見出し画像

在宅介護とワクチン接種

高齢者のワクチン接種はだいたい終わったようだ。次は介護をする家族の番である。

新型コロナウィルスのワクチン接種についてはさまざまな意見がある。できるだけ打ってくれという人々と、鵜呑みにできない人々、アナフィラキシーや副反応の恐れ・・・どれが真実かわからない。打つのも打たないのも自分で考えて決めることだ。

私個人の意見としては、家族を在宅介護する人は、できることなら打ったほうがいいと思う。

もしも介護者が陽性になったら、要介護の家族はどうすればいいだろう。寝たきりだったり重い認知症のある家族はどうなるだろう。そう考えると怖いからだ。

たとえ介護者が急に倒れても(たとえ死んだとしても!)、普通の病気や事故なら、ケアマネさんがなんとかしてくれる。緊急でショートステイにお願いするとか、ヘルパーさんに来てもらうとか、方法はいくらでもある。ワクチンを打つ場合は、副反応に備えてあらかじめショートに預けておくということもできるだろう。

だが介護者がコロナ感染した場合はどうなるんだろう。濃厚接触者である家族を施設は受け入れてくれるだろうか?ヘルパーさんは防護服を着て介護してくれるだろうか?いくらワクチンが普及しているとはいえ、それでも感染を完璧に防げるわけではないのだから、みんな怖いはずだ。ちなみにうちのケアマネさんに尋ねたところ何一つ明確な答えは返ってこなかった。

要介護の家族も自分と一緒に入院できればいいが、ただでさえ病床は足りず、入院は難しい状態。状況はこれからどんどん悪くなるだろう。最悪の場合、自分だけが入院して家族はほったらかしにされる・・・なんてことも想像してしまう。

「そんなことあり得ないよ。きっと誰かがなんとかしてくれる」

と言う人もいるが『誰か』って誰だろう。「なんとかなるよ」という言葉が他人に対して使われる場合、だいたい無責任で、だいたい根拠はない、ということを今日知った。実際にコロナ罹患歴のある介護者なら具体的なアドバイスもしてくれるんだろうけれど。

かつて私がノロウィルスに罹ったとき、なんとかならなかった。介護保険は助けてくれなかった。ショートステイに「感染症の家族がいる方は無理です」と断られ、私は熱を出しながら嘔吐と嘔吐の合間をぬって家族のオムツ交換をするしかなかった。本当につらかったし、不安だったし、孤独だった。コロナだったらそれどころじゃないだろう。この不安は、孤独は、介護してる者にしか分からないのかもしれない。

ワクチンを打っても感染を完全に防ぐことはできない。だが重症化を防ぐ効果はある。もしも自分が感染しても、無症状や軽症ですめば、自宅療養をしながら介護ができるかもしれない。

だから私は介護者としてワクチンを打ちたい。・・・アレルギーがあるから打てるかどうかわからないし、怖いからほんとは打ちたくないんだけど!

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?