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161. 話を聞くだけでは、上手くなれない

今日は、僕が特にアイスホッケー初心者の方や上手くなることを目指している方々から聞かれることが多くなった、ホッケーの上達方法に関して、自分自身の考えをお話したいと思います。

上手くなるために何をするか、は日々自分自身も向き合っている課題ですが、このタイトルにもある通り、僕がまず伝えたいことは「話を聞くだけじゃ上手くなれない」ということです。

アイスホッケーは自分の体を動かして行うスポーツである以上、例えばいくら僕がアドバイスをしても、他の人の動画を見ても、自分で本を読んで調べても、結局それは「知識が身に付いた、そういったやり方があることを知った」という状態で止まってしまいます。

何より大切なことは、実際に自分がそれらの方法にトライし、その過程で起こるエラーから学び、改善点を見つけ、また練習を積む、というサイクルです。個人差はあるかと思いますが、これを繰り返さない限り、人の話を聞いただけではやっぱり上手くはなれないと思います。

もう少し細かいところで言うと、人それぞれのスタイルというものがあります。例えばの話ですが、僕の滑り方、シュートの打ち方等が、他の方に絶対に当てはまるというわけでもありません。

一人一人個性や強みがあると思うので、アドバイスに関して言えば、僕が伝えられることは、あくまで一例として「こういったやり方があるよ、僕はここを意識しているよ」という点だけだと思っています。

僕自身は、上手くなりたいと思う方々にとって、少しでも力になりたいと心から思っていますし、できる限りのアドバイスをしていきたいと思っています。

ただ、今僕が例えば「こうした方がいいんじゃない」とか「こうやればこの技はやりやすいですよ」とか「こういった動きができるといいと思いますよ」と言ったとしても、それを聞いただけで自分の実力が上がるわけではありません。大事なのは、実際にどれだけ自分が氷上でパフォームできるかどうかです。

これは僕自身にも言えることです。僕はコーチから、たくさんのアドバイスを受けます。やはり北米プロのレベルとなると、その助言は非常に的を射るものであり、自分にとってかなり有益な内容です。

でもそれを聞いた時「なるほどこうすれば上手くいくのか」と納得するだけではいけません。その方法を自分の技術に落とし込むために、反復練習を積み重ねる必要があります。

シュートの打ち方でもなんでも、まずは言われたことを意識して繰り返しやってみることがとても大切だと思います。

練習になると、「質と量」の議論がされることが多いですよね。僕は「質は大事、でも質を上げるためにはまずは量をこなさなければ始まらない」という考えです。

もちろん正しい方法で努力をしないと結果や成果が出ないことは実際にあると思います。

でも、常に客観的に細かいところまでフィードバックをくれる指導者が周りにいてくれる環境は極めて稀です。そうなると、自分で質の高い練習を見つけていかないといけないわけです。

そして、その質を高める方法として、まずはさまざまなアプローチでとにかく量をこなしていくことが大切だと思っています。

特にアイスホッケーに関して言えば、初心者の方々は、とにかく氷に乗る回数やパックに触れる回数を増やすことがとても大切だと思います。

アイスホッケーはさまざまな要素が入り交じったスポーツなので、「最初からこれだけやればビュンビュン滑れて点も取れるようになる」という練習はありません。

だからこそ、まずはスケートを履いて氷の上にいる自分や、ステイックでパックに触れている自分が「違和感のない状態」になるまで、できる限り練習回数を増やすことがとても大切だと思います。

よく「周りに差をつけたいのですが、何か練習すべきことはありますか」と聞かれることがありますが、この質問に対して言えることは「まずは周りより圧倒的に多く練習をしましょう」ということです。

これは僕自身にも言えることです。周りに自分よりも上手い選手がたくさんいる中では、質の高い練習だけをやろうと足りないと思います。僕のような平凡な選手は、何度も何度も繰り返し練習することでしか、そのような選手たちには追いつけないと思います。

始めたてのタイミングだったり、伸び悩みを感じる時期は誰もが経験することだと思います。でも、何か難しいことにぶち当たったときこそ、僕は一番成長できる時間だと信じています。だからこそ、自分が苦しいからといってそこで引っ込むのではなく、真摯にその問題に自分自身が向き合って、自分なりの答えを出し、実際にアクションを起こしてみることがとても大事です。

アクションをした結果、うまくいったらそれを続けていけばいいし、それがうまくいかなかったら、それを失敗と捉えるのではなく「この方法だとうまくいかない」ということが理解できた貴重な例の一つになると思います。

新しいことをやり始めた時や、物事の上達を目指す過程においては、失敗は存在しないと思っています。一番の失敗は、変化を恐れたり、トライを諦めることです。

「話を聞くだけでは上手くなれない」ということは、自分自身にも常に言い聞かせていきたいと思います。

今回も最後まで読んでいただきありがとうございました。

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