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高齢者こそスマートスピーカー・スマートリモコンを

AmazonのAlexaやGoogleなどのスマートスピーカー。近頃ではあまりCMも見なくなりましたが、介護する者にとっては意外に「使える」ものなのです。我が家はではAmazon Echoをフル活用しています。

というのも、私の母には半側空間無視や片麻痺があり、ボタンがうまく押せず、電話も使いこなせません。でもスマートスピーカーなら「音声のみ」で作動させることができます。口さえ達者であれば使える可能性があるのです。

・目覚ましがわり

朝、決まった時間に音楽を流して起きてもらうことができます。好きな音楽をかけると目覚めてくれる確率が高いです。「明日、7時に起こして」と母が自分でアラームを設定することも。

・音声でリモコンがわり

スマートリモコンと連携することで、声で家電を操作できるようになります。

母はボタン操作に弱く、テレビのリモコンがうまく使えないのですが「テレビつけて」「NHKかかけて」の一言でチャンネルを替えられます。うちはプライムビデオに加入しているので、よく「Alexa、『名探偵コナン』見せて!」といって一人でコナンを見ています。

部屋の灯りもヒモをひっぱらずに「電気消して」で消すことができますし、
エアコンの操作も「エアコンつけて」「冷房を27℃にして」と自分で調整できます。とくにエアコンのリモコンは押し間違いが多く、熱中症につながるのですが、人によっては音声のほうが安全に使えると思います。

・ナースコール、電話がわり

Amazon Echoシリーズには通話機能があり、音声でスマホと通話をすることができます。非常時とっさに呼び出すことは難しいかもしれませんが…私は買い物の際に「何かほしいものある?」と聞いたりしています。

また、モニターのついたEchoShowならビデオ通話が簡単にできます。顔をみて話したり、手軽に安全確認ができるんです。遠距離介護にはとても有効だと思います。

・「声を出す」ことの効能

スマートスピーカーには、音楽を聞く、天気予報を教えてもらう、テレビにでてきた言葉の意味を調べる、など、さまざまな使いみちがあります。

高齢者の場合、スマートスピーカーに向かって「声を出す」こと自体が大切です。とくに一人暮らしの方は誰かと話す機会が少ないもの。日中しゃべらない日々が続くと声帯が衰え、誤嚥のリスクも高まります。たとえAI相手でも声を出し、声で命令をしていたら、声帯の衰えを防ぐ効果があるのではないでしょうか。

・高齢者がスマートスピーカーを使うときにつまずく点

とはいえ、導入につまずくポイントがいくつかあります。

Wi-Fiがない
ネットに接続する必要があるのでWi-Fiは必須です。
高齢者のみの世帯だと、
「スマートリモコンだけのためにWi-Fiをつけるのも・・・」
ということになります。

ウェイクワードが言えない、覚えられない
スマートスピーカーを起動するためにまず声で呼びかける必要があるのですが、その言葉が難しすぎるという問題。「アレクサなんて外人の名前、覚えられないよ」。「オーケーぐるぐる!」「太郎じゃダメなのか?」「なんて名前だっけ?」

アレクサの場合は名前を選ぶことができ、我が家の場合は「エコー」と呼びかけています。アレクサよりも覚えやすいし、何よりも
「入れ歯をはずした状態で呼びかけても、認識してもらえるのが『エコー』だった」
からです。

日本人のおばあちゃんがが一生懸命「あれくさ!」と呼んでも発音が弱いためか認識してくれないんですよね。夜、入れ歯をはずしてフガフガやってるときに呼びかけても絶対に答えてくれない。ただ『エコー』だけは言いやすく、伝わりやすかったようです。

高齢者こそスマートリモコン、スマートスピーカーを

「年寄にスマートスピーカーなんて無駄だ」
と思われる方もいらっしゃるでしょう。
「使えるわけがない」と。
しかし実際には、認知症の方がスマートスピーカーで遠方の家族と交流したり、ボタン操作のできない人がスマートリモコンで家電を操ったりと、便利に使いこなす例も多いんです。
「高齢者は新しいものになじまない」
という偏見を捨てれば、また違った介護の形が見えてくるかもしれません。

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