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端正な文章、執権泰時消息文

「御成敗式目(貞永じょうえい式目)」を制定した、鎌倉幕府第三代執権泰時が、六波羅探題北方の弟・重時に宛てた一二三二年九月十一日付の消息文(書状)。原文はほとんどお手上げだったため、いくつかの現代語訳を参照しながら交互に繰り返し何度も目を通した。

式目を制定した目的と意図、そしてこの書状を送った理由が、簡潔で具体的に述べられている。文飾がなくきわめて実務的、無駄がなく明確だ。何度も読むうちに、あるいはこの消息文はとても美しいと感じた。ともすれば、美しい文章とはこうした端正な散文もそのひとつではなかろうか。政治史に全く素人な自分は、その文体のほうにとても興味を抱いた。

文武に長じた英傑で知られた泰時、一方では美文家の泰時に習いたくさん練習して、わたしもいつかこうした鮮やかな美文を親友や大切な人に書いてみたい。

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