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手段や関わり方の前に、子どもの”気持ち”を理解すること

先日、シッターの仕事で印象的なことがありました。

朝におうちに行ってお子様をお預かりし、園に向かうバス停まで送り届ける、という仕事内容です。

保護者さんは先に出てしまうので、預かってから少し家で過ごし、バス停に出発します。

その園の仕組み的に、バスは予定時刻を過ぎると先に行ってしまうので、乗り遅れないかいつもヒヤヒヤです。。

週1~2の朝だけの関わりなので、その子と関係性が作れてきたかな…と思うと期間があいてまた戻ってしまったりと、微妙な距離感の中、関わり方をいろいろと模索していました。

以前お預かりした時に、出発することにうまく気持ちが向けられず、半ば強引に外に連れ出してしまうような形になり、それはあまりやりたくないなと、楽しく、気持ちよく、園に行けるようにしたいなと思っていました。

出発までにやることを紙に書いて見せたり、遊び要素を取り入れて着替えをしたり、バス停の前に公園があるので、早めに着いたら何をする?という話をしたり。

自然な形で気持ちが出発に向かうように工夫し、準備まではすませることができました。でもいざ出発の時間になると…だんだんその子の表情が曇っていく。。行きたくない、いやだー!と頑な様子になってしまったんです。

でもバス停には絶対に送り届けないとまずい。うーんどうしよう…

あの手この手がもう難しそうだったので、「どうしようか…行きたくないのかな?」「どうして行きたくないのかな?」と聞いてみたら、ぽつりぽつりとお話をしてくれて。

たぶん、特別な嫌なことがあるわけでなく、行ってみたらきっと楽しいのだけど、冬休み開けてまだ時間もたっていないみたいだし、私とも久しぶりで、たぶんもやもやした気持ちを抱えていたんだと思います。大人でも学校や仕事に行きたくないなあ…と思うことは、時々ありますよね。

なので「そうか、行きたくないんだね。わかる。いつも楽しい気持ちで行けるわけじゃないよね。行きたくない時もあるよね。私もあるもん」と、妙に共感してしまって。それは関わり方の手段としてではなく、自然な共感。

そうするとその子は気持ちをわかってもらえて嬉しかったのか、さっきの様子とは違う、ちょっと落ち着いた感じになったんです。「とりあえず1回外に出てみようか」と促すと、家を出る準備にも自分から取り組み始めて。

向かう道中で笑顔が増えて、最後は乗り込んだバスから手を振ってくれました。

何が言いたかったと言うと…その子の気持ちを理解すること、わかってあげようとすることって、本当に大事だなと。

子どもと関わる時に、「手を変え品を変え」と、子どもの様子に合わせて自分の関わり方を柔軟に変えることは確かに必要。でも、子どもの気持ちの理解や共感なしに、関わり方の手段や引き出しだけ多く身に着けても、それは極端に言うと、子どもをコントロールするスキルを身に着けているだけだと思います。

子どもの気持ちをいつも理解しようと努めながら、その子が自らの力で前に向かって進んでいけるよう、関わり方を模索していく。

当たり前なようで忘れがちになっていたこと、そしてとても大事なことに気づかせてもらいました。

手段ありきではなく、子どもの”気持ち”をいつも考えていきたいと思います。

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