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台湾的音楽 Suming(スミン)波とユニゾンの美しさと

久しぶりの投稿は、Suming(スミン)舒米恩 のことを。
台湾人アミ族のアーティストです。台湾には、原住民(日本で言うところの先住民)と呼ばれる方たちがいます。『台湾を知る72章』(明石書店)の第27章にも、詳しい内容が書かれていますが、「原住民/原住民族」と言う言葉は、中国語で「もともと居住してきた民」と言う意味を持つ、とのことだそうです。

何度か音楽アワードの紹介などでも、原住民にルーツのあるアーティストを紹介していますが、ロックやポップスやR&Bなど、さまざまな音楽のジャンルと融合した音楽を発表しているアーティストが多いかと思います。きっと、昔から伝わる伝統音楽を発表している人もいるかもしれませんが、私が知っているアーティストは、やはり前者かと思います。

Sumingも、やはりロックやフォーク、時に打ち込みのエレクトロな音楽の要素などなど、いろんな音楽と融合した素敵な音楽を発表しています。

音楽の良い悪いと言うのは、個人的にはあまりないと思っています。(許可もなく、他人が作った音楽を勝手に使用して、自分のものにするのは言語道断ですが。)
さまざまな音楽がこの世に存在していて、同じロックでも演奏する人や制作者によって、雰囲気が違っているものです。おそらく、それを「個性」と呼ぶのだと思いますが、そう考えるとSumingの音楽は、きっと「海の景色」が見えることと、「張りがあって響くように美しい歌声」が個性なんだろうと感じています。

「海の景色」と言っても、それは世界中のさまざまなアーティストが、表現していると思います。例えば、ジャック・ジョンソン。ハワイのノースショア生まれの彼の音楽を聞くと、やっぱりハワイのサーフな感じがするんですよね。ワイキキビーチとは違う、ハワイも市街地を離れて行ってみたファーマーズマーケットなど、のんびりした感じと波の美しい感じがイメージ出来るような感じで。

そう考えると、Sumingから感じるものは、ハワイよりも台湾の東海岸の自然や美しい山の緑など。私は、まだ行ったことがない場所ですが、たくさん写真や動画で見ていて、夢見る場所のイメージが浮かび上がります。

それが、ロックとかポップスとか比較的、耳馴染みのあるリズムに乗って聞けるので、それこそ「耳から始まる台湾トリップ」と言う私のポッドキャストの番組名なわけだなと思っています。

「アミ族の文化」に関して、私は専門家ではないので、イメージできる範囲は狭いし、実態とは少し違うところもあるかもしれません。でも彼の音楽を耳にすると、台湾のアミ族の方々が暮らす情景に想いを馳せることができます。

Sumingの曲には、心に迫ってくるものがあると感じています。おそらくですが、彼の歌声の迫力に心が揺さぶられるのもあるのですが、彼だけではなくコーラスとの歌声が重なりが、すごく良いなと感じています。

コーラスも一緒に歌っても、それは異なる旋律を歌うハモリではなく、同じ旋律をみんなで一緒に歌うユニゾン。それが、とても力強くて。欧米はハーモニーが多い(教会音楽のような)けれど、アジアはユニゾンが多いという話を以前に聞いたことがあるのですが、まさにそれだなぁと感じながら聴いています。

日本の民謡も、やっぱり唱和していますね。だからなのか、なんとなく懐かしいと言うか、どこか落ち着くようなところがあります。だから日本でも人気があるのではないかな?と思うこともあります。

ただそれだけではなく、とてもラテンな楽曲もあるし、本当に幅が広い。例えば、「約翰淑敏 John Suming」。カッコいい仕上がりで、この人の音楽的な幅の広さを感じます。

さて、そんなSumingが来日公演をします。

Suming来日公演「Sanga’ayen ko rakat 道中でご無事で」
2024年2月3日(土)
場所:青山 月見ル君想フ
18時30分開場/19時開演
観覧チケット:前売り 5,500円/当日券 6,000円。
ドリンク代は別にいただきます。

詳細は、青山月見ル君想フのHPのスケジュールからご確認ください。

また、今回紹介した楽曲を含めたSumingのプレイリストも作っていますので、ぜひ聴いてみてください。

それと、Podcastでも今日のお話をしておりますので、ぜひ聞いてみてください。

よかったら、Japan Podcast Awardリスナー部門にも、投票していただけると、とっても嬉しいです。

台湾音楽に関しては、こちらにマガジンとしてまとめています。


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