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やっぱりこれ、貨幣錯覚だよな。

貨幣錯覚っていうのは、たとえば30年前に1億円稼いで預金しておいたとする。1億円は減っていないので損をしていない、と預金者は思っているけれども、通貨の価値が棄損されているので購買力が減ってて、通貨の価値としては本当は4割ぐらい減ってる。ってやつだ。

これもすごい話だよなあ。なんとなくそうなった、とかではない。おそらくいろいろと理由があると思うよ。金融緩和はやってるけど指値オペして金利を抑えている状態なのが10年以上続く、というのがどういうことなのかもピンときていないひとが多いと思うけど。英国病と呼ばれる金融抑圧だ。実質賃金はどうしてもあがらないけど、隠れ円安によるコストプッシュインフレで物価は上がる、まぎれもないスタグフレーション。金融緩和しているから、大増税で通貨の価値がこれ以上下落しないように頑張らないといけない。金融抑圧が緩慢なデフォルト、と呼ばれるゆえんだ。誰も責任とりたくない、みたいなときにやる経済政策だ。昔から投資家のあいだでささやかれていて、もちろん対処法もあって、これで儲けたひとも多いはずだ。何度も言ってるけど、ここはリスクヘッジが必要なところだったのだ。少なくとも10年以上前から。

そういうのをさ、ひたすら誤魔化すプロパガンダがMMTとかだったんじゃあないのかな。ネトウヨとかネトサポとかにずっと騙されているのに、まったく気が付かないまま、自民党を保守と支持してこの有様ですよ。馬鹿馬鹿しい。心底。自分の預金価値が棄損されてても、よくわからないだなんて。

この辺もなんだけど、なんで全然気にしないでぼんやりしているのかが、私にはわからない。説明しろ、というべきだし、大手メディアにも特集しろ、というべきではないのか。自国民の通貨の価値が棄損されるって、国民の財産を守っていない、という、大きな話だ。その間、ごく短い時期をのぞいて、ずっと自民党が政権をとっていたのだ。自民党に説明させるべきだし、自民党と利害関係のない学者にも調べて研究を発表してもらうべきところだ。でもなんか、基本みんな、ぼうっとしているかんじなんだよね。それが不思議でしかたがない。なぜ通貨価値棄損されてても、全然平気なの?投資であっても、元本が4割くらい減っちゃった、だなんて、すごいおおごとなのに。

リスクヘッジをして資産の保全をしている人たちはなにも言わない。リスクヘッジをしないでまんまと損をしているひとたちは、損をしていることすらも理解できないままに、なんとなく物価が上がってるなー、ぐらいなもんで、自民党はあいかわらず保守で勝ち馬、みたいなかんじでいるのだろうか。こんな有様で、政治にも経済にも興味がない、みたいな段階でめちゃくちゃリスキーで損をしやすいと思うんだけど。投資で儲ける儲けないの前段階で、自分の預金に適切なリスクヘッジができない、というのが、猛烈に損だ。「政治なんかどうでもいい。自分さえ良ければいい」と言っているひとのほうが、こういう基礎的なところで圧倒的に損をしやすい。なんであのひとたち、常に美味しい話に食らいつきたい、みたいな態勢でいるのに、こんな大損こくところは直視しようとしないのだろうか。大損こくっていうか、日本円換算だと爆益出てるところだと思いますけど。正確には、リスクヘッジによってただ預金価値が保全されているだけなんだけどね。


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