熊谷守一美術館を巡って(東京都・豊島区千早)
<美術館紹介>
画家・熊谷守一氏の旧宅跡地に建てた美術館。1985年に熊谷守一の次女である榧氏が開館し、2007年より区立美術館として運営。守一氏の油絵、墨絵、書が展示されています。明るく、細部描写の簡略化を追求したフォービズムの画家と位置づけられていますが、作風は徐々にシンプルになり、晩年は抽象絵画に接近して「画壇の仙人」と呼ばれました。その頃の傲岸不遜な青木繁氏と、彼だけは親しかったそうです。
『絵なんてものはいくら気をきかして描いたって、たいしたものではありません。その場所に自分がいて、はじめて私の絵ができるのです。いくら気ばって描いたって、そこに本人がいなければ意味がない。絵なんていうものは、もっと違った次元でできているのです。』守一
戦争、子供を亡くすなど苦しい時代が続きますが、日本画の制作をきっかけに、画風は大きく前進。またコレクター木村定三氏の高い評価を得て「モリカズ様式」が確立しました。
有楽町線要駅から歩いて9分2番出口からまっすぐ、要小学校を目指して、過ぎたら左の小道へ。看板が案内してくれますから、静かな住宅地不安に思ってもお進み下さい。
<訪ねた日>
2020年7月11日
<展示に関して>
収蔵作品を中心に、特別企画展として熊谷守一美術館35周年展が開催されていました。初期から晩年まで堪能できるところでしょうか。
私の特に惹かれた作品>
「夏」
「桃」1951年
「ほとけさま」1950年
次女の熊谷榧氏の作品も展示されており、カフェで陶絵が買えました。安曇野山岳美術館では作品展が開催中とのこと。
お筆にも魅了されて。木村定三氏が愛知の方なので、名古屋出身の私は、“あの特徴的な後期の熊谷”は、よく目にしていましたが、全く異なる初期の色彩、厚みのある筆使いを堪能しました。
<売店に関して>
ゆったり座って、図録や、葉書、関連図書拝見できました。
<カフェに関して>
一階受付横に、ゆったりとしたコーヒーいただける場所があるのですが、今は残念ながらお休み。なので、近くのカフェを探すことに。受付にランチマップも用意されていました。
私は駅までの帰り道右手にある、カレーやさんでバターチキンカレーを頂きました。お子様セットもあり。
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