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映画『わたしの幸せな結婚』を語ろうではないか【ネタバレあり】

はーーーーーー圧倒的純愛最高すぎる。もう1回観たい10回でも観たいあの夫婦のまわりの空気になりたい。というわけで今回の記事は、原作未履修かつコミカライズの1巻だけ読んだ人間による映画「わたしの幸せな結婚」鑑賞レポートです!!

忙しい人のために1つだけ先に書いておく。絶対に(クソデカ文字)エンドロール終わるまで帰るんじゃねぇぞ。後悔するから。

本編

まず開幕から世界観をナレーションで説明してくれるシステムで、初見にも優しい。そして映像の重厚感。宣伝からビジュアル結構いいなーと期待していたが、それを裏切らない完成度。(予算いくらかかったんや……?? しかもセットじゃなくてロケだよね……とんでもねぇ)衣装も上手く三次元に落とし込んでる感じ。カメラワークにコミカライズのコマの構図みを感じました。制作陣のこだわりが垣間見えてテンション上がりますね。タップダンス楽しい。

しかし、しかしだな、あの最初のいじめのシーンしんどいよつらいよ。ねぇ!! 久堂様はよきて!! と何度脳内で叫んだことか。倍速視聴とか絶対しないけどもここだけは飛ばしたくなる。

さてさて、初対面絶対零度の態度で美世に当たっていた久堂様が美世の料理を食べるシーンでございますが、わたくしうるっときました。え、その、久堂様の表情が良すぎて人目が無かったらスタンディングオベーションしているところだった。視線の動かし方とかちょっとした口角の動き、それから絶妙に変わる声音。春の雪解けがくるような感じがしましたね……。演技上手すぎか???

そして鶴木(最初劔かと思った)さん初登場。The 胡散臭い。こいつ絶対黒幕か途中で裏切るタイプだし、薄刄のこと知ってる時点で絶対一般人じゃないだろ、とかいうのがそのときに考えていたこと。

進みまして2人の初お出かけ。美世様超ッッッッッッかわいい。久堂様のわかりにくい優しさともどかしさに、呉服屋の女将さんと一緒に背中を押したくなった。うわーーー純情だわーーー砂糖よりも甘いわーーーと脳内で叫びつつ見守っていました。そして胡散臭さを増していく鶴木さん。あやしいことこの上ない。

久堂様の斎森訪問は1つの起点ですわね。謝罪を要求するあたりもう完全に惚れとるやろ。それから妹よ、すれ違いざまの久堂様の髪のひらみの完璧さにより演出される美しさに惚れるのはわかるが、あまりにも美世様から奪いすぎじゃねえか? 今の婚約者だってそうなのに、良さげなのみっけた、
だから乗り換えよーじゃねえよ悪女として完成しすぎている。

いい感じに2人の仲が進展したところで継母&妹による誘拐事件。久堂様が異能で門を燃やすときのCGと髪のひらみがたまらない。「美世ッ!!」ってがなり声で叫んで手加減なしで異能を使う余裕のなさがいい。しかもその後美世を見つけた瞬間に声が優しくなるのが……。あの入り込む余地のなさそうな2人に割り込もうとする妹のガッツのみは称賛したい。

さてどんどんブラックリストの上位に食い込む鶴木さんがついに! 行動を起こしました! 悪夢を止めたければうちに連れてこい、って誘拐その2のパターンかと思えばまさかの薄刄。久堂様の決断が切ない。
「死ねと言われれば死ね。出て行けと言ったら出て行け」
がここで効いてくるとは。愛が故だな。美世様の憔悴っぷりが痛々しい。

それから鶴木さんの求婚。黒幕ではなく三角関係で絶対に選ばれない方のやつ───と思い推しになりそうになった。(筆者は「君が幸せならそれでいい」的な感じで最終的に身を引く方も好きになってしまう病を患っています)

「旦那様のお役に立てるなら喜んで死にます」
と言ったときの美世様のかっこよさは尋常じゃない。守られるだけのヒロインではなく、たとえ戦場だろうが隣で支えるタイプとは好みすぎるだろう。

個人的にビジュアルが好みだった望月とか、幸せなそうな岡部とか、意外と強かな五道とかに対する久堂様の葛藤まじでしんどいッ……と胸を抑えずにはいられない。それから鶴木さんの、
「君は本当にバカだ」
みたいなセリフを言いつつ、異能で美世様を守ってあげるあたりに溢れ出す感情をマスクの下に押し込めながら、クライマックスは観てました。軍刀捨てて駆け寄る久堂様が、非常に健康に良い。

最後のプロポーズシーンは終始「はぁーーーーーー↑↑そんなッそんな笑い方と優しい声で言うの!!!! ありがとう!!! この世の全てにありがとう!!!」と叫び散らかしたくなりながら、にやにやしていた。魔物が全て浄化されますね。

エンドロールの「タペストリー」は良い曲だった。もう、感極まってあの世界観に浸ってたもの。エンドロール眺めながらぼーと座ってるあの時間は宝物みたいなものだと自分は思う。途中で帰る人は本当に勿体ないねぇ。Cパートあるのに。

まとめ

役者もスタッフも文句のつけようがないぐらい素晴らしい作品でした。ただ脚本が映画として綺麗な展開にするためだとしても、原作のエピソード入れ替えとか展開が駆け足になるの絶対に無理! 受け入れられない! という原作ファンの方には受け入れられないかもしれない。原作知らなかったり、まぁとりあえず頭からっぽにして楽しむぜ! という原作ファンの方には自信をもってオススメできる。

少なくとも自分は公開日に劇場で観た価値はあったと思える作品だった。本当に観てよかった。2作目やるぞ! という制作陣の気合が聞こえた気がするので、楽しみに待ってようかと考えている。とりあえず本屋行って原作を買い揃えてきます!

〈了〉

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