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双子との生活

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双子の母としての自分や子どものこと。
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#子育て

脳みそゴリラ化計画は親子に何を残したか

新型コロナウイルスの感染予防のため緊急事態宣言が発出された、令和2年の3月からの3ヶ月間は、学校は休みと聞いて子どもたちは喜び、私は青くなった。 休校期間はいつ終わるか分からない。その間の生活リズムを固めるには、とにかく初めが肝心だ。だから緊急事態宣言の出た夜にすぐ、国語、算数、理科、社会のドリルと原稿用紙を大量にネットでポチった。そうして、午前4コマの学習時間、昼食後に作文の時間、と時間割を決めた。 望まない勉強をやらされるとしても、できれば前向きな気持ちで取り組んでほ

子を真似て作文を書いていたら、収穫があったこと

noteを初めて1ヶ月、休まず投稿を続けている。画像だけの日もあるが、とにかく1ヶ月続いている。目標は、作文だけ数えて60稿。 60、という数字は、我が家の子どもたちが作文を書き続けた日数とほぼ等しい。 新型コロナウイルスの感染予防のため、緊急事態宣言が発出され、小学校は休校になった。その3ヶ月間の平日に、毎日作文を書かせた。 400字詰め原稿用紙2枚以上がノルマ。初めは「楽しかったです」「良かったです」のオンパレードだった。次第に何がどう楽しかったか、良かったかを書か

漢字は忘れても一緒に練習したことを覚えていて欲しい

「つくづく思うんだよ。人間ってさぁ、同じ間違いを繰り返す動物だよね。」 漢字練習をしながら、息子がしみじみと呟く。 彼は漢字を書くのがとにかく苦手だ。書き順がいつもてんでバラバラ、右からでも下からでも、自由に書きたいところから書く。だから手が覚えない。漢字テストの時は頭で覚えている形を思い出して書こうとするから、どこかが間違ってバツがつく。 そんな彼もさすがにこれでは中学校に行ってからまずいのでは、と思ったらしく、冬休みの自主学習で漢字をおさらいすることにした。1年生か

涙する息子に捧げるあんずきばっと

なぜだか今、あんずきばっとが食べたい。 たぶん、息子が泣いているからだ。 悲しくなった後で、悲しいと感じた自分の心の動きに戸惑い、不安になっている。そんな彼に、ホッと温まる甘いものを食べさせてやりたい。 あんずきばっと。 口に出してみると、なかなか愉快な言葉だ。外国のおまじないみたいな気もするし、競走馬の名前みたいな気もする。 あんずきばっとは岩手の郷土料理だ。「あんずき」は小豆、「ばっと」ははっとう。粒あんのおしるこ(関西ならぜんざいと言いますね)の餅の代わりにう

私が子どもに字を教えなかった理由は絵本にある

子どもが小学校に入学するまで、字を教えなかった。 というと、けっこう驚かれる。特に女の子はずいぶん早いうちから手紙交換などしたがり、字を覚えるらしい。 ひらがなの読み方は6歳の誕生日まで教えなかった。(でもその後の半年でちょっと教えたら入学前には読めるようになった。) ひらがなの書き方は入学まで全く教えなかった。書くことに興味を示さなかったし、放っておいたら入学まで本当に書けなかった。 入学してすぐ、自分のカードに名前を書かなければならない場面があった。そばにいた先生

絵本の前でわが子と溶け合う

我が家で1番役にたった育児アイテムは、絵本だ。 どこに行くにも絵本が3〜4冊あれば、おもちゃがなくても時間を持て余すことはない。電車の中でそわそわしだした時には、ささやくような小さな声で読んだ。 風邪をひいた時も、絵本を読んであげれば呼吸が整う。子どもの横に並んで寝て絵本を持ち上げて読むと、だんだん腕がしびれてくるが、これで辛さが和らぐなら、と読んだ。 小児科の長い待ち時間も、待合室に置いてある絵本で乗り切った。診察に呼ばれ途中で絵本を閉じると、子どもが怒って泣きだした

仕上げ磨き攻略法

子どもの歯の仕上げ磨きは大仕事だ。 暴れて抵抗し、体をねじって起き上がろうとする子どもを仰向けにするところからもう既に大変。とにかく大の字に寝かせ、両手両足に自分の足を乗せて動けないように押さえる。 すると今度は口を開けない。左手で下顎に力をかけて無理に開かせ、歯ブラシを入れる。それでも必死の形相で、ガッチリ噛みついて歯ブラシの動きをブロックしてくる。 下手すると20〜30分かかる。双子だから✕2、それを朝晩。今思い出すだけでうんざりだ。 ところがある日。 いつもの

夫は絵本で父になる準備をした

我が子への初めての読み聞かせは、まだお腹の中にいる時からだ。 私が幼稚園の時に母が購入してくれた福音館書店の『こどものとも』『かがくのとも』の配本が、処分されずに実家に残っていた。それを結婚の時に全部持ってきていたので、出産前から絵本はたくさん持っていた。 いつもその中から選んで読んだ。自分が子どもの頃に好きだった絵本は、読み聞かせていてもやはり好きだった。久しぶりに手にとってみてしみじみと気に入った本もあった。 夫も私のお腹に見せるようにして読んでくれた。 夫は幼い