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納得感を持って全体を進める方法

物事を決める時、どうすれば皆納得して進んでくれるのか?
組織運営、プロジェクト運営、日々の打ち合わせの場おいてこの問いは誰しもが考えるテーマ。例外なく僕も直面している問題です。
日々意識していることの整理ということでアウトプットしていきます。

とても乱暴な言い方をすると、基本的に物事は
要素抽出→抽象化→選定→構造化→結論
という順番で決定していく、と思っています。
人によって、環境によって、時期によって要素や選定の基準が変わり、複雑性が増すので整理が難しく、「なんだかフワッとした感じで決まったな」と終えてしまうのです。
逆に言えばこれをうまく整理しながら進められれば大抵の決定はスムーズに進むのかなと思います。

わかりやすくするために、関係者は6名で、打ち合わせにてAという指針を定めるべきかどうか?というケースにて整理をしていきます。

個人から要素を抽出する

まずは個人=要素の抽出からです。
Aという指針に対した、どんなことを考えているのか?を抽出します。
質問としては出来る限りざっくり聞きます。
クローズドクエスチョンではなく、オープンクエスチョンのイメージ。

「どう思います?」
※アイスブレイクできていない状態だとこの聞き方は文字通り場が凍りつきますので、関係性ができている状態が必要ですね。

「○○だと思います」

「なるほど。でもなんで○○だと思うんですか?」

「△△だからです。□□がもっと良くなれば良いんですよね。」

「□□って具体的にはどのくらいなのですか?」

いわゆる5W1Hを使ってAの方針に関連する要素を抽出します。
これを6人分抽出すると、まぁ膨大な情報になったりします。
どのくらいの時間で結論を決めるかによりますが、1人5分弱もあればまずは良いかと思います。
他の人の意見と共鳴して新しい要素が出てくることもあるので、出しすぎない程度に抽出します。

抽象化で要素をまとめる

要素を抽出する時に、
それは●●ということですね
これとこれは■■という点で似てますね
としながら要素の抽象度を一段上げておくとこの後の議論がスムーズに進みます。

抽出⇄抽象化をしながら情報を束ねながら議論を進めましょう。
これやってるのにうまくいかないな、納得されないんだよな、という場合は抽象化の仕方に課題があるケースが多いです。
この類が苦手な人が結構多く、この時点で躓いている印象があります。

個人的に感動した本は細谷さんが書いている本です。
これで勉強してアウトプットをしていれば自然と出来るように…なるはず。

メタ思考トレーニング 発想力が飛躍的にアップする34問 PHPビジネス新書 

「具体⇔抽象」トレーニング 思考力が飛躍的にアップする29問 (PHPビジネス新書) 

全体の方向性を明確にする

集団決定においてはプロセスが強固な納得感を作るのではないか、と思っています。

個人の要素が抽出した後、
要素の選定→構造化→結論と進んでいく中で、「結局出来レースな結論じゃん」「自分の方向とは違うな」という感覚を抱かれぬように、後半は合意形成をしながら進めることが非常に大切です。

全員の意見を集約するためにはまずは軸の明確化、つまり全体の目的を明確にしていきます。
僕は一番星はどこなのか?というイメージでいつも議論を進めたりします笑
議論の一番星は、あらかじめ設定されていることもありますが大抵は抽象的なものだったりします。

今回であれば、Aという方針の是非を決めたいので、そもそものAの方針の目的を考えます。
上位概念としての目的が明確になれば、皆方向はある程度揃います。

要素を選定すること

このプロセスを踏んだ状態で、要素の選定をしていきましょう。

●●という目的であれば、
①これは的確だね
②これは違うね
③この場合は的確だけど、この場合は違うね
抽象化した要素が分かれます。
①は採用
②は違う理由を明確にしてから却下
③は場合を明確にして、要素を分割してから①②の判断

という感じで選定します。
②の却下において、却下の理由とその妥当性、あくまでも今回の方向においたときには違う、という部分を明確にしながら進めます。
ネガティブな部分には議論というコストを払い、しっかり納得度を担保します。

構造化で繋がりを作る

構造化において重要なのは、
全てが繋がっている、またその強さ弱さが明確である、という状態を作ることです。

ここはファシリテーターの力量が試される部分ではありますが、
端的にいうと、線形的に要素をつなげられることが大切です。

y=ax+bz+c

のように、変数を明確にすること、変数ごとに強さがどの程度なのかを全体の納得感を保ちながら整理していく感じです。

構造化をするときにファシリテーターの恣意的な判断が入りがちなのですが、あくまで納得感を担保しながらというプロセスが大切です。
Aという方針に全員が納得をして推進していくことが上位の目的なのですから。

但し、議論する人たちが一定のスキルセット以上で既に方針の浸透が終わり、客観的に物事を整理できる場合についてはこの限りではなく、スピードを持って整理していく、という形もありです。この方が本来は望ましい。
実際はそれぞれの感情が入りやすい(特にジュニア層との議論においては)ので全体でのプロセスを踏んだ方が無難。一方で全体の納得をしていてスピードが遅く不満が溜まってしまう人がいる場合、議論から切り離してあとで共有、のほうが全体の納得感が上がる印象です。

そんなこんなで、最終的に、
Aという方針に対しては、合意である、
なぜなら●●について○○、▲▲について△△、■■について□□なので、
⭐︎⭐︎という目的においては、Aは必要である。

と落ち着くのです。

関係性とファシリテーター

基本的な流れはこんな感じなのですが、議論がうまくいかない要因は、
関係性の欠如
ファシリテーターの力量不足
だったりするケースが多い気がします。
(結局そこかい、という感じですが)

関係性がないが故に、
「なんかこの人の言うことは信用ならない」
とか
「合意はするけどまぁ優先度は低いな」
なんて思われたりするわけなので日々の関わり方は大切だな、と実感します。
特に無関心の状態は1番厄介で、何をしても反応が返ってこないのでまずは自分自身に関心を向けてもらうコミュニケーションが大切です。

もう一つ、皆やる気はあるがファシリテーターの力量が不足してることでまとまらないケース。
これはもうファシリテーターできるようになりましょう、という話なので、アウトプットの場には積極的に顔を出すということに尽きるのかなと思います。
抽象化のトレーニングもかなり有効ではあるものの、現場での体験→内省というサイクルが結局成長の速度は早いのが事実です。
百聞は一見にしかず、百見は一行にしかず
ということです。

その他様々なパターンがあって、全部明確にしたいところですが、今回は基本的な部分をまとめてみました

情報が溢れて、答えが溢れかえり、だから自己実現性や個別性が大切と言われる時代、合意形成のやり方も徐々に変わってくるのかもしれません。

おわり

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