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河童考

河童の正体について考えてみた。

外見

体格ー子供(全身緑色もしくは赤色)
頭頂部ー皿
口ー短い嘴
背中ー亀の甲羅
手足ー水掻き
肛門ー3つ
体臭ー生臭い
姿ー猿、カワウソ

キュウリが好物
全身毛で覆われ、頭部に凹み、水をためる
相撲が得意
落石、倒木、ダイナマイトの爆発音を真似する
川や沼に住む
泳ぎ得意
土木工事手伝う
薬の製法教える
尻子玉を抜いて人間を腑抜けにする

鉄、鹿の角、猿を嫌う

結論から言うと、中国東北部に住んでいた少数民族
挹婁(ゆうろう)ー靺鞨(まっかつ)
女真族のルーツである。

河童はカワウソの一種とされることがあるが
後金の始祖ヌルハチはカワウソの子との伝説がある。

挹婁靺鞨はかなり独特な習俗をもっていた。
舟を操り、泳ぎが得意。
辮髪。
猪(ブタ)を飼い、食し、その毛皮を着ていた。
毒矢作りに長けていた。

塚状の穴居に住み、梯子を使って登り降りしていた
部屋の真ん中に尿を溜め、それで手や顔を洗った。
汚いようだが、尿素は天然の保湿成分。寒冷地の皮膚の保湿に適している。とはいえ、この習俗のせいで、最も不潔な民族との烙印を押されていた模様。

河童と特定した理由は
まず辮髪による頭部の剃髪。皿がのっているように見える。
泳ぎが得意。
毛皮を着ているから、全身毛で覆われている。

もちろんこれだけでは説得力がない。
おそらく、初期の河童の原型にあたる。
この他の要素は、その後の歴史背景により追加されていく。
中国が北方民族や西域に介入を始めた。
渤海航路として確立されたのは随分後になるが
民間レベルでは日本海はリマン海流、対馬海流、冬の季節風により、活発な交易があった。

渤海国の特産品は麻布や貂の毛皮。
麻布といえば大麻。西域にあった車師では2500年前にすでに大麻として使用していた形跡がある。
河童が人を腑抜けにするのは、この大麻の使用にあると考える。
薬の製法を教えるのは、おそらく外科と絡む。騎馬民族は外傷が多くなるため、鎮痛剤や止血、軟膏などの外用薬がメインになるのではないか。
大麻は鎮痛剤としても用いられる。
軟膏は動物の油に薬草を混ぜた。

ちなみに河童は若い女や子供に化けたとある。
これは、季節による入れ替わりがあったと考える。朝鮮から出稼ぎ労働のように来ていた。冬は若い女性が機織りに、他の季節は男性が来ていた。

全身赤か緑色というのは、漆塗りの葛籠(行李)。亀甲に編まれていた。相撲界で使用する開け荷と呼ばれる葛籠がある。身の回りの衣装を収納する。この文化と深く結びつくと思う。
河童は相撲が好きである。モンゴルからやってきた人々も混じってきた。

亀の甲羅は亀甲に編まれた行李を背負った姿では無かろうか。

肛門が三つあるのは、絞り染色と関わると思う。奈良時代にあった絞りの三纈(さんけち)。サンケチは三穴
つまり肛門は隠語。川や沼に住むのは染色と結びつくから。

そして、一番肝心なのが、河童がダイナマイトの爆発音を真似る点。
火薬の製造に絡んでいる。
火薬は硝石を原料にするが、硝酸カリウムを人の尿から作り出す事ができる。靺鞨は尿を溜めていた。硝石の入手作業にうってつけである。
江戸時代に加賀藩が五箇山で秘密裏に火薬を作っていたと言われるが、そのルーツはもっと古代に遡るのではないか。
富山の山間部に猪谷、井口村(おそらく猪口)など猪に絡む地名があるのは、猪の皮をきた人々がいたからと推測している。

これに、鯨油を混ぜ、簡単なダイナマイトを製造する事ができる。

日本の世界的な位置付けは、門外不出の特殊技術が外部にもれないように極秘で製造する場所。知る人だけが知っていた。
それは、極上のシルクであったり、金の採掘であったり、鉄の加工であったり、そのために密かに働いていた人々がいた。それが妖怪とされた。

キュウリについては、木瓜紋との関係から別に考察する。

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