スポーツ①

私は、大学生のころ、國學院大學の駅伝部に所属していて、箱根駅伝を目指していました。(出走できるレベルには到底及びませんでした…)

選手のときからずっと気になっていたのが、SNS等で選手の写真が自由に使われすぎてないか?箱根駅伝の利益はどこへいっているんだ?というものでした。(私の写真は使用されたことはもちろんありませんが…)

大学院在学中には、陸上関連の友人等から「SNSなどで自分の競技中の写真が無断で販売されたりしている」という相談をよく受けたものです。

ずっと、これら問題についてもやもやしていたところ、先日、メディアにおいて、青山学院大学の駅伝部監督である原晋さんが、箱根駅伝について、「優勝しても最下位でも金額は変わりません。一応強化費として1大学一律50万円。あるとき200万円になって、今年度は300万円頂いている」という発言をして、少し話題となりました。

私は、気になって、関係者にこの話を確認しましたが、今となっては300万円程度のお金が動くようになってはいますが、昔はこのような強化費等の支援はなかったとのことです。
ある選手はSNSで「箱根で優勝しても選手には一切リターンがなかった」とも発言しています。

あれだけ利益をあげているはずの箱根駅伝ですら、大学、選手へのリターンはほとんどないのです。

各チーム、60人前後の学生が所属しています。
箱根駅伝を走るために親元を離れ、寮に入ったりして、日々練習をこなしていくためには金銭的な負担がとてもかかります。

覚えている限りですが、選手時代に私が負担していた費用を参考に記載します。

・寮食費(平日朝夜) 2万円
・食費(寮食以外) 2.5万円
・部費 3000円
・治療費 2万円
・シューズ代(1か月あたり換算) 5000円
・プロテイン代 5000円

こんなものでしょうか。(あまり正確に覚えていません…)
私は一般入試組で、寮外に下宿していたので、あとここに家賃5万円+光熱費1万円が加算されていました。
あと、ここに大学生として必要な教科書代や定期代などもかかっていました。

こうしてみると、家賃等を除いても約8万円かかっていたのです。
特に、治療費に関しては1週間に1回は確実に通い、1回5000円前後かかっていたので、私の財布への負担は相当なものでした。(陸上選手には治療は必須です。)

もちろん、チームや選手の力量によって負担度合いにはばらつきがあると思いますが、選手によっては、奨学金を借りるなど、金銭的にも制限がある中、箱根駅伝という大きな目標に近づくため、日々努力をしているのです。
間違っても、メディアなどの第三者に利益を与えるために練習しているわけではありません。

弁護士になって、落ち着いて考えてみてもこの問題は未だ解決されていないと感じました。
選手が持つ権利は正当に行使されたうえで、選手に利益等を帰属させ、競技に集中できる環境を作っていくべきなのではないでしょうか。

今後のnoteでは、これらの問題を含め、アスリートの権利やスポーツと法律のかかわりを書いていけたらと思います。

ちなみに、ここだけははっきりお伝えしたいのですが、メディア等が陸上界含めたスポーツの活性化に必要なことは間違いがなく、頭ごなしに批判等をするつもりもありません。

うまく言葉をまとめるのって難しい…

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