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はじめての繭期2021鑑賞ゆるレポ 第二夜【ネタバレあり】

Attention(定期)

 これはTRUMPシリーズ初見の民がその都度叫び散らかすだけの記事です。絶対に未履修の公演のネタバレ踏みたくないので、記事の内容以外の公演のネタバレをコメントに書くという行為は絶対におやめください。守れる方だけ先へどうぞ。

感想──

 まず一言。グッピーは死ななかったけれど俺の心は死にました。前作と違ってギャグパートなしのどシリアス。所々前作とリンクするパートがあり、TRUMPが誰かわかってるからこそのしんどさも感じられる。何故永遠の命を持たざるものはこんなにも愚かしく歪な愛を紡がざるを得んのか。まぁ昨日よりは多少冷静なのでかるーく考察もどきの感想も綴っていくとしよう。

 「お前のためだ」「この村のためだ」「秘密を守らなければ」「我は、守護者なり」「永遠の命を与え給え」

 前作にも聞かれたセリフがキーワードとして耳に残った。誰かを思うあまりの純情が徒となる。何かに固執するあまり他のものを壊す。世知辛いな。

 ノームだった少年がガ・バンリに、クラウスが拾った子猫がやがておじいちゃん猫のアレンになった転換点が今回のSPECTERだと思うんだけど、え、時間軸的にはアレンの死亡後でソフィがすべてを知る十数年前ってことだよな。ソフィの名前の由来そういうことだったのか。あのノウムが将来ああなるのかマジかよ。というかドジっ子クラウス先生ってわりと構築されるの最近だったのか? TRUMPとして扱われてるせいが結構冷たい印象が残るね。学校ではあんな感じなのに。

 で、だよ。バルトロメが「繭期ってのは自分じゃどうにもならない」的なこと言って死んでいったのがぐさりと刺さった。何も言わなければただのトチ狂った犯人グループだったのにさ──なんなの。どうにもならないものをどうにかしようとして、結果ああなっちゃうのが繭期なのか。じゃあ繭期ってほんとに何なんだよ。なんでヴァンプをそういうふうになってんのよ。本当に悪いのは、誰なんだ。もっかい最初から観て考察してぇー!!

 あとは演出に関して。殺陣見やすいですわね。複数立ち回るときに一回片方が退場して視線を一点に集める。刀ステの時もやってらしたけどあれほんとに上手いやり方だと思う。あと綺麗な中に狂気をはらんだ感じの殺陣がすごく良い。特に滅多刺しのシーン。カルロまで混ざってんの切ねえなと思いつつドキッとしたね。それから、ローザが生きることを捨てた時の感じっていわばアレンを失ったクラウスよな。もし彼が死ねたら全ヴァンプがああして襲いかかってたのかと思いながら見てた。というか最後の一人になってから一番近くにいたシャドを操るのやばいですわね。なんだかんだ言いつつローザもシャド愛してたのかな。

 あとカテコでお面つけてくるの心臓に悪いのでやめてほしい。切実に。OPで持ってるお面何かと思ってたらそういう意味かよ。死者の暗示だったのかよ。なんとなくさーこいつ生き残るんかな思ってたら本当にそうだし。

総括

 歪な愛は悲劇の招く。でもそれをやめられないのも知的生命体の性。そういう物語なのかなぁと感じた第二夜だった。末満さんの脚本に口出ししたいわけでは決してないが、個人的にはTRUMPに関する書物全部燃やすべきだと思うんだけど。情報管理ガバガバか? 皆惑わされて悲劇が起こるんだよ。そしてTRUMPの心が乱れる=ヴァンプ界の平穏が無くなる。まぁでも人の口に戸は建てられないからね。誰かの記憶にTRUMPが居続ける限りこの悲劇は終わらないんだろうな。

 それから、ソフィは父の思いを知らずして永遠の命を手に入れてしまうってのがまた良き。クラウスーー!! あんたの興味を持った永遠の花見に来なさいよーー!! 永遠の命を与えたあなたを恨みながら生き続けてたかどうかその目で確かめてみな。あんたの求める答えはそこにあるよ。

 徒然なるままに綴ってたら夜も更けて心も落ち着いてきたので、今回はそろそろお開きにする。彼らのハッピーエンドがあるのかどうか。悲劇の繰り返しはいつまで続くのか。美しくも愚かしい歪な彼らにせめてもの祈りを捧げて。

〈了〉

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