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まあもちろん漫画家にも漫画原作者にもいろいろいるよ。いろんなタイプがいる。クリエイターじたい、本当にいろいろで、まじめで売れてるひともいれば、破天荒で売れているひともいてさ。

でも私は、雁屋先生みたいに、弱いひとを庇ってくれる漫画原作者が好きだし、憧れているし、そう在りたかったのよ。

戦後政治史や社会学に精通していて、心理学とか哲学とかもそこそこ知っててさ。いざというとき、守ってくれて、博識で、間違っても「植民地主義ぶちかまされててもよくわからない」みたいなクリエイターではない。芯の通ったクリエイターになりたかったの。

笙野 頼子さんだってそうでしょ。作家として強かった。政治の話をして、別に漫画家や漫画原作者としての立場を捨てているわけではない。むしろ、逆なのだ。クリエイターとして、この戦争の時代をどう生きるのか、みたいな話なのだ。

なかなか難しいのはわかってる。時代が時代だったならば殺されていただろう。家族を盾にされたらなにも言えない。私が言えるのは、女でおばさんで売れてない漫画家だからだよね。言ってもあんまり目立たないから、というのもある。本当に売れてるひとが言ったらたいへんだから、言わないほうがいいよって私も言うだろう。

そうねえー。やっぱり、雁屋先生みたいな漫画原作者なりたかったかな。作風はまったくかすりもしないけど。女だけど。

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