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傷ついていることにも気づかなかった私 #3

次男が、4年生の時のこと。個人懇談で、担任の先生から初めに出た言葉に、私は、驚きました。

「お宅の息子さん、なんか、いくつかの病気、持ってますよ。発達障害か自閉症か、何かわからないけど」

私は、「えっ?息子のどういう所を見て、先生は病気と思われるのですか?」と聞くと。「授業が始まる前に、本を集中して読んでいる。授業が始まり、読むのをやめなさいと言うと、普通の子は一度で片付けるのに、2度言っても片づけず、また読もうとする」と言われました。

たしかに、息子は、本を読むのが大好きでした。そして、図書室も大好きで、毎日のように借りては、家でも本を読んでいました。

「では、どうすればいいのですか?」と聞くと、「さあ。家でご家族で相談してください」と言われました。

どう相談すれば良いのかさえわからず、ちょうど養護の先生が通りかかられたので、担任の先生に言われた言葉を伝えました。

養護の先生は、スクールカウンセラーが来校される日を教えてくださり、すぐに予約することができました。

そしてスクールカウンセラーの方がすぐに次男のクラスの授業を見学に行ってくださったのです。

そこで、そのクラスの授業では、立ち歩いている子が多いこと、先生の話を聞いていない子が多いことがわかり、「次男さんは、まわりの子が立ち歩いて落ち着かない時に、今、本を読んでもいいと判断して読んでいますね。」「次男さんが、病気だからではないです」と、はっきりおっしゃってくださいました。

その後も、次男の本好き、図書室通いは続いていましたが、特に問題もなく、学校生活を楽しんでいました。

ところが、中学生になる頃、あるお母さんに、「お宅のお子さん、毎日、図書室に通っているでしょう?それは、友達がいないからですよ。」と言われたのです。

次男には、我が家に遊びに来る友達も、たくさんいました。幼い頃から、高校生になった今でも仲良くしている大切な親友もいます。

そして、次男が本を読む時間を大切にしていることを、誰よりも理解していた私は、そのお母さんの言葉を、そのまま信じることはしませんでしたが、なぜ、わざわざ、そんな発言をされるのか、不思議でなりませんでした。

そうして、中学生になって、初めての部活動の参観。次男は、バスケ部に入部していましたので、楽しみに参観に出かけました。初めは真面目に練習に参加していたのですが。保護者の方が参観されている試合には出たくなかったようで、先生から逃げるようにして、参観の途中で隠れてしまいました。

参観後、つい、他の保護者の方の目を気にしてしまった私は、「お世話をおかけしてすみません」と顧問の先生にあやまってしまいました。次男が、悪いことをしたとは、本心では思っていないのに。

その時、顧問の先生が言われた言葉を思い出すと、私は、今でも涙が出ます。

「今までにないタイプの子や!いろんな子がいる方がおもしろい。」と、先生が、わたしの目を見て、しみじみと言われたのです。

次男は、こだわりも意志も強いし、表現方法や行動が、他の子とすこーし違う時があることは、感じていました。でも、それは、親の私にとっては、とても素敵なところだし、次男のそういうところを、私は心から大切にし、次男にも言葉にして伝えてきました。

ただ、そんなふうに素直にはっきりと言葉にして、次男の良さを心から伝えてくださる先生に出逢ったのは、初めてでした。「子どものありのままの姿を見る」ということを、母としても、そして保育士としても大切にしてきた私にとって、先生の言葉は、同じ教育者としても、「やっと同じ価値観の人と出逢えた」と感動が芽生えました。

それと同時に‥その先生の言葉を聞いた途端に、涙が溢れました。そして、その時やっと、自分が傷ついていたことに気づいたのです。

小学4年生の時の担任の先生に言われた「いくつか病気を持ってる」という決めつけの言葉、友達のお母さんに言われた「図書室に通うのは友達がいないからだ」という決めつけの言葉。次男のことを理解してもらえない言葉に傷つきながらも、その言葉を無理やり、善意に受けとめようとしていた私がいました。

自分が傷ついていたことに、やっと気づけたのは、次男のありのままをうけとめてくださった顧問の先生の言葉を聞いた時でした。

私は、子どもの姿は、ありのままにうけとめられるようになっていましたが、自分の気持ちはありのままにうけとめられていなかったんです。

余談ですが、次男は、高校1年生になった今でも、本好き、図書室も大好きです。

中学校では、毎年、こんな賞状もいただきました。

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中学生になっても、バスケ部を続けるか、読書部に転部するか、本気で悩むほど、ただただ本当に本が好きだったんです。そして、その顧問の先生は、次男がバスケ部を続けるか悩んでいたことを、私よりも理解してくださっていました。

子育て中って、自分がどれだけ愛情込めて子どもを見つめていても、子どもにかけられた言葉ひとつで迷ったり傷ついたりすることが、とっても多い。

わたしのように、自分が傷ついていることにすら、気づいていないお母さんもいるかもしれない。

でも、私にとっての顧問の先生のように、1人でも、理解のある言葉をかけてくださったり、そっと寄り添ってくれたら。

それだけで、自分自身,そして我が子に対しても、「ありのままでいいんだ」と安心して、素直に愛する心を向けられるのです。

そんな経験を通して、私は、1人1人が自分のことをありのままに受けとめて、愛を循環していけるような世界になるように、なにかできないかと思い描き始めました。

そうして、アカシックリーダーへの道が拓いていくのです‥。

次へ続く


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