?