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同じ釜の飯を喰らうということーなぜ今、シェアキッチンなのか

この春、石川県小松市にEATLAB(イートラボ)という大きなキッチンを備えたレンタルスペースとコワーキングスペースをオープンしました。

自分でいうのもなんなのですが、わたしが仕事で手がけるEATLAB然り、今、シェアキッチンが熱いのです。

たしかに、あちこちでシェアキッチンの話しを聞くし、食の大切さみたいなものがなんとなく見直されてきている(ような気がする?)昨今、あらためてなんで今、シェアキッチンなんだろうとわたしなりに考えてみました。


どんどんできる食のオープンスペース

わたしたちのEATLABもそうですが、最近できているシェアキッチン。シェアキッチンを含むスペースはそれぞれの目的や用途も少しずつ異なり、様々です。そこでここでは、ざっくり、「食のオープンスペース」と呼んでみることにします。

レンタルスペースとして一般に貸し出しているもの、テストキッチンやポップアップレストランなどとしても使えるプロ向けのものなどその形態は様々ですが、今年に入ってわたしたち以外に具体的に聞いたものだけでもいくつか。

1の1 NONOICHI

EATLABとほぼほぼ同時期にオープンした、1の1。飲食店営業免許や菓子製造業免許がついている本格的なキッチンをワンブース借りることで初期投資を極力抑えてお店を始められるプロ仕様のシェアキッチン。

JR東日本による食の交流拠点

名前はまだありませんが、JRが新大久保に2020年のオープンを目指し準備を進めている食の交流拠点。まだ仕様があまり明らかでないものの、どちらかというと1の1に比べ、コワーキングの要素が強いのかなと思います。どこかのお店で修行を積むだけが料理人の働き方ではなくなってきて、ケータリングやフードコーディネート、フードスタイリングやフードディレクターなど、多様化した食に関わる仕事人がコワーキングを利用したらなにやらいろんなおいしい取り組みができそう。

KITCHEN Labo.(ハチグラム)

EATLABと同じ小松市でリノベーションを手がけるハチグラムも新拠点となるオフィスをシェアキッチンを備えたスペース KITCHEN Labo.としてオープンするのだとか。まだリノベーション中とのことで詳細は明らかではないものの、どんなスペースになるのか気になります。



ストーリーある消費の時代に自分をつくる”食”をどう表現するのか

社会が成熟してきて、なんでもいっぱい、とか、高いものを持てば良いのではなくて、自分が選んだもので自分を形作っていく、ストーリーある消費が主流となりつつある時代に、着るもの、食べるもの、持ちもの、あらゆるものというものに、持つ理由やストーリー、思想が宿るようになりました。

でも、これらの中でもお腹に入るとなくなっちゃうという意味で食べものはとりわけ、刹那的。

洋服やアクセサリーは持っている、あるいは身につけていることで自分を表現できるけど、食べものはお腹に入ったら終わり。

なんて話していたのは、EATLABのオープニングトークセッションに来ていただいた EVERY DENIMのデニム兄弟、弟の島田 舜介さん。

「服だったら着ることで自分のスタイルや思想を示すことができるけど、食はinstagramに投稿することくらいはできるかもしれないけれど、基本的には食べたらなくなっちゃう。どうやって価値観を共有しあうのかなと思ったときに、やっぱり大事なのは“一緒に食べる場”なんじゃないかと思う。」

ほとんどの場合、ヘルスケアなどの場面で言われることの多い

I am what I eat.

という言葉。

でも、自分自身の体のための栄養素や健康面だけのことではなく、自分の好みや生産者の思い、環境のこと、宗教のこと、それら全てを包括して、わたしたちはわたしたちの選択の連続から形づくられています。

文化は自分たちの生活に落とし込む実践者がいてこそ、根付くもの。だからこそ、わたしたちも、参加する人がそれぞれに表現できる場として、これはどこどこ産で、誰が作ったもので、どうやって食べるとおいしくて、なんて話しながら実践する場、まさにお茶の間ではないけれど、「同じ釜の飯を喰らう食の間」がつくりたかったのです。


相手をより深く知るために、分割不可能なものを共有する

「同じ釜の飯を喰らう間」みたいなものの流れはシェアキッチン以外のところでもあって、知り合いのサービス KitchHike(キッチハイク)も、当初は食の Air bnbとして旅人と旅先での現地人の食卓のマッチングをしていたものの、2016年に仕事帰りとかちょっとした日常の一コマとしての食事会を取り扱うようになりました。

KitchHikeが提供するのはなにか実際に存在するスペースでもなければお店でもない、料理する人と食べる人からなる食の”間”のマッチング。その時々によって場所も異なれば参加する人も異なるけれど、一緒に食べることによってその”間”を共有する。

このサービスの共同代表、山本雅也さんが

「分割不可能なものを共有するところから人と人はつながって、共同体が立ち上がったり、交易が始まったりしていった」

と文化人類学の本で読んだというように、茶の湯であれ会談であれ、だいたい食事を伴う間なわけです。

そういう間の共有によって知ることができる相手の思想や実は相手を形づくっているものなどの情報量は、ファッションやアクセサリーを身に着けることによって表現されるそれよりも、さらに深いところから得られるものかもしれません。


というわけで、わたしたちなりのキッチンのあり方、書いてみました。また、わたしたち自身でもEATLABをつかって「同じ釜の飯を喰らうイベント」を手がけていきたいと思っていますので、SNSなどの更新もお見逃しなく。

EATLABでは、「#EATLABのつくり方」と題してほぼセルフリノベーションでつくったEATLABの内装の様子を少しずつInstagramにアップしてきました(実はまだまだ完成まではアップしきれていないのですが…)。今後、noteでは”つくり方”の意味合いを拡大して、リノベーションの様子はもとより、わたしたちが”EATLAB”というブランドの輪郭を形づくっていく様々な取り組みの一端やそのやり方をお伝えできたらと思い、マガジンを作りました。こちらも合わせてご覧いただければ幸いです。


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Instagram:@eatlab_jp

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